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【理学療法士目線で考える】正常歩行はコスパがいいという話

正常歩行にはメリットが多い

正しい姿勢で歩く正常な歩行は、言わずもがなですが身体におけるメリットがたくさんあります。

歩行姿勢に気を付けて歩くことで、普段の歩行が筋トレ代わりになったり、ウォーキングでの有酸素運動能力向上に繋がります。

こちらの投稿でも書いた通り、正常歩行は筋トレの効果があったり、有酸素運動能力向上にも繋がるだけではなく、他にもたくさんのメリットがあるのです。

そのメリットは身体面だけに留まらず、精神面にもプラスの影響が多いことが分かっています。

本日は改めて、特に私の専門分野である「理学療法士」視点で、【身体面】における歩行のメリットを3つ書いていきたいと思います。

正常歩行のメリットその①:姿勢が良くなる

大きな歩幅で歩くことで、股関節の動きが大きくなるのと同時に、
骨盤の動きも大きくなります。
股関節周囲の筋肉が伸び縮みし、また、骨盤と肋骨の間を走る腹筋群も伸び縮みして動きやすくなります。

正しい姿勢で歩くことで、股関節や腹筋などの身体の中でも大きな筋肉を、しっかりと伸び縮みさせて使うことができます。

筋肉の力には、握力測定で測るような単純で瞬発的な【筋力】と、【筋出力】や【協調性】といって、姿勢に応じてバランスよく筋力を発揮できる力の2つがあります。

歩行によって筋肉をしっかりと伸び縮みさせて使えるようになると、単純な筋力だけではなく、筋出力や協調性も向上していきます。

筋肉が伸び縮みすることで柔軟性も上がっていくため、関節が大きく動けることに繋がります。

正しい姿勢をキープするためには、身体の柔軟性や、筋出力・協調性の向上が必要になります。

正常歩行でたくさん歩くことは正しい姿勢に繋がり、正しい姿勢が取れるようになると身体への負担が減り、疲れにくく、身体を動かしやすくなるため、さらに歩行距離が伸びていく、という相乗効果が得られます。

正常歩行のメリットその②:血液循環がよくなる

普段、私たちの身体の中は血液が駆け巡っています。

血液は、心臓のポンプによって送り出され、また心臓に戻ってくるのですが、どんなに心臓が頑張っても、やはり血液が「水分」である以上、重力には逆らうことができず、一部身体の下に溜まります。

正常歩行によって足腰の筋肉が伸び縮みすると、それに伴って筋肉の中や横を通る血管が圧迫されたり緩んだりを繰り返します。

この血管への刺激によって、下に溜まった血液を送り返してくれ、血液循環が良好になります。

血液循環が良くなると、頭がハッキリしやすくなりますし、女性の悩みで多い「足のむくみ」や「冷え」の解消にも繋がります。

正常歩行のメリットその③:腸内環境がよくなる

しっかり足を大きく動かし、たくさん距離を歩くことで、お腹周りの筋肉の刺激が得られ活性化に繋がります。

お腹周りの筋肉が活性化すると、そのすぐ横の腸の動きを活発化してくれます。

また、歩行のようなリズム運動は、腸など内臓の動きをコントロールしている自律神経のバランスを整えてくれることにも繋がるのです。

筋肉からの刺激と、自律神経へのアプローチ、この2つの効果で腸の働きが良くなり、腸内環境も整いやすくなってくるのです。

それなら、どのくらいの距離を歩くとよいのか

よく、健康のためには「1日あたり10,000~12,000歩ほど歩きましょう」と言われています。
出勤だけでも5,000~8,000歩も歩けているとしたら、どこかで1駅分歩くだけでも、あっという間にこの目標を達成できると思いませんか?

一般的な目安としては、1日で10,000歩程度歩けるとよいとされています。

「10,000歩」と聞くと、かなり長距離をイメージされるかもしれません。
距離にすると7~8km、時間にすると約2時間ほどになります。

10,000歩を一気に歩く必要はなく、1日の生活の中で、総歩数として歩ければ十分効果が出ます。

通勤時でしたら、1駅分歩けば十分な距離になるかと思いますし、ただ歩くだけではなく「正常な歩行」で歩くことができれば、今日お伝えした3つの効果はより上がっていきます。

歩行にはこれ以外の効果もたくさんあり、無料で毎日できることなのにとってもコストパフォーマンスがいいと思いませんか?

普段の生活でちょっと気を付けるだけで、正しく歩けるようになることの健康効果はとっても高いのです。

ご自身の身体と歩行のチェックを、歩行の専門家である理学療法士視点で行ってみませんか?

現在の問題点や、改善するためのセルフエクササイズもお伝えできます。
気になる方は是非ご相談ください。

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