94. Zoom授業雑感(Week 6)-筆記試験演習
1.今週の要約
ヒジュラ暦1441.9.1 (2020.4.24)
今週で大学の授業期間は終了。来週から期末試験期間に入る。まだ、試験があるので、正確にはゴールではないのだけど、気分的には、マラソン選手がゴールに倒れ込むような感じの、どうにかこうにかやりましたという気分だ。
今学期は期末試験をGoogle formsで実施することにした。遠隔でどのように実施するかについて、Zoomのブレークアウトルームを使って、試験の実施演習をしてみた。
カンニング問題を完璧にクリアすることは考えていないが、ただ、学生がこれならカンニングできるかもと、思わないような環境づくりをしたいと考えている。する人は、どうやってもしようとするだろう。それよりも、これなら、やってもバレないかなと思ってしまう雰囲気が怖いので、それをけん制するための手立てを考えてみた。
遠隔授業をするようになって、「フィードバック」の重要性をより感じるようになった。今週、特に勉強になった発信では、フィードバックツールの"mote"というchromeの拡張機能とGoogle slideを活用して生徒と課題のやり取りをする実践例を紹介したい。
2.筆記試験の実施演習
2-1 Google forms を選んだ理由
今学期は期末試験をGoogle formsですることにした。Google docsで記述式のいつもの試験に近いやり方も試してみたのだけど、Google docsだとスマホ環境で文字入力が不便だったり、編集作業のわかりにくい部分もあったので、デバイス間で環境の差が少ないGoogle formsを使うことにした。
Google formsのよい点としては、すぐに自動採点してくれるというのがよく言われるが、今回の期末試験では結果はすぐに表示させず、いったんこちらで、回答を預かることにした。これは、記述問題の採点の必要があること、すぐに採点結果がわかってしまうと、早く終わった学生が他の学生にそれを伝える恐れがあるので、いったんこちらで回答を預かり、後日メールで結果を送信することにした。
2-2 Zoomのブレークアウトルームを学生数分作る
いつものZoomの授業の延長上で、試験を実施しようとすると全員のマイクをミュートにする必要がある。しかし、ビデオオフ、マイクオフで試験をしたら、学生はちょっと教科書を確認したくなるかもしれない(笑)私みたいな姑息な学生は少ないと思っているけど、それでも、そういう誘惑が起こらないように環境を用意するのが大事だと思う。
ビデオオンは、通信環境の問題で難しいので、せめて、全員マイクオンで試験をさせたい。そうすれば、本をめくるような音がすれば怪しいし、やたら多いクリック音も怪しくなる。そんな時は、学生に一声かけることができる。ただ、全員がマイクオンだと、個々の学生の生活音も聞こえてくるのでそれが、全員に聞こえると、試験に集中できない。そこで、Zoomのブレークアウトルームを学生分作り、そこに一人一人学生が入るようにした。イメージとしては個室で試験をうけるようなイメージだ。
これだと、試験中の学生からの質問にも対応しやすい。注意しなければならない点としては「ヘルプを求める」機能について事前に全員で確認すること。先生を呼びたいときに、学生は「ヘルプを求める」という機能を使って先生を呼び出すことができる。スマホで受けている学生で、たまにヘルプ機能が見当たらないという学生もいたが、巡回するから、落ち着いて待つようにと指示しておく。
試した結果、一応、これでいけると思った。ただし、可能なのは学生が20名ぐらいのクラスまで。これ以上、多いと、巡回するのに時間がかかるし、見回り切れない。なので、20名ぐらいが現実的な数字かなと思う。
学生には回答を送信したら自由に退出してよいと指示した。試験が終わるまで退出しないように指示することもできるが、むしろ、終わったら退出してもらって、残りの学生への巡回頻度を上げる方が効果的かなと思う。
Google formsのよい点としては回答送信後に、メールでコピーを学生にも送ることができることだ。コピーを受け取ったことで、送信を確認できれば送信ミス等もこれで防げると思う。
あと、出題順をランダムにしたり、いくつかセクションを作って学生同士で答えを教えにくくする方法もあるけど、この辺りは期末試験でやるには不確定要素が多いので、今回は使わず。これらの方法については以下で紹介するアンマンのGoogle Educators Groupのオンラインワークショップで説明があった。
3.今週、特に勉強になった発信
遠隔授業になって、これまで以上に大切だなと思うのは「フィードバック」だ。学生に課題を出す機会も増えるので、フィードバックの機会も増える。対面でのフィードバックが難しいぶん、課題等のフィードバックのコメントがメインになる。これまで、コメントを書いてフィードバックすることが多かったのだけど、人数が多いと時間もかかるし、初級の場合は、書くとわかりにくい場合もある。例えば、Google docsに作文を書いてもらった時も、直接、口頭でコメントできたらいいのになぁと思っていた。そのタイミングでこういうツールがあることを知った。
"mote"というChromeの拡張機能なのだけど、Google docs, slides, speadsheetに60秒以内の音声コメントができる。これだと、学生にさらに質問したいときにも便利だし、細かな指示や、フィードバックでも文字に比べ、伝わりやすい気がする。もちろん、文字に加えて、音声もということでもいい。
英語だと、音声を認識して文字で入力もしてくれる模様。使ってみると、moteを入れていない環境だと、音声を聴くときに、別サイトに飛ばされるが、その不便さがあるとしても、60秒の音声コメントが簡単に入れられるのはいい。フィードバックだけでなく、リスニングの問題を作るのにも使える。
今回、これを知ったのはアンマンのGoogle Educators Group(GEG)のオンラインワークショップ。ここで、Moteの紹介とGoogle formsのカンニングを防ぐ方法を紹介してて参考になった。
https://www.youtube.com/watch?v=2iBHChwKuTc&feature=youtu.be
もう一つはGEG新宿主催のGEG APAC Weekend Onlineの動画。Distance Learningの事例紹介で
Shigeta 先生のgoogle slideの活用法(45:00頃から)は面白かった。slideに画像、音声ファイル、ドキュメント等を埋め込んでいて、これを生徒とやり取りしているとのこと。Google slideはどの端末でも開けるのもよい。これ大学でも、自分の授業用のスライドをベースにして、学生にコピーを配布して、課題とかもスライドに埋め込んじゃえば、学生はスライドが教科書でありノートであり課題にもなって、後々、復習もしやすそうな。
Makiko Ogasawara先生の“Zoombombing”についての話(1:17:00ぐらいから)も参考になった。Zoomの現状の問題点を整理して、その上で教育現場で使えるものなのか、そのあたりを考えるのに必要な情報がまとめられていた。
<終わりに>
学期途中からの遠隔授業への対応で難しい状況だったが、なんとか授業期間を終えることができてほっとした。それにしてもパソコンの前に座る時間が増えて、肩こりがひどくなった。遠隔実施前に比べ一日、3,4時間以上はパソコンの前に座る時間が増えて、それが首や肩にきている。
これが、次のセメスターも続くようなら、自宅環境も考えないと、目肩腰がやられそうだ。
Give Feedback with Stiff Back
いつもより、ちょっとよい茶葉や甘味をいただくのに使わせていただきます。よいインプットのおかげで、よいアウトプットができるはずです!