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【組織の話】バリュー的なもの24個作ったけどどう思いますか?

ちょうどスタートアップに転職した一人目人事の友人が下記のツイートしてて、タイミング良く個人的な最適解が見つかっていたので筆をとります。
現時点で最適解だと思っているだけで、欠点も見つかるかもしれないし、皆様のご意見もお伺いしたいです!

ちなみに彼は電子カルテを作っているメディカルフォースさんに行ったらしいので、チェックしてみてください。

さて、本題に。これまでいろんな組織を見てきて、自社の組織と向き合いバリューやカルチャーのイマイチ感を感じていました。最初から"小学校の標語"みたいなバリューは作らないぞと誓ってもいました。結果的に全く違うもので、本質的にやりたかったことが実現できたのではないかと感じています。その際にいくつかのパラダイムシフトを感じたので、そこを中心に扱います。

①バリューもカルチャーも「果たすべき責務」である

まず、表現をバリューでもカルチャーでもなく、「アカウンタビリティー」にしました。これは適切な言葉に直そうというだけで、特にパラダイムシフトは起こらないはずです。ただ、評価で使ったり「やってないと何かとマイナスの言及される」ものと化しているので、それは明らかに「責務」ではないかという話です。つまり、組織にいる以上、もしくは役割につく以上果たすべき責任です。評価にも使いやすいですね。

バリューという言葉自体、MVVから来ていてとてもコンテキストのある言葉だと思うのでそのままでもいいと思います。MVVの語源からズレてスタートアップにありがちな間違った性善説(最近使われなくなりましたね)と合わさった解釈になると危険かと思います。

②アカウンタビリティは少なくする必要はない。多くても結構。

次に、アカウンタビリティは現在弊社で24個あります。よく、バリューは少なくすべきだという論調を見ます。その通りだと思っていました。だって、覚えられないもの。覚えられないと使われないので、少なくする。その結果、いろんなニュアンスで膨れ上がった抽象的な言葉が完成し、"小学校の標語化"をしていきます。

そうなれば当然、具体的な行動指針を示すという当初の目的は不明瞭になってしまいます。

FUSSYでは具体的な行動指針を示す、具体的な責任を示すために数はいくらでも増えてもいいことにしました。覚えられない?それは運用で解決します、できます。できそうです!

③ 自前の言葉とか別に要らない、パクリ上等

さて、「こだわりはないのか」「組織のデザインとしてどうなんだ」とかいろいろ物議を醸しそうですが見出しの通りアカウンタビリティの中に他社が掲げているものを平然とした顔でパクっています。例えば、「インフォームド・キャプテン」はNetflixで使われている言葉です。

多くの企業がお金をかけて、コピーライティングをして素敵な言葉を紡いでいます。それ自体に全く否定はありません。素晴らしいこだわりだし、羨ましいです。ただ、数が多い分一つにかけるリソースは多くできません。そして、その必要がないことは次のパラグラフで説明していきます。

ただ、思うことがありまして、素敵な自前の言葉を用意しても「つまり、どういうことか?」と聞かれると同じような答えが返ってくるのではないでしょうか?それは「チームで頑張ろう」とか「自律的に」とか「ユーザーのために」とか「プロフェッショナル」に、とかです。

カルチャーフィットを大事にする会社が多くなっていく中で、優秀な方がスタートアップを渡り歩いているのを見ていると、「HPに出ているバリューに大きな差などないのではないのか」と考えることもできると思います。

果たすべき姿勢はコピペ可能だと思います。(その上でアップデートもいいですね。)

④アカウンタビリティーは全員に適用しない&固定しない、役割に適用する&変動する

24個は明らかに多いです。そもそも自分も覚えていません。そのためにAccountability Mapというドキュメントに説明とともに残しています。

いや、覚えられないとダメじゃんと思うかもしれませんが、この24個の全てが会社全員に適用されるわけではありません。役割に応じて別々に(所々は同じに)設定されます。

そもそもバリュー、カルチャーが全て常時固定されてるってだいぶ無理がありませんか?組織の成長、事業の成長、市場の変化、社会情勢の変化によって果たすべき責任も行動指針も変わるべきです。また、部署によっても変わります。(変わらないものももちろんあります。)

「失敗上等!未知を許容せよ!」を成長していき責任を持った企業が、経理も法務もバリューで持っている必要はないと考えます。

そして、案の定企業は多大なコストとコミュニケーションをかけてバリューを変えます。

今風の言葉でいえば、もっと気軽にカルチャーアドしていくべきなのです。それは人材を採用してカルチャーアドしていくだけでなく、状況によって変更も引き算足し算が走ることも指していくと思います。

