新人コピーライター、オリエンに必要な「キャッチボール」を学ぶ
私の会社では、イラストを描くことが好きなデザイナーが集まって「あどぶ いらすとぶ」として制作活動をしています。
仕事ではないので、それぞれの個性が色濃く表れていて素敵なんです。ぜひ覗いてみてください!
そんな「あどぶ いらすとぶ」、今年3周年を迎えました。めでたき3周年、社内で記念展示を行うことになり、展示ポスターのコピー制作をしました。
"新人コピーライター、初めてボディコピーの仕事をした話" と記事を書きたいところですが、今回のテーマはその前段階の、コピー制作における「オリエン」についてです。
オリエンとは
みなさんはオリエン(オリエンテーション)に参加したことはありますか?広告業界では、広告を制作する際に、商品やサービスの必要な情報や説明をクライアントから聞く機会のことをオリエンといいます。
オリエンで広告の内容、制作における予算やスケジュールなどをクライアントと共有したのちに、企画提案→制作→掲載と動きます。
オリエンってどうやって聞くのが正解?
今回は「展示ポスターのボディコピーを書いてほしい」という依頼のもと、いらすとぶのAさんとコピーライターの先輩シノと私の3人で打ち合わせをしました。Aさんからコピーライターへのオリエンです。
Aさんはいらすとぶのことや、展示会のテーマ、コピーに入れてほしい内容などを丁寧に話してくれました。それをうんうん、なるほど、と聞いてメモをとる私。
しかし、しばらくして先輩シノのオリエンの聞き方が自分と違うことに気づきます。
「めちゃくちゃ会話してる!」
"オリエン=クライアントが話すもの"という認識しかなく、こちらは大人しく聞くのがスタンダードだと思っていました。
相手が何を求めているのか探るように質問を重ねる先輩の姿勢が印象的でした。
「例えば」のキャッチボールのススメ
オリエンの聞き方で大切なのは、受け身にならないことだと反省。
うんうん、なるほど、とお行儀よく聞いていちゃダメなんです。
アイデアを出すうえでのズレを防がなくてはいけないから。
ではどんな質問をしたらいいのか。
私がおすすめするのは「例えば」のキャッチボールです。
オリエンの場で「例えば」の案を出してしまうのはアリだと思います。
そこでYESかNOをもらうことで、企画や制作のイメージ、コピーや言葉のニュアンスを探ることができます。
以下はオリエンのやりとりの一部です。
このキャッチボールを繰り返すことで、相手も、求めていたもののイメージがはっきりとしてくるのではないでしょうか。
クリエイティブの方向性をオリエンの場で固め、クライアントと共有するために重要なのがこの「例えば」のキャッチボールでした。
オリエンの形式(オリエン資料だけ共有される場合もあります)にもよりますが、企画や制作物のアウトプットに至るまでの齟齬(ズレ)をなくすにはかなり有効です。
先輩にならってAさんとキャッチボールを繰り返し、ぼんやりしていた言葉のイメージが形になり、ボディコピーが完成しました。
オリエンの目的を理解して効果的に活かそう
コピーライター視点で、
効果的なオリエンの聞き方とは受け身にならないことであり、具体的なアプローチとして「例えば」のキャッチボールの実践を紹介しました。
そもそもオリエンを行う目的は、クライアントと制作側の意図や思いのブレを防ぐこと。
単なる説明を受ける場ではなく「クライアントとアイデアの方向性を綿密に共有できるか」クリエイターの腕が試される場でもあると気づきました。
オリエンを効果的に活かすことで魅力的なクリエイティブが実現できるはず。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
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文:マキ