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神影鎧装レツオウガ

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#連載長編小説

神影鎧装レツオウガ 第四十三話

神影鎧装レツオウガ 第四十三話

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Chapter06 冥王 07
 轟。
 凄まじい光と音が、奔流となって迸る。
 クリムゾン・カノンから発射された膨大な霊力は、正面の巨大転移術式陣へ直撃。そのまま地球のウェストミンスター区へと転送されていく。
 直径ギリギリの霊力砲撃をねじ込まれ、悲鳴じみた火花を上げる術式陣と周囲機材一式。
 更にその悲鳴を代弁するかの如く、立体映像モニタの向こうで狂

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神影鎧装レツオウガ 第三十二話

神影鎧装レツオウガ 第三十二話

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Chapter05 重力 02 きんこんと鳴るチャイム。よいしょと教卓を降りる温井先生。わやわや騒ぎ出すクラスメイト達。
 いつもの風景、いつもの日常。眠ってしまいそうなくらい平和な眺めだ。
「はふ」
 あくびを噛み殺しながら、風葉《かざは》は小さく背を逸らした。おしりが少し痛い。
「座りっぱなしだからなぁ」
 教科書類をしまった後、風葉は辰巳《たつみ》

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神影鎧装レツオウガ 第三十一話

神影鎧装レツオウガ 第三十一話

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Chapter05 重力 01『なーるほどね、事情は理解したよ』
 日乃栄高校付属翠明《すいめい》寮、その男子棟の三○一号室。
 机上に浮かぶ立体映像モニタ越しに、辰巳《たつみ》と風葉《かざは》は巌《いわお》へ諸々の報告を終えた。
 二人とも鎧装は既に解除し、元の制服に戻っている。
 しかして、二年二組へはまだ戻れずにいる。時間がかかりすぎたためだ。
 

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神影鎧装レツオウガ 第二十九話

神影鎧装レツオウガ 第二十九話

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Chapter04 交錯 06「……、」
 風葉は絶句した。
 信じられないのだ。目の前の光景が、あまりにも。犬耳を初めて見た時の方が、まだ現実感があったかもしれない。
「ええ、と」
 軽い頭痛。頭を振って追い出す。しかる後、風葉は状況を改めて思い出す。
 つい数分前、翠明寮の食堂で禍《まがつ》の鎮圧任務を受けた。それは良い。ごはんを食べ損ねた事も含めて

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