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人のセックスをみたところで

人のセックスをみたところで動じなくなったのはいつからだろう。

私は幼い頃から「性」をタブーとする家庭で育った。
男の子と付き合うのもダメ、触れるのもダメ、友達と恋バナをするのもダメ、2人きりで遊びに行くのもダメ、エッチなシーンがあるドラマや映画を観るのもダメ、ダメ、ダメ、ダメ・・・・

それでも幸いなことに、私は自我を保てた。
どんなにダメと言われようと、それがダメだと盲目的に信じることなく、私が正しいと思うように生きていた。

だから、そんな親の掟を昔からこっそりと破り続けている。

昨日も、私はその掟を破った。

松坂桃李さん主演の映画『娼年』をひとりで真夜中に観たのだ。

映画はとても激しく、半分以上が濡れ場のシーンだった。

ふと思った。
「あれ、私、普通に観てる」

「わわわわ、観ちゃったよ・・・?!」
と動じることもなく、ただ淡々とひとり静かに松坂桃李さんの喘ぎ声を聞いていた。

そんな自分を客観的にみて、どこか安心した。
数年前の私は、親の掟を破るたびに罪悪感に苛まれていた。頭では「私は悪いことをしていない」と理解しつつも、心は苦しかった。それが正しいかどうかは関係なく、ダメだと言われていることをするのは親を裏切る行為だったから。

それが、掟を破る回数を重ねていくごとに、罪悪感は薄れた。
今では、その罪悪感は皆無に等しい。



人のセックスをみたところで、私は動じない。それは、私が自我を保っている証だ。


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