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成果が出ないひとには、『混ぜもの効果』が働いている(実践編)

こんにちは。米川(@yoneshi0320)です。

今回は、インプットや行動をたくさんしているのに成果が出ない、いわゆる「うだつの上がらない人」に働いている現象、「混ぜもの効果」
これを避けて成果を出すためには……の「実践編」です。

前回の「理論編」を未読の方はさきに以下からどうぞ。

●30秒しかない人むけの要約

・結論、「論文」と「本」がおすすめ
・選定基準は、チェック体制が整っているか否か
・「これだけ知ってればOK」は疑う対象
・WEBや動画は、見る側に「判断軸」と「修正」がもとめられる
・企業(出し手)の論理と個人(受け手)の論理を分けて考える
・本の場合、論文引用/実験/構造化が多いのがおすすめ
・反対に、自伝/人間性への言及が多い本は、要注意
・WEBや動画の場合、受け入れる前にツッコミ役になる

●さいしょに結論

結論からお伝えします。磨かれた知識を得るには、「論文」もしくは「本」を読みましょう。

※大丈夫です。どうしても苦手な方向けの方法も、あとでお伝えします。

なぜこの2つなのか。理由は、世に出てからの修正が効きにくい(手間がかかる。ゆえに、第3者によるチェック体制が確立されているから。

たとえば論文は、著者が学会に提出したあと、公表される前に査読(さどく)なる「検証」が入ります。これは専門家によって、偏ったデータだけで論証されていないか、データから結論を導く論理に矛盾がないかなどを確認する作業です。

本も同じく、編集者による赤入れ・校正(こうせい)が発生します。本にいたっては一度に1,000~3,000冊を印刷しますので、出版社にとってみれば一字一句の間違いすら致命傷です。

●なんでもいい。わけじゃない

とはいえ、論文や本ならなんでもいい、とはいきません。あくまでも論文や本は、前述のチェック体制があるため「混ぜ物が少ない可能性が高い」だけであり、なかには混ぜものが多い本・論文もあります。

代表的なのは、コンビニに置かれている知識本。びっくりしたのは、100ページ未満で「10時間でわかる、高校数学」の本があったこと。

ざっと読むと、行列や2次関数の公式がいくつかあり、それらが日常にどう応用されているか、の解説が少しある程度。

しかし、「その公式がなぜ導かれるのか(=背景論理)」の記載はほぼなく、たんに「この公式を知っていれば高校数学はわかったと言ってOK!」を論じる本でした。

※補足:ここでは「論理構成や背景データが充実しているか」を優位に論じています。決して上記の書籍に価値・意味が無いのを主張する意図ではありません。

●Youtubeなら楽じゃん

前回ぼくは、「磨かれた知識」を以下のように定義しました。

「論理構築と、再現性を担保するための検証作業」
それを経た知識
こそ、ぼくらが得るべき「磨かれた知識」です。

たとえばWEBや動画サービス。これらに磨かれた知識がないかと言われると、結論あります。しかし特性上、磨かれた知識か否かを見極める目がないと、判断が難しい媒体なのも事実。

どういうことか?

ぼくは、本や論文をすすめる理由に「世に出てからの修正が効きにくい(手間がかかる)」を挙げました。
WEBや動画サービスはこの「手間がかからない(=コストが低い)」ことが、インターネット設立後に爆発的に広まった一因です。

つまり、WEBや動画サービスは、コンテンツに間違いがあれば1分後に修正できる。ゆえに、アップされた瞬間に「磨かれた知識か否か」を見極める目がないと、誤ったまま受け入れてしまうリスクがあるのです。

●企業目線と個人目線

もちろん、知識の出し手=おもに企業や組織も、近年はチェック体制を強化しています。ぼくも前職時代、この手のコンプライアンス研修やマネジメント研修をおおく提供してきました。

一方で、ここ10年くらいで企業には「プロトタイピング」や「テストマーケティング」など、「詳細まで設計したコンテンツではないけど、最小限でユーザーに出してみて、改善や修正コメントもらって追加で開発しよう」の考え方が普及してきました。

欧米企業並みのスピード感やイノベーションを生み出すため、企業戦略上は正しいのですが、代償として個人により一層「(知識として)そのまま受け入れていいのか?」の判断軸が必要になりました。

●結局、どうしたらいいの?→本の場合

「本や論文がおすすめ。でも、千差万別。WEBや動画は見極めが難しい。」「じゃあ一体どうしたらいいのか?」

ここまで読んだ、あなたの正直な感想でしょう。
でも、大丈夫です。かんたんなアクションをお伝えします。

まず、本から知識を得る場合。ざっと内容を読めるのであれば、以下の3つが多い本を読みましょう。

①論文からの引用
②実験の記述
③構造化された図(著者独自のフレームワークなど)

反対に、次の2つが多い本は再現性や論理構築が不要(もしくは検証が不可能)なので、混ぜもの=ノイズが多い可能性が高いです。

①著者の生い立ち
②人間性への言及(人として大事なのはXXである、など)

※補足:前提はあくまでも「磨かれた知識=論理構築と、再現性を担保するための検証作業を経た知識」を得て、ビジネスで成果を出すには?です。ゆえにもちろん後者でも、優れた書籍は数多くあります。

●結局、どうしたらいいの?→WEB /動画の場合

次に、WEBメディアや動画サービスを知識の収集先とする場合は、論文の査読役・本の編集者のように「ツッコミをいれる役に自分がなる」のをおすすめです。

具体的には、知識をそのまま受け入れる前に、次のような問いを投げかけましょう。

<ツッコミ例>
・作者の意見は、自分に当てはまるか?
・自分に当てはまらない場合、誰になら当てはまるか?
・作者の意見で、矛盾を感じる箇所はないか?
・あなたが取り入れることで、躊躇(ちゅうちょ)することはなにか?
・矛盾や躊躇することは、どんな根拠やデータがあれば解消されるか?

多くのツッコミに答えられたら、その知識は磨かれている可能性が高いです。逆にツッコミどころが多いWEBや動画サービスは、あえてあなたのツッコミ待ち(=プロトタイプ)かもしれません。

●まとめ

・結論、「論文」と「本」がおすすめ
・選定基準は、チェック体制が整っているか否か
・「これだけ知ってればOK」は疑う対象
・WEBや動画は、見る側に「判断軸」と「修正」がもとめられる
・企業(出し手)の論理と個人(受け手)の論理を分けて考える
・本の場合、論文引用/実験/構造化が多いのがおすすめ
・反対に、自伝/人間性への言及が多い本は、要注意
・WEBや動画の場合、受け入れる前にツッコミ役になる

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
スキ・コメント・フォローいただけると嬉しいです。

次回も書きます。
がんばるぞ。
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■さいごに告知

来週2022年3月9日(水)に、イベントをすることになりました。
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