FUSSYでは、例えば以下のようにロール(役割)ごとに24個の中から「この役割をこの会社で全うするために必要なアカウンタビリティ」が文書化されます。

あるロールのアカウンタビリティ

ここで出てくる「インフォームド・キャプテン」などの言葉がそれに当たります。(多分組織内の人しか正確に理解できません。それでヨシ。)

つまり、現在24個のアカウンタビリティは役割を決める時の辞書的に参照して使われるもので、矛盾も孕みます。例えば、

  • イテレーションを早く回す→一定のサイクルをスピード感持って回そうぜ的なもの。

  • 腰を据えて取り組む→ブレないでじっくり取り組む

のような矛盾するものが同居しています。役割や状況によって両方大切な行動基準だと思います。

運用方法

最後に運用方法について書いていきます。使われないと意味ないですし、経営者含め肌身に染み込まないと効果的とは言えません。とりあえず大雑把に書きますが、ニーズがあればまた詳細に書いていきます。

0 .Accountability Mapの用意

まずAccountability Mapを作ります。個数はどうせ増やせるし、最小限でも良いでしょう。FUSSYの場合、全体に適用されるものを「General Accountability」として「機動力の高い組織を組成し続ける」などを中心においています。そして、ロールごとに適用されるものを「Role Accountability」として「インフォームド・キャプテン」「エディトリアルでいる」「未知を許容する」「ピッチングマシン」などなどを置いています。

このマップは常に更新されて、カルチャーアド可能で組織が自律的に動くようにしていく必要があります。そしてそれ用の管理ロールがあります。

※ニーズあれば公開します!が、ぶっちゃけ説明を書き途中なのですぐは無理です!!

1. ロールの設定

まず目標期間が始まると、戦略に応じて必要なロールが設定されていきます。ロールには「Purpose」「Domain」「Accountability」を設定する必要があります。この役割をいわば、マネージャーがやる必要があります。(弊社はホラクラシーなのでマネージャーという言葉はありません。)

マネージャーはその役割の目的をイマココで全うするために必要なAccountabiliyをAccountability Mapから選びながら文章化していきます。

2. フィードバックの実行

ロールに対して1ヶ月に一度、フィードバックが行われます。期間はどうでもいいですが細かい方がもちろんいいです。フィードバックで重要な、ヒトよりコトに、的な感じに近いですがフィードバックは「そのロールはアカウンタビリティを全うしているか」というのに重きを置きます。フィードバックされること・することが明確になる、個人攻撃にならないなどのメリットもあります。

基本的に以上で覚えられない、みたいな問題は解決すると思います。ただ、もう少し踏み込んだ話をすればアカウンタビリティを果たしやすい環境を用意する必要があると考えています。

オプション:アカウンタビリティをプロトコルに組み込む

アカウンタビリティを果たしやすいように、組織の中にあるプロトコルに組み込んでいきましょう。例えば、弊社のアカウンタビリティに取り入れたものに「ユーザーの理想から考える(created by UZABASEさん)」がありますが、これはユーザーインタビューの質問・議事録のテンプレートに「この方が考える理想の状態」という項目を加えておけば実行をサポートすることができます。

カルチャーやバリューを忘れない最も良い方法は、行動に組み込み意識せずに繰り返せることです。そのためにプロトコルに組み込んでいくのは非常にいいと思います。前述した1ヶ月に1度のフィードバックもプロトコルの一種です。また、現在のissueについて考え、探究して、話すissue会もプロトコル化したものです。そしてこのプロトコル化についてもアカウンタビリティの一つとなっています。

細かい話でいうと、1on1でどちらが日程を組むべきかなどもプロトコル化されています。1on1はメンターのものなのでメンターが舵をとりましょうとなっています。

1on1プロトコルのドキュメント

以上です。
最後まで読んでくださりありがとうございました。全て読んでいただくと割とパラダイムシフトも無鉄砲なようで合理的なのではないかと思っています。ただ、まだ未完成さも感じるのでご意見などいただければと思います。

そして、11月1日に新しい推し活プラットフォームの場所をリリースします!!このnoteはその準備の間にテンションで書き上げたものです。こんなこと書いてる場合じゃないんだ。ということで、少しでも興味持った方は事前登録してください!アンケートも回答してくれると嬉しいです。



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