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発見!農家も消費者も子どもたちの未来も明るく照らす廃棄野菜のアップサイクル

発廃棄される果実や野菜を加工して付加価値を付ける。そんなアップサイクルに取り組んでいる株式会社hakken。今回は広島officeの生産責任者である、田川美帆さんからお話を伺いました。

株式会社hakken 田川美帆さん

初めて目の当たりにしたフードロスの現状社長の一声でスタートした廃棄野菜の加工

日本の食品ロスは1年間で612万トン(毎日国民1人がお茶碗一杯分の食品を捨てている量)。なんとなく耳にはしていたけれど、私がこのことを深く知ったのは入社後のことでした。毎日たくさんの食品が廃棄されている反面、日本では夏休みにご飯を食べられない子どもが6人に1人いると言われています。「その矛盾を一緒に解決しないか」という、社長の一声で私の人生は変わりました。

当時の私と言えば、サスティナブルや廃棄野菜には興味がなく、安いは正義な生活をしていた主婦。「楽しそう!」そんな興味本位でパートから始めて、それから営業や商品開発、そして工場の生産責任を任せて頂くことになりました。

現在は廃棄野菜の回収から商品企画まで担い、食品ロスと毎日向き合う日々です。プロジェクトに関わるごとに社会貢献を実感できて、社会の一員になった気がして。とてもやりがいのある仕事です。

トマトブームの裏にあるのは毎日50キロもの廃棄トマト

今やスーパーに専用コーナーがあるほど人気のあるトマト。同じクオリティのトマトを1年中食べることができますが、実は廃棄野菜の代表格なのです。夏は50~70キロものトマトが廃棄されています。

単純に生産量を減らすべきと考える方が多いかもしれませんが、農家さんの収入を減らすことになるのです。野菜をどう売れば良いのか、どうすれば農家を続けることができるのか、苦肉の策であることも現状です。

それなら廃棄野菜を加工することで、三方ヨシを目指せるのではないか。農家とhakkenが手を取り合い、新たな価値がつき消費者を喜ばせる。丹精込めて作られたものをただ捨てるのではなく、新たな価値を見いだしていく。そのためにパウダー加工するという、アップサイクルの方法を私たちは発見しました。

解決の糸口になったパウダー加工と食品ロス問題に向けて願うこと

今回旅するチーズケーキで提供した柚子は、スイングミルという特殊なミキサーを使用しました。スイングミルはパウダーを細かく加工するのが特徴。チーズケーキで重要になる口当たりの良さを考慮して、より細かくできるミルを選択しました。

こうして果物や野菜を微細なパウダーにすることで、様々な場所で活用することができます。過去には、学校給食のパンに練り込んだ栄養価の高い「野菜パン」として提供をしたり、東京・銀座の洋食店では伊予柑パウダーがプロの手で美味しいスイーツに変身しました。

野菜や果物は乾燥技術により賞味期限が長くなります。また、嵩が大幅に減少することから運送コストが下がるのもいいところ。これから農家さんにたくさん利用して頂きたいですね。どんどん需要が増えて、三方ヨシの和が広がることを願うばかりです。

それでも我々だけでは、日本の食品ロス問題を大きく変えることはできません。『どうすれば食品ロスという大きな課題を解決できるのか』みなさんも一緒に考えてもらえると嬉しいです。

安いからと言う理由だけで、食材を購入して結局ムダにしたり、食材が冷凍庫に眠っていたりしませんか。「本当に食べたいものや必要なもの」をよく考えて購入したり、冷蔵庫や食生活を少し見直したりするだけでも、食品ロスは減っていきます。一人でも多くの人が食品ロスを意識すれば、未来はきっと変わっていくと思うのです。

『アップサイクルが当たり前の世の中になって、食品ロスをどんどん減らしたい』これは今の私の切なる願いです。


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