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7月発売の中公新書が個人的に好きなラインナップ

もう8月に入ってしまいましたが、
7月に発売した中公新書を紹介します。

サンスクリット入門 インドの思想を育んだ「完全な言語」

赤松明彦 著

仏も塔も鳥居も瓦もジャングルもアバターも、サンスクリットに起源を持つ単語だ。紀元前4世紀に文法学者パーニニが完成させた言語であるサンスクリットは、プログラム言語のような厳密さと正確さと簡潔さを持ち、インド思想や仏伝などの記述に使われてきた。日本にも仏教と共に伝わり、五十音がサンスクリットに由来を持つようにその影響はいまなお大きい。「完全な言語(サンスクリタ)」の文法を学びながら、思想と文学の精華に触れよう。


吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実

藪本勝治 著

鎌倉幕府草創から中期までの事績を記した『吾妻鏡』。源頼朝挙兵に至る経緯、二代将軍頼家の暗愚、三代執権北条泰時の武勇と仁徳ほか、小説やドラマが描く挿話の多くはこの史料に基づく。幕府の公式記録とも言われるが、史実の錯誤や改変も少なくない。本書では平家追討、奥州合戦、実朝暗殺、承久の乱など主要な合戦や争乱の叙述を、近年の研究も踏まえて検証。「正史」に潜む虚構を洗い出し、隠された意図を明らかにする。


ダーウィン「進化論の父」の大いなる遺産

鈴木紀之 著

『種の起源』で進化論を唱え、科学に革命をもたらしたチャールズ・ダーウィン(1809~82)。後代の思想、社会観にも影響を与え続けてきた。だが、大発見は進化論にとどまらない。人類の起源、感情の由来、性淘汰、動物の心理、新種の化石の発掘、サンゴ礁の形成、家畜・作物の品種改良、花と昆虫の関係――。本書は、ダーウィンの劇的な生涯を辿り、進化論の本質、彼の偉業を紐解く。旧来のイメージを刷新する。


アファーマティブ・アクション平等への切り札か、逆差別か

南川文里 著

「積極的差別是正措置」と訳されるアファーマティブ・アクション。入試や雇用・昇進に際して人種やジェンダーに配慮する取り組みだ。1960年代、公民権運動後のアメリカで構造的な人種差別解消のため導入されたが、「逆差別」「優遇措置」との批判が高まる。21世紀には多様性の推進策として復権するも、連邦最高裁は2023年に違憲判決を下した――。その役割は終わったのか。アメリカの試行錯誤の歴史をたどり考える。


中公新書といえば「歴史」の本ですので、そちらもある上に、理系やリベラル思想を学ぶ上でも気になる新刊がでています。
個人的にサンスクリット語の新書が出たのは、とても気になるところです。
全然知らない言語をまずは「読み物」として新書から始められるのは新言語学習として嬉しい機会です。


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