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#70 子どもにとって「身近な大人」が少ない時代? 解決のヒントは「昔の子育て」にあった!

こちらは一部のみの書き起こしです。 読書のコツが満載の「お悩み相談コーナー」は、Podcast限定でお届けしています。

▽本編ではこんなお悩みにも回答中

子どもが声に出して読む時に、「てにをは」などの読み間違いがあります。親が指摘して読み直させると子どもも読むのが嫌になってしまうかなと不安です。しかし小さいうちから文を丁寧に正しく読むことも大事かなとも思います。正しく読めるのと、楽しく読めるのとでは、どちらを重視したらよいでしょうか。


📚今回のラジオは脇 明子さんの『読む力は生きる力』という本からの学びをもとにお届けします。ぜひ気になる方は本もチェックしてみてくださいね。

昔と今の子育てを比べると……

昔と今の子育てで、大きく違うポイント。そのひとつは「子どもと大人の関わり方」です。

かつては、家族内や地域内での子どもと大人のつながりが今よりも強い状態でした。
おじいさん、おばあさんと一緒に暮らす三世代住宅も多かったり、近所の3軒先の人まで知っていて、会えば当たり前に挨拶をしたり……たくさんの大人が、子どもの身近にいたんです。

こうした大人との関わりを通して、子どもたちは自然と楽しいことや生きる知恵を吸収していました。そして大人のほうも、子どもの年齢や興味に合わせて話をしてあげるのが普通だったんです。

昔ながらの商店街などを思い浮かべてみるとわかりやすいかもしれません。
大人が地元で働いているところに子どもがふらっと遊びにきて、じっと眺めている。大人もそれをわかっているので、「〇〇をしているところなんだよ」なんて説明してくれる人もいました。
もしくは、買い物に行けば「あ、また〇〇くん来たの? いらっしゃい」というふうに親しげに話しかけてくれる人もいたでしょう。

親戚や地域のみんなで少しずつ子育てをするようなイメージで、大人としても「礼儀として知っておくべきこと」「知っておくと役に立つこと」などをちょっとずつ教えてあげるのが当たり前でした。

大人の言葉を浴びて、子どもたちが育っていく時代だったのです。

大人の存在感が薄い時代!?

一方で、現在では核家族化が進んで親子二世代だけの家庭も多くなりました。また、オフィス街と住宅街はくっきり分かれることが増えています。

お子さんが生活のなかでしっかり話す大人といえば、おうちの方と、学校の先生、多くても習い事の先生くらいでしょう。お隣さんと話したことがない、というお子さんも少なくないと思います。

買い物に行っても、コンビニや大手スーパーではシステム的な接客にふれるばかりですし、働いている人もどんどん入れ替わります。

こうした変化から、大人との一対一のコミュニケーションはグッと少なくなりました。
お子さんにとっての「まわりの大人の存在感」が薄くなっている状況です。

さらに、現代は、大人としても「何を子どもに伝えればいいか」に迷う時代でもあります。
昔からの礼儀作法はもちろん、どんどん変わる常識、メディアとの向き合い方、さまざまな犯罪から自分を守る方法……
複雑な現代社会では「これさえ伝えれば良い」と大人側も自信を持って言い切れない状態です。


テレビやYouTubeじゃ足りない?

こうした状況には、テレビやYouTubeも拍車をかけています。

テレビ番組はどれも楽しく、YouTubeでもたくさん新しい情報を受け取れるものです。
大人との関わりがなくても、こうしたものが一見代わりになって、お子さんに知識をくれるように思えます。

でも、立ち止まって考えてみると、テレビやYouTubeはすべての視聴者に同じ内容を届けています。

かつて大人の言葉のように、目の前の子どもに合わせてぴったりなものを語ってくれる存在ではありません。その結果、どの情報も子どもにしっかりとは届かず、広く浅く刺さるようなものになってしまいます。

生きるためのお手本となったり、知恵をくれたりするような「大人の言葉」にはテレビやYouTubeでは不十分で、ますます触れる機会が減っていく。
現代のお子さんはそんな状況にあります。

本が大人の言葉の代わりになる

こうした時代で、お子さんに足りない「大人との関わり」を補ってくれるものは、なんといっても「本」です。

本は、昔にあった「大人の言葉」の代わりに、読み手の子どもの興味関心や年齢に合わせて、楽しみや知恵を提供してくれます。
もちろん生の大人の言葉とは違い、その場の子どもの状況にぴったりなわけではありませんが、ある程度の保証はしてくれるでしょう。

おうち読書に取り組まれている保護者さまからは、「子どもが急に知らない話を披露して驚いた。聞いてみたら『本で読んだ』と言っていた」というお話をよく聞きます。
こうした例は、昔ならおうちの方以外の「大人」が果たしてくれた役割を、本が補ってくれている例かもしれません。

「大人の言葉」に触れる経験が少ない時代だからこそ、読書でそれを補うことがますます重要になっているんです。

情報量の多さが楽しい時代

しかし、こうした世代のお子さんにとって、何もしなくてもすぐに本を楽しく読むのは難しい、というのも事実です。

なぜなら、今のお子さんは、テレビやYouTube、ゲームによくある「情報量の多さ」を楽しむことに慣れてしまっているから。

たくさんのキャラクター、必殺技、作り込まれた画面。すべてお子さんにとって楽しいものです。それにワクワクするのは悪いことでは全くありません。

でも、その楽しみ方では「本を幅広く楽しむ」ことは難しくなってしまうんです。
絵の多い図鑑タイプの本、1ページごとに完結する本、複雑な名前のキャラクターがたくさん書かれている本は「すごく楽しい!」「もっと読みたい!」となる。
一方で、ちょっと文字が多いと嫌になり、最後まで読みきれない……。

そんなお子さんも少なくないのではないでしょうか。s

思い描く経験がカギになる

では、どうすればいいのでしょうか?

本の中では、こんなエピソードが挙げられていました。
あるお子さんが、文字ばかりの本を読み聞かせようとすると途端に嫌がり出したそう。
それまで絵の情報量を楽しんでいたので、文字だけでは「楽しめる理由」がなくなってしまったんですね。
そこで、お父さんが「目を閉じて、頭の中に絵を描いてごらん」と声をかけて読み聞かせたところ……お子さんは「すごくいい!」と言って、文字の多い本でも楽しめたそうです。

このお話からは、お子さんが文字から本の世界を「思い描いてみる」経験がカギになる、ということがわかります。本の中の世界をイメージし、ストーリーを追う体験を積むことで、「情報量」から得られる楽しさだけに頼らず、本を楽しめるようになるんです。

▽「おもいえがく」という楽しみ方は、ヨンデミーのミニレッスンでは「読書家のワザ」としてお子さんにお伝えしているものです。詳しくはこちらのラジオでお届けしています!

どんなお子さんでも、絵などの情報量を楽しんでいたところ、いきなり文字から思い描くことを楽しむのは難しいもの。
少しずつ、簡単な本から始めて実践していくことで、徐々に楽しめるようになっていきます。

最新回はPodcastで先行公開しています。
『おうち読書のミカタラジオ』特設サイト

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