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COVID-19×テレワーク環境下でもたらされるうる組織への負のインパクト

このnoteについて

このnoteは経営者のためのマガジン「withコロナ時代を生き抜く組織改革」のうちのコンテンツです。

COVID-19×テレワークにより、今働き方、強いては組織の在り方が変わってきつつあります。テレワークへの移行に不安を覚える人も多いのではないでしょうか。しっかり家でも仕事をすることができるのか、コミュニケーションは不足しないのか。組織としてのパフォーマンスは保てるのか。

実際、2018年に行われたHBRのレポート結果では、3分の2の従業員は仕事にきちんと従事できておらず、会社に長期的に留まる可能性も低くなることが指摘されています。

コラボレーションが阻害される可能性があるという理由で、Yahoo!では2013年にテレワークが禁止されたこともあります。

もちろんテレワークへの移行だけが問題ではありません。COVID-19による外出自粛、まだ終わりの見えない不安。COVID-19×テレワークの二つの問題により、組織は大きな影響を受けます。

このnoteでは、COVID-19×テレワーク環境下でもたらされる組織への負のインパクトを紹介し、直面するだろうリスクを紹介していければと思います。

まずチェックしてみましょう

□ 自社の組織においてどのような問題が起きうるか想定できていますか?

□ 自社で起きうる問題のインパクトは想定できていますか?

□ 問題があるとして、それらに対応するためのアクションプランを考えることができていますか?

組織において起きうる大きな問題は

①優秀な人材が退職してしまう
②組織全体でのパフォーマンスの低下
③企業文化・バリューの弱体化

になります。では、一つずつ見ていきましょう。

①優秀な人材が退職してしまう

企業にとって大きな痛手になる、エースと呼べる人材の流出。

もし、企業がCOVID-19×テレワークに適切な対応ができないと離職が増加します。

変化の激しい状況へ適応を求められる従業員は、不安や孤立感を少なからず抱えています。普段見知った同僚と長期間顔を合わせないとなると、孤立感も加速していくでしょう。

特に優秀な人材が会社を離れる原因となるのは以下の理由がほとんどかと思います。

(i)会社の方針や対応への不安・不信

優秀な人材は、会社・チームの目指す目標や達成したい戦略、それに向けて自分が何ができているかを気にします。もし、この危機的な状況において何の手立ても打たず、然るべき意思決定も起きなければ、これまで仕事にコミットしていた従業員は不安になってしまい、より明確なミッション・戦略・リーダーシップのある環境を探すことになります。

(ii)マネジメントの機能不全

人は仕事から去るわけではなく、マネージャーから去る」「優秀な人材が離職した時に、まず目を向けるべきはマネジメント」という言葉は事実に近いでしょう。みなさんもなんとなく肌感覚があるのではないでしょうか。

テレワークが続く環境は、マネジメントの機能不全を起こしやすくなります。「顔を見て声がけをする」ような感覚に頼ったマネジメントは通用しなくなるからこそ、より定期的なコミュニケーションを取る必要があります。例えば、目標達成の支援や称賛、高頻度の1on1やフィードバックを回していく必要があります。

もし機能不全に陥ってしまえば、孤立感は強まりますし、会社から大事にされていないと感じるかもしれません。自分を必要としてくれる企業にいきたくなるのも当然でしょう。

(iii)同僚や上司との関係性の悪化

長期間顔を合わせず、コミュニケーションを取る機会も不足すると、以前のような信頼関係を作ることが難しくなってしまいます。そうした状況ではより孤立感や不安が起こり、会社へのエンゲージメントを感じづらくなってしまいます。これはどれだけエンゲージメントが高い社員でも起こりうることです。

社内のコミュニケーションを整備し、これまで以上に増やしていかなければ組織全体が「ギスギスした雰囲気」になり、連鎖的な退職を起こしてしまうかもしれません。

(iv)成長機会が少ない

成長意欲の高い人材にとって、キャリアや新しいスキルを持つことは非常に重要なことです。集合型の研修やこれまでのキャリアプログラムは、この状況化でも正しく機能するでしょうか。もしかしたら難しいかもしれません。

納得度の高い評価、高頻度のフィードバック、1on1などの仕組みによって、新しい気づきやチャレンジを得るきっかけを作らなければ、優秀な人材が求める成長機会を生み出すことができません。

参考:9 reasons good employees leave — and how you can prevent it / Remote Workers Are More Disengaged and More Likely to Quit

あなたの会社の優秀な人材は、どれだけの価値(売り上げなど)を1年間でもたらしていますか?彼らと同じクラスの人材を獲得するにはどれほどエージェントにお金を払えばいいでしょうか?その間はどう凌ぎますか?

