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世界でいちばんシンプルな魔法の言葉。


わたしの名前を漢字で書くと「愛奈」。

「愛を大きく示す」と書く、この名前をとても気に入っている。

だれかが呼びかけてくれるとき、
喜びを表すとき、
怒るとき、

いろんな時に呼ばれてきたけど、
きっとどんな単語よりも自分の名前を聞く機会の方が多い気がする。

おはようは朝だけだけど、名前は一日中呼ばれる。
ありがとうもごめんねもたくさん聞くけど、名前の方が聞く気がする。


わたしの名前をローマ字では「Aina」と書くけれど、英語読みだと日本語みたいに「あ」「い」「な」と読まれることが少ない。

「あいな」と読むなら、「Ayna」「Ina」と書くのが近い発音になるらしい。

そして、「Aina」と書くと「エイナ」という呼ばれ方になる。

一時期名前がうまく伝わらなくて、イングリッシュネームやニックネームをつけようか悩んでいた時期もあった。

馴染みにくい、覚えにくい名前は呼ぶ側が大変だろうなぁと思っていた。


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うん、惜しい。
でも頑張ってくれた感じがうれしい。


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文字としてではなく、音として覚えてくれているから、正しく呼んでくれるのに正しく書いてもらえない。

どうしたもんかと自己紹介の時にも分かりやすく「エイナ」って伝えてみると、「ちゃんと日本語の発音で言ってみて」と言ってもらえることも多かったのはすごく印象的だった。


オーストラリアやその他海外では、コーヒーをテイクアウトで買うと名前を書いて、できあがったら名前を呼ぶお店が多い。

日本ではお店側が整理番号を渡すところ、買う側が名前を伝えるというのも全然違うスタイルで面白いところ。


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(これは友達がつくってくれたコーヒーなので、名前がちゃんと正しい。。)


そんな文化からか、相手の名前を聞くことはそんなに抵抗がなく、バリスタの仕事をしている時にお客さんからも「名前なぁに?」と聞かれることも多かった。

口頭で伝えることが大半だけど、なかなか伝わりにくい名前なので「発音が難しい」と毎日名前を確認してくれるお客さんもいたくらいだった。


そんな時、インド人のお客さんが「Ainaってインドでは鏡という意味になるよ、美しい名前だね」と言ってくれた。

そして、「日本語ではどういう意味なの?」と聞かれたので、「愛という意味だよ」と伝えると、美しい言葉だと言ってくれた。

そんな風に自分の名前が意味を持つなんて思っていなかった。

英語として呼びにくい名前だなぁと悩んでいたけれど、これからも自分の名前をちゃんと掲げたいとその時に強く思ったんだよね。


そして…


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お互いの歩み寄りがあれば、馴染みのない言葉でも馴染んでくれるんだということも同時に知った。


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言葉はあくまでツールなんだ、ということも同時に学んだ気がする。


お互いの心が歩み寄ろうとしないなら、どんなに馴染みのある言葉だってきっと意味を持たない。

オーストラリアから帰国するときに、全く知り合いがいない土地に来てこんなに名前を呼んでもらえるようになるなんて…と本当に感動したのはこれから先もずっと忘れられないだろうな。


きっとこれから先も、1番耳にする単語はきっと自分の名前のような気がする。

そして、愛情を持ってその3文字を呼んでもらうとまるで魔法がかかったかのように命が吹き込まれる気分になる。

呼ばれ方によっては、名前に「ありがとう」や「好きだよ」の意味さえも持つように感じる。


名前はきっと、いちばんシンプルな魔法の言葉。



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