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二丁目の夕日

金曜日の夜は、少し踏み込んだ内容を有料記事でお届けします。



今回は、20代半ばから後半にかけての恋愛での挫折、さらには、
それを機に足を踏み入れることになった、知られざる社会について、
皆さんと一緒に、改めて振り返っていければと思います。



婚活中の方、交際中の方、あるいは失恋したばかりの方、
異性との関わりに、ほとほと疲れ果てた方などは(笑)、
是非、お読み頂いた上、ご感想などお寄せ頂ければ幸いです。






小学校入学~大学卒業にかけて、16年間の学生生活。



お年頃で、何かと色めき立つ同級生達の楽しそうな様子を、
クラスの片隅から、横目でただ見ていた自分にとっては(笑)、
青春の"せ"の字も無い、砂のような毎日がただ過ぎていきました。





社会人1年目で入社した企業は、男性9割の体育会系。




1割の女性は、ほとんど年配の方や既婚者の方で、
数少ない20代の女性社員は、田舎の元ヤンみたいのばかり(笑)。



私から見ても、正直大して可愛くもない若手女子社員が、
モテなそうなオジサン達に、毎日ちやほやされた挙句、
2年目位から急激にふんぞり返り出すという(笑)、
それこそ、恋愛の"れ"の字も起こり得ない、職場環境でした。



彼女が出来たこともなく、友達だって大している訳でも無し。



人間関係の希薄な職場で、無味乾燥に過ぎていくだけの毎日。



こうして10年、20年が過ぎたら、自分はどうなってしまうのか(笑)。






23~24歳頃から、本能的に"このままじゃヤバい"と感じた私は、
都内の、オタクな男女が集まる婚活イベントに通うようになりました。




普通の街コンや合コンみたいなのに参加した所で、
根暗で、何の面白い話もできない自分には勝ち目はないと踏み、
一方で、アニメや声優のラジオには、多少は日常的に触れている為、
こちらの方向性に賭けてみようという思いからでした。




輪になって座っている女性の前に、男性が代わる代わる現れて、
一定時間お話をしたら、隣の席に男性が移っていく形式の、
いわゆる"回転寿司パーティー"というヤツです(笑)。



最初の数回は、さっぱり箸にも棒にも掛かりませんでしたが、
その後、何回目かでカップリングした、3個下の女性と、
数回のデートの後、結果的に、交際をするに至りました。






群馬付近に住んでいた彼女とは、月1回だけ会っていました。




祖父母が全員亡くなり、父親も、彼女の高校時代に亡くなり、
家事の出来ない母親と離れて、一人暮らししているという彼女。




人一倍苦労もしてきて、様々なコンプレックスも抱えている彼女に、
せっかくの自分との交際期間は、少しでも幸せになって欲しいと、
自分なりに、一生懸命プランを考えて、毎月デートに行きましたが、
何かしら、イラッと来ることをデート中に、必ず言われました。




ただ、私は彼女とケンカなどしたくなかったので、
何を言われても、怒らずに穏やかに対応するようにしていた為、
お金を払って、気を遣って、努めて笑顔で振る舞い続け(笑)、
デートが終わって、帰りの電車に乗ると、ぐったりと疲れました。




自分と付き合い始めた辺りで、彼女は正社員の職を離れ、
アニメショップの店員や、保育施設の職員など、
パートの職を転々としていました。




日頃の彼女の言動に、段々と違和感を強めていた頃、
仕事中に携帯に来ていた彼女からのメールを見て、
心がポッキリと折れてしまったのを覚えています。




昼休みに定食屋で昼食を食べようとしたときに、
携帯を開いたら、以下のような文章が、目に飛び込んできました。






「仕事もしたくないし、家事もやりたくないから、
何でもやってくれるあなたと早く結婚したいけど、
あなたははっきり言って、男としての芯が弱いから、
ここまで、たくさん傷を負ってきた私を支え切れるか心配でもある」






……?




男としての……?




芯が弱い……?(笑)






彼女と付き合って2年半の間、相当な我慢を強いられてきましたが、
それでも、結婚するためには、この苦しみに耐えなければいけないと、
自分に強く言い聞かせ、将来に向けて生きていたつもりだった自分。



その間の努力や、自分の行いを、全否定された気分になりました。



その後、彼女とは破局することになるのですが、
別れた日、一人暮らしの狭い部屋で、寒い冬の夜に、
とりあえずシチューでも食べようかと、鍋に火をつけていると、
あまりの侘しさに、気付けば涙がこぼれていたのを覚えています。






それからしばらく、彼女からのメールの文面が、頭から離れませんでした。




"男としての芯が弱い"……




2年半、我慢に我慢を重ねた末に聞かされる言葉としては、
あまりにも残酷な言葉だったなと思う反面。



確かに、彼女の言う通りだったのかもしれない、
と思う気持ちも、正直、心のどこかにありました。



自分で自分を見たときに、とてもじゃないですが、
女性が求める、男性の"芯の強さ"を持てているとは思えません。



何を言われても、ただニコニコしているだけの、
自発的な意思表示もない、空っぽのつまらない箱みたいな自分(笑)。



率直に言って、この時、自分が一人の男性として、
女性から認められるようになる将来が、全く見えなくなっていました。


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