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実践!言葉を磨くための「思考サイクル」と「7つのプロセス」

どうも、ハギです。

少し間が空きましたが、梅田悟司さん著書の「言葉にできる」は武器になる。の解説の続きです。

後編は内なる言葉を磨くための方法「思考サイクル」と「7つのプロセス」について書きます。梅田さんがキャッチコピーや企画を考えるときに、実際に行なっている方法でもあります。

私も初めてやってみたのですが、内なる言葉と向き合うって思ったより難しい。他人ではなく、自分の頭で考えていることなのに。でも、だからこそ内なる言葉を磨く方法を習慣化すれば、人生レベルで役立つ語彙力が身につくと思います。

どんなテーマでも活かせる方法なので、やってみたいと思った方は、朝などに時間を十分にとってやってみてください。

正しく考えを深める「思考サイクル」

まずは、基本となる「思考サイクル」の要点を下の図にまとめてみました。

内なる言葉と外に向かう言葉

「アウトプット」→「拡散させる」→「化学反応させる」
このサイクルを繰り返し行うことで、物事について深く考えることができるようになり、結果的に語彙力も増えると梅田さんは言います。

具体的な7つのプロセス

基本的な考え方の流れを押さえたところで、具体的なプロセスに移ります。

<7つのプロセス>
①頭にあることを書き出す
②「T字型思考法」で考えを進める
③同じ仲間を分類する
④足りない箇所に気付き、埋める
⑤時間を置いて、きちんと寝かせる
⑥真逆を考える
⑦違う人の視点から考える

上の7つのプロセスは、前段の「思考サイクル」を細かい作業に分けたものと言えます。それでは順番に解説していきます。

⒈頭にあることを書き出す

全ては書き出すことから始まる。

まず大事なのは、とにかく「書く」こと!

なぜ、書くことが大事なのか?

それは、頭の中にある言葉を一旦外に出して、自分と「切り離す」ことができるから。

頭の中で考えると、
・主観が先行する
・ごちゃごちゃしやすい
・同じことを考えるループにハマる
などのデメリットがあります。

眠る前に悩み事を考え出したら、一晩中考え込んでしまって気付けば太陽が眩しいBad Morning...なんてことありますよね!そんなときもやはり頭だけで考えてしまっているのです。

対して書くという行為は、頭の中を客観的に見られるので、自分の考えがとても扱いやすくなります。

書くときは、裏紙でいいのでA4サイズの一枚紙を使うのがおすすめ。あとで入れ替えたり、グループ化するためです。紙を変えることでリズムよく、新鮮な気持ちで書くことができます。

★梅田さんポイント
大きな文字で書きましょう。文字の大きさ=自信です。

ここからは実際に私が「コピーライターとしてこれからどんな仕事に携わりたいか?」について考えて作業してみます。みなさんが実践するときは自分が一番興味のある問題やテーマで考えてみてください。

スペースが取れない人におすすめな方法、付箋とノートを使いました(自分の頭の中をお見せするのはちょっと恥ずかしいですね)。

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書くときは単語でも、箇条書きでも、文章でもOK!無理に整えず、浮かんできた内なる言葉を素直に書き留めましょう。

⒉「T字型思考法」で考えを進める

「なぜ?」「それで?」「本当に?」を繰り返して、アルファベットのTのように、考えを縦にも横にも広げていきます。

内なる言葉と外に向かう言葉 (1)

3つの言葉にはそれぞれ役割があります。

「なぜ?」:考えを深める
なぜそのように考えるのか問いかける。下へ下へと考えを深めるイメージです。

「それで?」:考えを進める
今考えていることが実現されると、どんな結果や効果が得られるのか?または意味があるのか?思考を前へと押し進めていきます。

「本当に?」:考えを戻す
建前なのか?本音なのか?一旦冷静になって考えを戻します。考えが行き詰まった時に使うと効果的です。

下の写真は、私が「これからどんな仕事に携わりたいか?」というテーマで出した「SNSを活用した広告」に対して、T字型思考法を使ったものです。

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⒊同じ仲間を分類する(グルーピング)

グルーピング①分類する
1〜2でアウトプットした紙を「別の考え方だと思う」ごとにグループ分けします。

分類し終えたら、枚数の多い束からもう一度分類します。見直して違うと思ったものは、別のグループに移動させたり、新しいグループを作りましょう。これを少なくとも3回繰り返します。

★梅田さんポイント
・バラつきがあっても思考のクセなので気にしない
・自分の思考のクセを知ることも大切
・繰り返し分類することで、より客観的に分析でき、気付きが増える

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3回見直して15のグループに分類できました。1回ではなかなか見切れないですね。梅田さんの言うように、見直すことでグルーピングの精度が上がると実感しました。

グルーピング②ラインに沿って順番を入れ替える
「方向性」を横のライン、「深さ」を縦のラインとして、順番を入れ替えます。分類された紙束を枚数が多い順に、左から右へと置いていきます。

