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言葉の力を根本から鍛える!「言葉にできる」は武器になる。

どうも、ハギです。

コピーライターになって3年。言葉の勉強といえば、有名なキャッチコピーを書き写してみたり、映画や小説などに出てくる言葉をメモしてみたり、そんなことをしてきました。

しかし、もっと言葉の力を根本から身につけるようなヒントを「言葉にできる」は武器になる。で知りました。

著者は、缶コーヒーのジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」や「バイトするならタウンワーク。」などの誰もが知っているフレーズを生み出してきた梅田悟司さん。

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本書を一言で要約すると、人に伝わる言葉を生み出すためには表面的な言葉の言い回しだけでなく、「内なる言葉」に耳を傾け、自分の意見を育てる習慣をつけようというもの。

前編では本書の最大のキーワード「内なる言葉」について解説します。後編では「内なる言葉」を磨くための具体的な方法をご紹介します。

「内なる言葉」ってなんぞや

「梅田さんは、どうやって伝わる言葉を生み出しているんですか?」

仕事から日常会話まで、多くの人が抱えている言葉の悩み。それを聞いて、梅田さんは尋ねます。

「言葉をコミュニケーションの道具としてしか、
考えていないのではないですか?」

え?だってそうでしょう。言葉は、私たちが誰かと話すときにお互いの意見を伝えるための手段。

一般的にはそう考える。しかし、梅田さんはもう一歩踏み込みます。

「言葉が意見を伝えるための道具ならば、
まず、意見を育てる必要があるのではないか?」

口から言葉を発するよりも前に、自分の意見を育てるプロセスが重要だと言うのです。

そこで必要不可欠なものが「内なる言葉」。

「内なる言葉...?自己啓発本には興味ないんです」と思った方、お待ちください。

「内なる言葉」とは、言い換えれば、私たちが持つ考えや感情、価値観のようなもの。今この記事を読みながら「そうか」「なるほど」「?」と頭の中で無意識に出ているものも、「内なる言葉」です。

なぜ「内なる言葉」が重要かというと、「言葉は思考の上澄みに過ぎない」からです。

高校生の頃、授業をぼ〜っと聞いていたら、突然先生が目の前に立って「どう思いますか?」と聞いてきた。私はハッとして「え〜っと......」と言葉に詰まる。(先生、私が話を聞いてないとわかってて質問してますよね?)

言葉にできないということは「言葉にできるほどには、考えられていない」ということと同じである。

つまり、自分の意見がない、もしくは整理されていなければ、いくら言葉を使ったところでちゃんとは伝えられないということ。

だから、自分の意見を育てるために、普段は意識していない「内なる言葉」について考えようと梅田さんは言います。

「外に向かう言葉」と「内なる言葉」

梅田さんによると、言葉には2つの種類があります。「外に向かう言葉」と「内なる言葉」です。「内なる言葉」をより明確にするためには、2つの違いを理解しておく必要があります。

図で2つの違いを整理してみました。

内なる言葉と外に向かう言葉 (2)

世の中にある伝え方や文章技術に関する本は「外に向かう言葉」に重点を置いたものが圧倒的に多いです。なぜならイメージがしやすく、即効性があるように感じられるから。もちろん役立つ情報はあります。

しかし、そのような外側のスキルばかりを磨き、「内なる言葉」を意識せずにいると、あまり中身のあることは言えないと梅田さんは言います。

あなたの周りにいませんか?「調子のいいことばかり言ってる」「本音はどうなんだろう」「口先だけだな」と思う人。

逆に、言葉ベタだけど気持ちが伝わることってありますよね。たとえば子どもの話。明らかにボキャブラリーが大人より少ないのに、本心で話すからこちらも自然と心を開いています。

前者は「外に向かう言葉」への比重が大きく、後者は「内なる言葉」への比重が大きい。

残念ながら私も「外に向かう言葉」ばかりを磨いてきました。この本も文章技術を上げるテクニックが読める!と思って買いましたが、良い意味で期待を裏切られました(笑)。

言葉も筋トレが必要だ

「内なる言葉」が何なのかはだんだんわかってきたけど、これを意識することに何の意味があるの?

そのメリットは大きく分けて2つあると梅田さんは言います。

1つ目は、一度、内なる言葉に意識を向けることができるようになれば、その存在に気付く前に比べて、扱う言葉の量が飛躍的に増加するからである。

2つ目は、内なる言葉に意識を向けることで、「なんとなく考えている」「考えたつもりになっている」という状況から脱することができるようになるからである。

私の解釈ですが、ぼやっとしていた言葉の数々がはっきりと輪郭を持つような、言葉の力が⑴量的にも⑵質的にも上がるようなイメージです。

このメリットを聞いて、私はコピーライターの先生から聞いたエピソードを思い出しました。

超有名なコピーライターAさんと先生が仕事でアメリカへ行った際のこと。

空き時間に現地を観光していると、Aさんが1人で何やらぶつぶつと喋っている。

先生が不思議に思って近づくと、Aさんは自分の見ているアメリカの景色を言葉に変えて発していたのです。

「天才が、筋トレしてる」

先生はそう思ったそうです。

今考えると、Aさんは「内なる言葉」を「外に向かう言葉」に変える作業を行なっていたのだとわかります。

そうか、「内なる言葉」を意識することは、言葉の筋トレのようなものかもしれない。そんなことを考えていたら、本書でも筋トレの例が出てきました!

無意識だった内なる言葉に精神を集中させて鍛えていくという行為は、筋力トレーニングと似ているところがある。筋トレを行う際には、今自分が使っている筋肉に意識を向けることで効果が格段に上がることが証明されており、この関係性に非常に近い。

あなたの言葉が見えてくると強い

「内なる言葉」とは、あなたの視点そのものである。

同じ本を読んでも、映画を観ても、景色を見ても、感想は人それぞれ。それは育ってきた環境や、一人一人の持つ考え方が違うからです。

「内なる言葉」が明確になると、自分が世の中をどのように見たり感じたりしているのか、分かるようになります。その視点こそが、あなたにしかないオリジナリティだと梅田さんは言います。

誰かから借りてきた言葉や、どこかで聞いたような意見と差をつけることができます。

これは就職活動のエントリーシートとよく似ていると思います。たとえば、志望動機。私も書類審査をする立場になったことがあるのですが、志望動機というのは大体同じように見えます。それは、就活生が知った情報をそのまま書いていることが多いからです。

「御社で働けば、幅広い経験ができると思いました」

幅広い経験ができることはあなたにとって、何を意味するのか?将来にどのようにつながるのか?どのくらいの優先順位なのか?

あなたの中にある理由を深掘りすれば、あなたの言葉で伝えることができ、みんなと同じようなことを言ってる、という状況から抜け出すこともできるでしょう。

ここぞという時に自分の言葉で語れるというのは、まさにタイトルの通り「武器」になると思いました。うん、もっと早く知りたかった。


ここまで、本書の一番重要な「内なる言葉」を私なりに解説してみました。抽象的な話が多く、戸惑った人もいるかもしれません。私もそうです(笑)。

でも大丈夫、「じゃあ実際にどうすればいいの?」という疑問も梅田さんはちゃんと解決してくれます。

後編は「内なる言葉」を磨くための具体的な方法を解説します!

それでは、また。

文:ハギ
@よりみちコピーライター

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