読みやすい文章は、目を細めればわかる
わかりやすい文章は、読みやすさが大切です。読みやすい文章を書くコツはいくつかありますが、今回は誰でもすぐに実践できるものをご紹介します。
〇〇の多い文章は読みにくい
さっそくですが、以下の「商品発送の案内文」を読んでください。
御注文有り難うございます。御注文件数・発送状況により、御案内した予定日を前後する場合がございます。順次発送の手配となります為、早めたり、遅らせることは出来かねます。予めご了承頂きますようお願い致します。
続いて、こちらを読んでください。
ご注文ありがとうございます。ご注文件数・発送状況により、ご案内した予定日を前後する場合がございます。順次発送の手配となりますため、早めたり、遅らせることはできかねます。あらかじめご了承いただきますようお願いいたします。
上と下はどちらも同じ内容ですが、読み比べてみてお気づきですね?「漢字の量」の差に。
上の文章を読むときに「読みづらいなぁ」と思いませんでしたか?漢字を多用した文章は意味や使い方が正しくても、堅苦しくて読みにくいのです。
「御注文」は極端かもしれませんが、「有り難うございます」「〜の為」「頂きます」はビジネスメールでもよく見かけますね。
漢字を「ひらく」
漢字でも表現できる言葉を、あえてひらがなで表記することを「漢字をひらく(開く)」と言います。
わたしがよく漢字をひらいて使う言葉を例に挙げます。
私 → わたし
お客様 → お客さま
及び → および
注意したいのは、「とりあえず漢字をひらけばいい」と思わないことです。
たとえば、ビジネスシーンで毎日使う言葉。
お疲れ様です → おつかれさまです
どうぞよろしくお願いします → どうぞよろしくおねがいします
ひらくことで柔らかい雰囲気にはなりますが、読むのに少し時間がかかります。ひらがなが多すぎても、締まりがない読みにくい文章になってしまうのです。なので、漢字は適度に使うが正解です。
広告業界に限らず、新聞・雑誌・書籍のような言葉を扱うメディアでは、「漢字3割、ひらがな7割」が読みやすい法則とされているそうです。
多くの人に伝えたいときは、読む手間をかけさせない
専門性の高い論文、お堅い契約書類には、難しい漢字や言葉が意図的に使われます。しかし、あなたが一般のお客さまに向けて文章を作るのであれば、漢字の使いすぎには注意しましょう。読む相手に労力をかけさせてしまうからです。
広告の場合は、パッと見て読みやすくないと判断されると、その瞬間、ターゲットが広告を見るのをやめてしまう可能性があります。そのため、漢字は最低限しか使わないのが基本です。
これは広告に限らず、多くの人へ情報を届けたいときに必要不可欠な考え方だと思います。
文章を書き終えたら、目を細めてみよう
「漢字3割、ひらがな7割」の法則があると言いましたが、この比率を計算するのは少し難しいと思うので、わたしがコピーライターの先生から聞いたとあるユニークな方法を教えます!
自分の書いた文章を、目を細めて見てください。
ん?どういうこと?
冒頭の「商品発送の案内文」を参考にしましょう。イメージはこんな感じ。
まず、漢字が多い文章。
続いて、漢字をひらいた文章。
なんとなく上のほうに、黒いかたまりが多く見えませんか?黒いかたまりが多く見えるときは、漢字の量が多いというサイン。漢字をひらく、もしくは違う言葉で言い換えができないか考えてみましょう。
ちなみに、わたしが漢字をひらくかどうか判断するときに使っているものがこちら。
共同通信社が出している「記者ハンドブック」です。
わかりやすくやさしい文章を書くためのさまざまなルールが載っています。前からシノが持っていて、わたしも気になっていたので去年買いました。愛用している人も多いので、ライターに限らず、文章を書く機会がある人は持っていて損はないと思います。
< 記事のまとめ >
・漢字が多いときは、漢字を「ひらく」
・漢字3割、ひらがな7割が読みやすい文章
・読みやすさを確認するときは、目を細めて文章を見てみる
これからも定期的にライティングのコツをコピーライターの視点で解説しますので、よかったらフォローお願いします!
それでは、また。
文:ハギ
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