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愛しの “クレア”ファッション

目下の憧れのイコンは、米政治ドラマ「ハウス・オブ・カード」のロビン・ライトだ。心のなかでは “ロビン・ライト様” とお呼びしたいくらいの気持ちだが、気持ち悪いので自制している。wikiによると、なんでも10代からモデルだったというキャリアのスタートが納得の見事なスタイルで、いや、現在進行形で素晴らしいのには非常な努力が勿論のことしのばれるのであるが、生まれ持った骨格の美しさはやっぱりモデルになれる人のそれである。

彼女のインスタグラムをチェックすると、普段はとってもナチュラルなライフスタイルを送っておいでのようで、勿論それもとっても素敵なのだが、個人的に「ハウス・オブ・カード」でのキャリアファッションを着こなす彼女がツボ。このドラマ自体、2013年からオンエアしているので2020年のこのタイミングで個人的に騒いでいるのが恥ずかしいレベルなのだが、観ているのが今なので仕方ない。

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鍛え上げた見事な筋脚だから映えるペンシルスカートは、レングスも長めだったり膝が見えたりとバリエーションがさまざまであるが、基本的に色合いはブラック。このドラマでのロビンのファッションでは、柄物はほとんど登場せず、黒、白、ネイビーの無地を基調にシンプルだが構築的な縫製の、要するに身体を美しく引き立てるアイテムばかり。つまり、無駄のないバランスのとれた肉体ありきのファッションなのだ。これがまた憧れる。

そういう戦闘モードファッションの際のメイクアップは、うすぼんやりとしていてはいけない。全体が調和しないのだ。味つけ辛く、どこまでもスパイシーな目元、けれどもリップだけは大人の可愛さを感じられるアイスピンクだったりと、ドラマ自体も最高に面白いのだが、画面に出るクレア(ロビン)のファッションやメイクに釘付けになってしまう。

実はもうずーっと長いこと、理想のペンシルスカートを探しまわっていたのだけど、これもまた流行ではなくトラッドなド定番品なので店頭に並ぶことがない。日本で一般に言われる “タイトスカート” なるものと、若干違うんですよ。ただ急務で必要なわけでもないので、この数年ぬぼーっと探していたのだが、ロビン・ライトの格好良すぎるキャリアファッションを見ていて最後の手段を使った。そして手に入れた!

なんということはないのですが、Dolce&Gabbana で買えばいいんです。コレ、意外かもしれないが、Dolce&Gabbana はアヴァンギャルドでエッジィな服しかないと思ってません?昔はわたしもそうだった。特にファッション誌の広告や店頭のディスプレイを目にしていたらなおのこと、「世界観が違う!」と脱兎のごとく逃げ去りたくなるが、縫製の良さ、仕立ての美しさで体形を見事に見せるイタリアンブランドといえばココ。わたしはこの事実を、ファッション誌勤務時代にあか抜けない格好ばかりしていた時分に編集者から教えられたのだ。思い出すなー、「身分不相応な人間が買いにきてすみません…」って顔で勇気を出してショップに行ったことを。。今は「Farfetch」があるのでね、店頭になくても手に入ります。

けれどこれ本当。「縫製、仕立ての素晴らしい服が体形を美しく見せる」ことを知った初めての体験だが、ここ最近はわたしもなんだかシーズンのトレンドを軽く抑えた街にあふれるファッションで充分だった。原点回帰だ、昨春あたりからわたしのなかでにわかに吹き出した「デザインシンプルかつ縫製上質主義」の風に「ハウス・オブ・カード」で魅了するイコンの登場がガッツリかみ合ってしまったのだった。

あとに残るは肉体の問題だけ。


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