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「遊び」が顧客をファン化させる

先日「UDO端会議」なるイベントを開催させていただきました。

「香川県のうどん屋さんやその関係者さんが色々なことについてトークをする」

内容としてはただこれだけのことで、うどん屋始め飲食関係の参加者が多数いるにも関わらず、フードの販売がほとんど無い、というあまり他では見られないだろうスタイルのイベントでした(笑)

当日会場にお越しいただいた方は50名ほどいらっしゃいまして、イベントの規模で言うと、極々小さいものでありますが、企画側の我々にしてみれば、これほど偏った内容のイベントによくぞこれだけたくさんの人が来てくれたものだな、と驚くほどに大盛況だったと感じてます。

入場料や参加料こそ無料でしたが、能登震災の復興支援チャリティ商品として事前から案内を流していた当日限定発売のグッズや物販も好調で今回のイベントによって83,600円の支援金を集めることができました。

この事実は個人的にはかなり凄いことだと思いませんか?
飲食店やうどん屋の店主が集まって、それぞれのお店の料理を提供する訳でもなく、ただただその店長たちのおしゃべりや特技、趣味の世界を披露するイベントに集まってくれたり、グッズを購入してくれる人たちが存在してくれている訳です。

実を言えば(隠していたわけでもありませんが)こうしたうどん屋の本業とはあまり関係のないイベントに参加するのは今回が初めて、と言う訳ではありません。これまでにも「うどん」そのものではなく、複数のうどん屋が集まってその店主達のパフォーマンスをメインとしたイベントを過去にも何度か経験させてもらってます。

その経験故に、こうしたイベントが最近ではなんとなく「当たり前」に感じていますが、改めて考えてみると、世間的にはかなり珍しい活動だと思います。
確かに、現在のところ、それぞれのイベントにおいて大きな収益が達成されている訳でもありません。ですので、そんな趣味の活動の様なところにわざわざ時間や労力をかけても無意味だろう、と思われているのかもしれません。

ところがこうした一見「趣味」や「遊び」の延長に見えるイベントの開催はこれからの時代においては本業の業績を向上させる為の大きな武器になり得ると考えられます。
こちらをご覧の方々でしたら、商売を行うにおいて

・「顧客のファン化」
・「人検索」

こうしたキーワードを意識していくことの重要性をご理解いただいていると思いますが、「商品やサービスの提供者の人となり」を知ってもらうことで顧客がファン化する可能性が高まります。
そして「人となり」を知ってもらうためには本業とは違う形式でお客様とコミュニケーションを図るのが有効です。

§現在のさぬきうどん界隈がイベントに強いわけ

コロナの終息なども相まって昨年後半以降イベントも活発に行われるようになってきています。特にヨコクラうどんや仲良くさせてもらっているうどん屋さんにおいても今年に入ってからは毎週の様に週末はイベントの開催が行われている気がします。そして、そのどれもある程度の集客に成功しています。

その理由は一体どこにあるのでしょう?

  1. 常にSNSでの情報発信をしている

  2. 同業者同士での交流が活発

  3. 好奇心が旺盛で行動力がある

1 常にSNSでの情報発信をしている

◉投稿の頻度や返答率がお店の信頼度を高める

こちらをご覧の皆様に今更言うまでもないことなのかもしれませんが、やはりSNSにおける情報発信は日々のお店の運営においても欠かせないツールです。
この情報発信をどれだけの頻度で行っているのか?コメントに対する返答率はどうなのか?地味で当たり前のように思えることにきちんと取り組んでいくことがお客様への信頼につながることは間違いありません。

自分に置き換えて考えてみたら、何気ない自分の投稿にそのお店の人から返信が返ってきたら嬉しいと思いませんか?単純な様ですけど、やはりこれはお店のファンを増やす基本だと思います。

◉雑談的な投稿も織り交ぜながら

おそらく仕事に関したSNSでの発信を行おう!と考えるとどうしても商売上、必要な案内や告知などが発信の目的になりがちです。そうした告知は必要なことではありますが、それに加えて、「発信者の人柄」が滲み出るようなある種の雑談的な投稿の発信をすることで「発信者の告知」として機能します。
それがやがて「発信者の価値向上」に繋がり、現在の職業のみならず、将来にわたっての信頼構築につながる活動になります。

2 同業者同士での交流が活発

現在、私はヨコクラうどんの代表として主に20店舗ほどのうどん屋さんと日々活発に交流をさせてもらっています。こうした交流の様子をSNSなどを使って発信し続けることでそれぞれのお店のお客様がお互いのお店に興味を持ったり、実際に訪れて食事をしたりするような環境が出来上がっています。
交流してお互いのうどん屋同士で情報の共有をSNSで発信したり、各店舗のうどん屋さん同士の交流の様子をそれ自体を楽しんでくれることもあります。

こうした複数店舗で情報を発信し合うと、単純に考えると一つの店舗で情報発信をするよりもはるかに多くのお客様に情報が届く可能性が出てきます。

SNS上での繋がりが最終的に実際の合同イベントに発展することもありますし、普段の交流の楽しさを知っているお客様にしてみれば、そうしたイベントは非常に関心の高いものとなって参加意欲を高めることにも繋がります。

3好奇心が旺盛で行動力がある

このポイントに関しては今回のイベント成功の件だけにとどまらず、あらゆる場面で必要有とされる資質だと思いますが、先ほどのSNS投稿における雑談に通じる部分でもありますが、いろんなことに関して興味、関心を持って取り組んでいる人は話題が非常に豊富です。

その豊富な話題を元に発信をし、発信者としての信頼を高めることもできます。そして、そうした高めた信頼に応えるためにイベントを発案、実行することでまたお客様からの信頼を高めて、新たなファンを獲得していくことになります。

こうした好循環を繰り返すためにはやはり、好奇心と行動力、この二つの要素はなくてはならないものだと思われます。

§まとめとして

讃岐うどん業界全体から見れば、まだまだほんの一部と言えるかもしれませんが、それでもうどん屋同士が交流を重ねていくことで、今までにない新しい価値がそこに生まれつつあるように私には感じます。
その交流の仕方においても「本業」とは少し離れた「遊び」の部分にフォーカスの当たった交流が顧客をファンへと進化させるポイントになる様な気がします。
こうした動きがもっと他の業種や産業に広がっていけばいいのになあと最近特に強くそう思います。

そのためにも、まずはうどん業界からもっともっと盛り上がっていきたいものです。

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