#75 【番外編】読書年表スピンオフ! メンバーの作品をちょっとだけ公開します
こちらは一部のみの書き起こしです。 読書のコツが満載の「お悩み相談コーナー」は、Podcast限定でお届けしています。
▽本編ではこんなお悩みにも回答中
今回は、ミカタラジオ番外編。
「想像力から創造力へ」を個人Visionとしているヨンデミーメンバー・ぽっかが、ふだん作っている「短歌」を発表してくれました。
▽読書年表の本編はこちらから!
読書経験に支えられたメンバーが、どんな創作をしているのか、ぜひ楽しんでみてください!
短歌50首連作「地に足のついた光」
前世では蛾として生きたかもしれず光のもとで壊す湯豆腐
どこへでも行けるんだよと母の言う記憶の中にある風見鶏
白いシャツたくさん干すけど降参は最後の日までしないと思う
ふと噛んだ森永ラムネはやわらかく春の継ぎ目をもう過ぎていた
地球儀の国から国へ満ちている勿忘草より淡い海原
半熟をやわらかたまごと表記する蕎麦屋があっていつも混んでる
絶えず血のめぐる体に明け方の街に静かな雨は止まない
惣菜と引きかえに去る英世には儚く青い翳りがあった
もう一年経つらしいって今知った LINEのトークに降る桜花
木漏れ日をたどる上靴 ぷぴぷぴと光をつぶす音がしている
図書館の赤い階段のぼりつつ文字に変わっていくような夏
手づかみで食べたクリームドーナツのクリーム以外がすべてこぼれる
とうだいを目指していると言う人の後ろに海が揺らぐ予備校
いくらでも積もるほこりを掃く日々でラジオチャートの移ろいを聴く
夕闇に溶けきるまでに少しだけ歌になろうと触る6弦
わたしよりずっときれいな魂をもつ妹の止まぬお喋り
夥しいほどに追憶されている金文字の手記めくる真夏日
スーパーで配られている懸賞のどれが未来の予想図だろう
インターンを好きになるほどわたしだけいない家ではラップが減って
どうしても星の形をつくるべく継ぎ目をなくすクッキーの生地
スクランブル・エッグみたいにキャンパスへぶちまけられている秋の色
口づけを福音として落としてく人と天使の明るい相似
さくらんぼ型のめがねがショーケース越しにこちらを見る御茶ノ水
万感のカーテンコールのさなかにも引き波をもう見ている心
集配の時刻はすぎてたわむれに手紙の端に馬をかき足す
日曜にジャンプの最新号を買う父だけが知るどこかの本屋
下り坂を心もとなく見下ろして夜の底まできらきらと街
ロケット、と口に出すとき胸元の記憶と重なりゆく宇宙船
午前2時すぎても返事が来ないままバターロールでお手玉をする
留学へ行く友たちにスタンプを返して北極星の気持ちだ
妹がどこへでも行けますように たくさんつくる塩卵焼き
蛍石を通販サイトで眺めてはうすい紅茶が冷めていく夜
隔週で世界が終わる夢をみる 月に一度はプリキュアになる
ガラス戸の花の曇りをなぞっては母の帰宅を待ちわびていた
ミッフィーちゃんと目配せをしてそのたびに温まりゆく庫内のミルク
「死」の文字が出るまで変換しつづけるときの鼓動に似たタイプ音
消しゴムはいくつ失くしたことだろう 絵を描いて消してまた描いている
ヤングコーンをひどく嫌った時期がありCEOもそうだと聞いた
雨の日に駅へ迎えに来てもらう ふたつ同時にできるささくれ
MRIにきれいに映るのは詩情を分泌している臓器
何年も繋いでいない手のことを思えば必ず父の手になる
カラオケに向かう熱った指先がポッケのなかでふれている鍵
白桃の星を無言で埋めているゼリーの透明度がおそろしい
冬の日の夢を見ていた 階下からカルキと花のあえかな匂い
まだ何も知らない街へ延々と車窓はカノン進行をする
今もまだ多重露光のなか眠るぽつりと白い旅先の猫
花柄のハンカチひとつかわかしてインスタントの天空庭園
横顔を見せない母も彼方だけ見つめるときがくるのだろうか
合唱をたまごサンドに例えてたあの人みたいに話がしたい
また朝に目覚められるという祈り 闇に向かって読書灯消す
▽本編では朗読もしています。ぜひあわせて聞いてみてくださいね!
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