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「人間とは何か」             マーク・トウェイン著           中野好夫訳

老人と青年が人間について対話をしているのを、ずっと聞くように読む本。

老人の主張は、全ての人間は自分の精神的満足を得るのが第一として行動している。
その行動というものも、全て自分から生まれる物は何一つ無く、全ては周りからの影響によって生み出されたもので、個性なんてものは何一つ無いというか、そんな事を考える事自体意味が無いってこと。

読んで思うのは、発表された当時は攻撃的な内容の本だったのかもしれないけど、
今現在読んでいる読者は老人の考えに共感して読む人が結構いるんじゃないか思った。
読んで何か新しい考え方に出会ったという訳ではなく、今まで言葉にできなかった事を老人がうまく言葉にしてくれている部分が多い。

自分が共感したのは、人間は何よりもまず精神的価値を満足させる事を第一として生きているという点。物質的満足なんてものは無くて、全ては精神的満足を得るために物質を求めてるんだと。
どうりでお金を使ったり、どれだけ貯めても心が全く満足感を得られないはずだと。一歩引いて考えれば当たり前の事なんだけども、言われないとスーッと頭に入らない。

老人は他人に対して善行を行う時も、それは自分の精神的価値を満足させたい為だと冷たい主張を繰り返す。それはちょっと簡単には自分も答えを出せない。けれども、精神的価値を高めなさいとも言っている。それには同感した。


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