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ドメスに降参

 noteは誰に忖度することもなく好きなことを好きなように書いていて、それを見てくださる方がいることはありがたいことだなと思う。そのなかで書いている本人としては実に意外なのだけれど、映画とファッションの記事(香水もだな)が全期間で見るとダントツに読まれているという不思議。いや、そもそもそこに関心を持っている母集団が多いから、ということではあるのだけど、それにしてもこんなそこの分野をほとんど書いていない人間のnoteにおいて、二つの巨大カテゴリーで興味を持ってもらえているのは不思議としかいえない。

 ということからでもないのだが、今日はまたしてもあのことを書こうと思ってデスクに向かっている。“クレア”ファッションだ。

 厳密に言うとすでにクレアコスプレもとっくに終了してはいるのだが、「ずっとうすうすそうかなと思っていたが、やっぱりそうだった」という結論に最近たどり着いた。端的に言うと自分は海外ブランドの服しか似合わない、ということ。ブランドというかメーカーでもいいのだけど。これはもう体型の問題に尽きるのと、最近のドメスのファッション傾向とまったく折り合いがつかないためだ。
 いわゆる骨格診断なるものが若いお嬢さんたちの間で論理的に交わされているが、まさにそれに通じる話で、ドメスのブランドがここしばらくの間、ゆるいシルエットのスタイル一辺倒となっていて、基本的に店頭にはトレンドの売れ筋しかおかないわけなので、お洋服を買いにいけばぶっちゃけそういったものしかないわけだ。それなので、なんとなく店員さんに確かめながら(本当に似合うと思っていますか?みたいなことをかなり毎回おずおずと詰め寄っている)買ってきたがコレが本当に気分が上がらん。だって今ひとつ似合っていないのだもの。。

 すでに腐れ縁のカウントも曖昧でおよそ20年になりそうな知人が実にファッションにうるさくて、会うたびに開口一番で「それ似合わない」と弾丸ストレートで打ち込んでくることに辟易としていた。うわー、要するに「今っぽい服が似合わないってことか!」と、今書いていて悲しい事実に直面している。

 解決策は体の線を出すってことなんだけれど、それってかなり勇気がいる年齢ですよ…。ということをもう何年も行きつ戻りつしてさまよっていたわけですが、先日スペインのファストファッション?的ブランドのMANGOを20年ぶり近くでオンラインストアを開き、セール価格でかつて大好きだったシルエットのワンピースをいくつか試着もせんと買ってみたのだが、断然シルエットがスッキリ見えるうえにお店の店頭に並ぶ今風の服よりも嗜好に合っている。そーいえば若いころって体の線を出すことをさほど躊躇していなかったから、こういうスタイルばかり着ていたなーと思い出した。
 理由は明白で、当時は体型云々の前に私は非常なアメリカかぶれだったので、どうにかして海外ドラマのようなファッションをしたいと模索していたからだ。…ん?結局今もじゃないか…!

 日本でも直近ではタイトなシルエットの服も出てきているが、何かが違うのだ。ディテール。ディテールに神がいらっしゃらない。

 たとえば首が短いから首回りの詰まっていないものを選べ、というけれどドメスの服の首回りのシルエットが根本的にダサい。それで時折、「お、それだよ、こういう感じの!」とネットで見ると海外のハイブランドである。そっかー、やっぱりハイブランドの服はデザイナーの個性がさく裂していると同時に、ディテールに神が宿ってるんじゃん…とわかった。

色みでわかりにくいけれど丸首の絶妙なカットライン(カルバン・クライン)

 うわものっていうか、アウターはもうしばらくの間アメリカントラッドのブランドを愛用していて、夏になるとカルバン・クラインのワンピ―スが私の体型問題を救ってくれるのだが、先日のMANGO事変で完全にわかった。海外ブランド・メーカーの服なら何も迷うことなく万事解決だってこと。でもそんなのずいぶん前に到達してた答えじゃないか?と思うのだが、やっぱり店頭でキャッキャウフフしながら買いたいじゃないですか。今っぽいとされる服を・・・

 ちなみに私のお洋服買い物遍歴中、もっとも美しかった服は古着屋で発掘したJun Ashida のビンテージワンピース。襟ぐりのカッティングが絶妙で丈の長さ、ほどよい構築的なシルエットで仕立てられたそれは、着ると信じられないくらい体が美しく見える。プリントもきらめく金糸銀糸が使われているのに超シック。古着なので気安く普段の仕事でも着ていたし、ちょっとしたパーティーのときはアクセサリーを変えるだけで充分格上げできたまぼろしの一着だ。

 なぜまぼろしかと言えば、あまりにタイトな服なのでもはやファスナーが上まで閉まらないからである。

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