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あきらめないで!杖なしで歩けるかも!

身も心も元気になる体操を考えるお仕事


私はモダンダンスを生業としつつ、20代からバレエをベースにした身も心も元気になる体操をデザイン指導してきました。
床に寝たまま。バーを使って。イスに座って。等々。

怪我や病気で手足に麻痺が残り、リハビリ後ある程度まで回復された方の中に、実はもっと改善できる可能性のある方がいらっしゃることをお伝えしようとおもいます。

もちろん全ての方が回復されるとは言えません。

ここでは脊髄梗塞を経験されたAさんの、本人も予期しなかった回復は奇跡では無く、私のほんの小さな気付きから始まったことを今も感覚麻痺や運動麻痺の回復にがんばっているご本人、ご家族、担当医、理学療法士、作業療法士の方々に知っていただきたいのです。

Aさんとの出会い

主人公のAさんは脊髄梗塞の後遺症、右下半身麻痺を物ともせず人々を元気にするプロの画家。
私のスパルタレッスンをガハハ!と笑い飛ばしながら
熱心に、時にちょいとおサボりしながら楽しんで下さった笑いの天才です。

2015年友人の看護師さんから、デスクワークの途中でイスに座ったまま出来る肩凝り解消の体操を作って欲しいと依頼されました。
後から思うとこの依頼も良いタイミングでした。

イス体操のカリキュラムが完成した2015年秋、画家のAさんと出会ったのですがその時はまだ親しくお話しするには至りませんでした。
2016年春Aさんの展覧会に伺い、お互いの近況をおしゃべりするうち、
画家ならではの慢性肩凝りをどうにかしたい。
片麻痺でフィットネスクラブにも入れないから、自宅でも出来る体操を
希望されていることがわかりました。

イス体操専門のクラスを開催する話は彼女の人脈もあってトントンと進み2016年6月14日から、月2回1時間のクラスを始めました。
その後Aさんの希望で毎週一回に。
身体の回復に伴って「もっともっと!」と時間は徐々に長くなり、
ついに90分のクラスになりました。

Aさんとのキラキラ輝いたレッスンの日々を綴ります。

Aさんご本人から「自分の症例が誰かの役に立つならば是非使って下さい!」と快くお許しをいただきましたので、できる限り細かくお伝えします。


Aさんは2006年5月脊髄梗塞のためある朝突然下半身が麻痺。
入院当初は立つこと、歩くこともできず、便意尿意を感じることが出来ませんでした。脊髄梗塞について詳しくはこちらを参考になさって下さい。


《闘病生活の始まり》

2006年5月4日朝目覚めると全く身体が動かない。
救急車で病院に運ばれる。
下半身が麻痺しており,尿意便意を感じず大きな不安を感じる。
様々な検査を経て脊髄梗塞とわかる。
医師からおそらく一生車椅子生活になるだろうとご主人にのみ説明される。
本人にはリハビリの意欲を失わないよう伝えないことになった。
6月8日車椅子で退院。
退院後2年間リハビリの治療に通い、左足が動くようになった。
以来杖を使って歩いている。

私とレッスンを始めた2016年は発症後丁度10年たったとき。

レッスン前の聞き取りアンケート

私のクラスでは入会前に必ず体験レッスンを受けていただき、現在の体調をアンケートに書き込んでいただきます。
アンケートを元にさらに詳しく痛みや不調、身体の悩みについて伺います。
体験レッスン前にAさんからうかがったのはこのような内容でした。

痛みについて
・肩凝りで両肩が痛いのを通り越して固くなっている。(左肩が特に固く盛り上がっている。右利き)
・両足の太腿の後ろから脛の骨がおろし金でこすられているような激痛がずっとある。
発症当初は痛みで眠れなかったが最近は慣れてきて眠れるようになった。
・左股関節が痛い(本人が示された位置は左足大転子)
・1年に1度病院の定期検診の針を刺す検査では発症当初両足とも痛みを感じなかった。現在は見ていないとどこを刺激されているかわからないが目で確認するとその場所に刺激されているのを感じるようになっている。
・右足土踏まずのコブのように固く飛び出した部分に痛みは無い。
・左手首(親指の付け根周辺)が慢性的に痛い。(杖をつく手)
日常生活について
・キッチンの作業は移動が少ないので杖を使わず立って普通に作業できる。
・退院直後1度ベッドから落ちたことが有り、以来怖くて一度も寝返りを打てない。
・当初全く感じなかった尿意便意は少し感じるようになったが、突然ピークを越えたような感じになり、間に合わなかったらどうしようと常に不安があり、早めにトイレに行くようにしている。
・排尿している感じは初めは全く無かったがわずかに感じられるようになってきた。
・排便はお腹のどこに力を入れていきめば良いかわからず毎回時間が掛る。まとまった便にならず、鹿の糞状に少しずつしか排便できないことで爽快感を得られない。
・外出時座って靴を脱ぎ履きできない場合を想定して、立ったまま使える長い靴べらを持ち歩いている。


次回からクラス日記をご紹介します。

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