それぞれの束を手にして、その中でも近いものをさらに分類しながら、より本心に迫っているものや、確かにそうだなと感じられるものを上から順番に並べます。

★梅田さんポイント
できるだけ大きな机でやりましょう。会社なら会議室、家ではテーブルや床に置きます。セロテープで壁に貼っていく方法もあります。

グルーピング③同じ仲間に名前をつける
グループに名前をつけると、考えていたことが明確になります。さらに、名前が指針となって他の考え方も生まれやすくなります。

★梅田さんポイント
「分けているようで、実は分かれていなかった」という重複を避けること。

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縦横ラインを意識して分類しました。名前をつけてみると、より考えがはっきりして、こんなこと考えてるんだ…と不思議な気持ちになりました(笑)

⒋足りない箇所に気付き、埋める

①横のラインを意識して、足りない方向性に目を向けていきます。
仕事の提案ならば、自社の製品やサービスのことで頭が一杯になり、書いた言葉もそれに偏っているかも。そんな時は、実際に商品やサービスを使った人が感じるメリット、感想について考えてみましょう。

★梅田さんポイント
整理してみると、自分中心に考えている人と、相手中心に考えている人に分かれることが多い。どちらが良い悪いではなく、思考に偏りがあると気付くことが重要です。

②縦のラインを意識して、それぞれの方向性の考えを深めていきます。
紙の枚数が多い列から順に、その中でT字型思考法を行います。 2で行ったT字型思考法は自由な発想を促すもので、今回はグルーピングされた1つの方向性やコンセプトをさらに掘り下げるものです。

次に、新しくできた縦のラインの考えを深める作業です。 ここで大切なのは、考えるスピードに置いていかれないように、とにかく筆を動かすこと。文字にする価値がないと思っても、言葉を書き出す。そしてT字型思考法を行います。

私の場合、グルーピングで出した「気持ち・やりがい」をT字型思考法してみたら、新たに「ただ仕事をこなすだけではおもしろくない」「やりがいは大事」などの本音が見えてきました。なんとなく思っていましたが、仕事でやりがいを重視しているとはっきりわかりました。

★梅田さんポイント
横のラインと縦のラインの作業は同時にやらないこと。

1〜4のプロセスは、マーケティング用語MECE(ミーシー)と呼ばれる手法でもあり、論理的な思考の基本であるとされています。

⒌時間を置いて、きちんと寝かせる

1つのことばかり考えていると、無意識のうちに考えが狭まっていることがあります。あえて他のことに意識を向ける時間を作ることで、頭をリフレッシュさせます。すると、再開時に前よりも客観的な作業ができ、新しい気付きも見えてきます。これは2〜3日程度が目安です。

⒍真逆を考える

1〜4で整理した言葉は、あくまで自分の常識の範囲内のもの。逆転の発想によって、縛られていた常識や先入観から抜け出しましょう。

真逆にはいくつか種類があり、梅田さんは以下の3つを挙げています。

⑴ 否定としての真逆 :「○○ではないもの」
できる ⇔ できない
好き ⇔ 無関心 ⇔ 嫌い
強み ⇔ 弱み など

⑵ 意味としての真逆:否定ではなく”対義語”を考える
やりたい ⇔ やらなければならない
希望 ⇔ 不安
過去 ⇔ 現在 ⇔ 未来 など

⑶人称としての真逆:誰の視点から物事を考えているのかを広げる
私 ⇔ 相手 ⇔ 第三者
主観 ⇔ 客観
ひとりきり ⇔ 大人数 など

⑴〜⑶を「自分がこれからどのように生きていきたいか」というテーマで考えてみると、以下のような考え方ができます。

・仕事で成功する ⇔ 成功ではなく、いい仕事をする(否定としての真逆)
・世の中をあっと言わせたい ⇔ 1人ひとりに寄り添う仕事をする(意味としての真逆)
・同期で一番になる! ⇔ 同期なんて気にせず、自分と向き合う(人称としての真逆)

⒎違う人の視点から考える

人間関係であれば友達や恋人、仕事であれば上司や取引先の相手、できるだけ具体的な人物を思い浮かべて「彼だったらどう思うだろうか?」「彼女だったらこう思うに違いない」と想像してみる。誰かの視点を持つことで、より広く物事を考えられるようになります。

自分と向き合うのは簡単じゃないね

やってみたら思ったよりも、時間と頭を使う作業でした。内なる言葉を鍛え慣れてないので、これで合ってるかな?という不安もありますが、やる前と比べて考えがスッキリした気がします。

何よりちゃんと書くことで、自分はこういう風に考えてたんだ、という本音が目に見えてわかるのでおもしろかったです。精度の高い自己分析ができますし、自分の悩みを自分で解決する力にもつながります。

前編と後編にかけて、内なる言葉とその磨き方を中心に解説しましたので、もっと詳しく知りたい方、外に向かう言葉(テクニック)も磨きたい方は本書を手にとってみてください。

それでは、また。


文:ハギ
@よりみちコピーライター

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