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インターネットで文章を書くときに、間違いやすい5つの例

「文章のまちがいや誤解を防ぐ校閲のきほん」というタイトルを見て、「これは参加せねば!」と思いました。

校閲(こうえつ)とは、文章の意味や内容を読み、誤りを正す仕事です。

誤字脱字、表記の揺れ、事実関係の誤り、差別表現や不快表現の有無まで、幅広く言葉を確認するプロ。

石原さとみさん主演の「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」で、広く世間に認知された職業でもあります。

コピーライターにとっても、文字のチェックは重要な仕事です。校閲のプロから無料で話を聞ける機会はそんなにないゾと思い、note主催の安心創作勉強会に参加しました。

講師は、LINE NEWSやlivedoor ニュースなどのサービスを365日体制でチェックするLINE校閲チームの方々。

話を聞いてとても勉強になったので、noteなどで文章を書く人に知ってもらいたい校閲のテクニックを、コピーライター目線でピックアップしてみました!

なぜ、校閲が必要なのか?

「校閲」という言葉だけ聞くと、専門的で自分とは関係のない分野に思うかもしれませんが、文章のミスをなくすことは、文章の質を上げることに直結します。

逆を言えば、いくら良い内容でも文章のミスが多ければ、読み手が途中で読むのをやめてしまう。もしくは、表現が誤解される恐れもあります。

特にインターネット上の文章は書き直しができるので、無意識にセルフチェックが甘くなりがち。

校閲の知識・技術は、文章の品質を保つためにいつでも役立ちますので、学んで損なしです。

では、校閲者は実際どのように文章をチェックしているのでしょうか?

まずは、チェックするポイントを知ろう

LINE校閲チームでは、1日1人あたり約100記事(!)をチェックしているそう。なぜ、そんなにたくさんの記事をさばけるかというと...

校閲者は、チェックするポイントを知っている。
ゆえに、闇雲に間違い探しをしないから。

指標もなく間違いを探しても、時間がかかるだけでなく見逃しも多いはず。あらかじめミスしやすいポイントを理解していれば、効率的に間違いを見つけることができます。

チェックする項目は複数あるのですが、特に重視すべきは「入力」と「日本語」のミスです。

入力ミスとは?ー「変換ミス」と「タイプミス」

入力ミスは「変換ミス」と「タイプミス」の2つがあります。

●変換ミス
スマホやパソコンの予測変換であるあるの間違い。特に、同音異義語(発音が同じで意味の異なる語)は注意が必要です。

<例>
・「変身お待ちしております」
 正:返信

●タイプミス
タイプミスは、言葉の間に入りがちな間違いです。具体的には、誤字、脱字、衍字(えんじ)があります。私は初耳でしたが、衍字とは不要なものが入ることです。

<衍字の例>
・情報交換を進めるととともに
 正:進めるとともに

日本語のミスとは?「てにをは」「用語の意味・用法」「つながり・係り受け」

日本語のミスは、入力ミスよりもチェックの難易度がやや上がります。

具体的には、「てにをは(助詞)の誤り」「用語の意味・用法の間違い」「つながり・係り受けがおかしい」の3つに注意です。

●てにをは(助詞)の誤り
文章のつなぎ目である助詞の使い方を間違えるケースです。

<例>
・医療リソースに限界にせまる。
 正:医療リソースの

●用語の意味・用法の間違い
単語や慣用句の使い方を間違えるケースです。こちらは結論から言うと、知識がないと判断ができません。

<用語の例>
・「明日必着で、標記の住所に郵送してください」
 正:表記

◆表記→おもてに書くこと。その書かれたもの。
◆標記→めじるしとする符号。また、その符号をつけること。

●つながり・係り受けがおかしい
長い文章になるほど、主語と述語の関係が曖昧になります。例のように、述語が受け身になるときに注意が必要です。

<例>
文部科学省は、教員免許の更新が必要な「教員免許更新制」について、教員の働き方や経済面で負担が生じているなどとして、廃止する方針を固めていて、早ければ2023年度から廃止する方針が表明されました。

(正)
文部科学省は、教員免許の更新が必要な「教員免許更新制」について、教員の働き方や経済面で負担が生じているなどとして、早ければ2023 年度から廃止する方針を表明しました。

入力ミスは細かく、日本語のミスは俯瞰してチェック

ここからは具体的な対策を解説します。

入力ミスは細かく、日本語のミスは俯瞰して見るのがポイントです。

✔︎入力ミスの対策方法

★1文字ずつ読む

1文字ずつ読むのは、校閲の基礎中の基礎だそう

流し読みをせず、じっくり読むことでケアレスミスを防ぐことができます。長い文だと大変ですが、校閲ガールになった気持ちでファイトです!

✔︎日本語のミスの対策方法

◯てにをは(助詞)の誤り⇨文単位で確認する
◯用語の意味・用法の間違い⇨わからない、曖昧だと思ったら調べる
◯つながり・係り受けがおかしい⇨文節ごとに主述関係・修飾関係を整理する 

つながり・係り受けのミスは解決策の1つとして、文章を区切ったり、一文一義にして文章をシンプルにすることもおすすめです。

一文一義については、以下の記事で解説しています。

上の対策を通して、校閲をする際の大切な姿勢が見えてきます。

<校閲の心構え>
・じっくり確認すること
・しっかり調べること

じっくり確認することは時間がかかるし、調べることは手間がかかる。

一見面倒に思う作業をするかしないかで、文章の信頼度が変わってきます。

あれ?と違和感に気づく力も大切です。感覚を養うためには、自分のことを過信せずに、わからないことや知らないことは調べるクセをつけましょう。

動画の最後で、講師の方が校閲は「書き手が伝えたいことを100%届ける仕事」と言っていたことが印象的でした。

自分で書いた文章が誤解されずにきちんと伝わるよう、焦らず間違いを直していきたいですね。


文:ハギ
@よりみちコピーライター

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