今後続く可能性のある不況を考えても、この問題は企業の中でとても優先順位の高い「防ぐべき」ものかと思います。

②組織全体でのパフォーマンスの低下

経営者にとっては、これが一番の悩みかもしれません。COVID-19の影響で事業が厳しい環境に追い込まれる可能性もあります。また、テレワークへの移行がうまくいかずに、従業員のパフォーマンスが低下してしまうこともあるでしょう。パフォーマンスが低下してしまう原因は以下の4つです。

(i)役割・責務の不明瞭化

変化の最中では、働く従業員の周辺状況も当然変わっていきます。もしかしたらこれまでの仕事がなくなるかもしれないですし、大幅な方針の変更があるかもしれません。その時に、自分が担っていた役割や責務も変わることになるでしょう。

不明瞭な状態が続けば、人は何をすべきかわからなくなり、パフォーマンスは低下します。仕事が多くなった人と、少なくなってしまう人が出るなど、偏りも発生するでしょう。組織やチームに起きた変化を認識し、役割や責務を再び調整しなければ、従業員トータルのポテンシャルを100%発揮してもらうことが難しくなります。当然、そうなれば全体で出すアウトプット量も少なくなってしまいます。

(ii)マネジメントの機能不全

「優秀な人材が退職してしまう」でも書きましたが、テレワーク環境下ではマネジメントが機能不全に陥りがちです。個人のパフォーマンスを最大化して、苦しい中でも成果を出すためには、マネジメントの方法も変えていかなければいけません。

より目標達成のサポートに注力し、(詰めるのではなく)組織やチームのメンバーの成功を引き出すようなマネジメントを実施していく必要があります。ここでサポートが少なかったり、エンゲージメントを削ぐようなマネジメントが行われてしまうと、メンバーの達成すべき目標は放置され成功は遠いものになってしまいます。

(iii)従業員の「燃え尽き」

先行きの見えない環境の中で、変化に適応しようと必死に頑張っている方も会社の中には多いと思います。しかし、そのような優秀な方々を放置してしまってはいけないです。彼らの「ハイ」な状態がいつまでも続くわけなく、使命感でがんばっていたが、ふとしたことがきっかけで一気に燃え尽きてしまうかもしれません。

優秀な人材の「燃え尽き」には様々な副次的な影響があります。チーム全体の士気が下がりますし、連鎖的に仕事に集中しなくなる社員が出てきてもおかしくありません。

度を越さない「許容」や「がんばりすぎないこと」を自分自身や一緒に働く人に求めることも大切です。Googleが発表した「上手な在宅勤務のコツ」でも「自分自身(や他人)を大目に見る」と書かれていました。

お互いのコンディションを把握し、必要以上にがんばりすぎていないか気配りしあうことも大事になります。

(iv)組織全体が同じ方向を向けなくなる

危機的状況下の中では、経営層、部署、チーム、メンバーの各レイヤーでいろいろな変化が起きます。仕事の内容が変わったり、戦略や方針の変更も多々あります。

その際に、しっかりとコミュニケーションを取り「戦略・目標・役割」などを共有していかなければバラバラに動いてしまうことになります。

「こっちはこう動いているのに、あの部署が全然違うことをやっていて連携が取れない!」のような自体が様々な場所で発生してしまいます。これでは組織全体としてのパフォーマンスは全く出ません。

以上、4つの原因に言及してみました。どう考えても、そのままこの事態を放置してしまえばパフォーマンスの低下は免れません。4つの問題全てが起こらない組織など、ほぼ存在しないと思います。きちんと自社で何が起きうるか考え尽くし、然るべきアクションを取っていく必要があります。

③企業文化・バリューの弱体化

COVID-19×テレワークへの移行がうまくいかないと、大切に作り上げてきた企業文化や価値観が弱くなっていってしまいます。弱くなってしまうと、組織の競争優位性や全体感の欠如、モチベーションの低下などを招くことになります。

テレワーク環境下では、働く人は「見えないところいて、頭の中に入り込みにくく」なります。そうなると、それぞれが出したアウトプットや企業文化に沿った行動はわかりづらくなってしまいます。

働く環境が変わることによって「企業文化に沿った行動」も変わります。従業員同士でお互いのアウトプットやバリューの体現を可視化できるようにしなければ、企業文化は薄れていってしまいます。一度薄れていった企業文化を立て直すことは困難です。こうした事態になる前に、対策をすることが必要です。

対策するには、フィードバックの文化や頻度が重要になります。変化の激しい環境下では高頻度のフィードバックを実施することで推奨されない行動や考え方、組織文化を修正していくことができます。

行動やアウトプットについていつもより気を配ってコミュニケーションをしてみてください。1ヶ月に一度で360度フィードバックや、「メンバーの振り返り→一言フィードバック+感謝の言葉」などのイベントを用意することで定期的なフィードバックが実現できます。

最後に

このnoteでは、COVID-19×テレワーク環境下で起こりうる組織への負のインパクトを見ていきました。今のこの状態はすぐに改善され、元どおりになるようなことではありません。経営陣や人事のアプローチを迅速に然るべきタイミングで実行しなければ、withコロナの時代に対応することができなくなってしまい、企業としての競争力はどんどん落ち込んでいってしまいます。

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