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人生初の韓国エンターテインメント【梨泰院クラスレビュー】

自粛ムードでVODを利用する機会が増えて、Netflixで韓国ドラマがやたら流行っていたので、一番設定の面白そうな「梨泰院クラス」を何気なく見てみました。
結論、韓流ドラマにハマったのは人生初で、冬のソナタのイメージしかなかったのですが、非常に多様性に満ちた文化だなと思いました。
この多様性こそが、日本や世界でヒットしている理由な気がします。

ざっくりあらすじは、正義感が強くて不器用な「パク・セロイ」という青年が、「長家」という韓国最大の外食企業で会長を務める「チャン・デヒ」と出会い、後ろ盾のない0からのスタートで、信念と絆や復讐心で、居酒屋チェーンの大手企業に挑むという、サクセスストーリーです。
コロナ禍で大打撃を被っている飲食店経営者の後押しもありそうな、時流にも沿った内容でもあります。

相関図やキャストがシンプルにまとまっています。
ソシオパス、トランスジェンダー、過去や血筋に縛られる青年たち、財閥権力に翻弄される人々。主人公の仲間であるタンバムメンバーと長家の15年に渡る因縁の戦いなのですが、登場人物はどちらの陣営も本当に魅力的で、誰もが何かを背負って生きていて、必ず誰かしらに感情移入するでしょう。

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タンバムメンバーでは、悩みながらも大きく成長して、常に謙虚で周囲に馴染んでいる、料理人のヒョニが一番ステキでした。
不器用ながらもムードメーカーであるスングォンとの未来が気になります。
トニーのドラマ上の設定や印象は弱い気もしますが、韓国や梨泰院の多様性を体現しているキャラであるともいえます。

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一見怖面のチャン会長を中心に黒でキツめに統一されていますが、実は本当の悪人はいないんじゃないかなって思います。
家族の為に全てを犠牲にする父、父の期待に答えようとするも失敗ばかりする長男、欲が出て長男や父を乗り越えようとする愛人の子、封建的で血筋や学歴が優位となる韓国社会で、仕事一筋で人生を切り開こうとする女性陣。
誰もが経験し得る悩みや課題に対して、アプローチの仕方を誤ってしまっただけではないでしょうか?
個人的にはどうしてもスアの方がヒロインに思えてしまいます・・・

このような魅力的なキャラクターたちが、15年という年月をかけて挫折、成長していく壮大な物語なのですが、よく言われる半沢直樹のような復讐劇と恋愛だけではなく、以下のような視点でも見ると深みが増します。

■仲間と多くの課題や困難に立ち向かうスタートアップストーリー
■2つの対象的な親子や兄弟の絆を描くファミリードラマ
■環境によって変化する人間心理と葛藤を描くヒューマンドラマ

また、作品を盛り上げてくれるBGM(OST)の存在も大きいのが、韓国ドラマの特徴であると理解しました。
ドラマとミュージックが広く繋がっているのは、韓国エンターテインメントの強みであるとも言えます。
なので梨泰院クラスも、ドラマの名場面とBGMを合わせた動画を簡単に見れるので、見終わった後も想い出に浸りやすく、長く楽しめます。
特に好きな曲は、GahoのbeginningとHa Hyun WooのStoneblockです♪

梨泰院クラスはタレントさんも自粛中に見ている人が多く、多くの人が話題にしています。青春の光の10分動画はネタバレですが、時間のない人は結構イメージ出来ちゃいます。

最後に「梨泰院」というロケーションも素敵で、様々な人種や文化が交わる六本木や渋谷のような街です。日本では珍しいくらいに、ガッツリ街中で多数の撮影をしているなと思い、しかもどれも1時間以内でまわれるみたいなので、ぜひ聖地巡礼したいなと思っています。

多様性に満ちた壮大なストーリー、世界観を盛り上げるOST、自国の文化を強みにしつつ時流に合わせる適応力、この3点こそが本作の魅力であり、韓国ドラマヒットの要因なのかも知れません。


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