良い意味で裏切られた本。町田そのこ「宙ごはん」
町田そのこさんの小説、「宙ごはん」
どんな話？
産みの親と育ての親、2人の母親がいる宙(そら)の話。
宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。
代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。
この概要を読んで
「あー料理の話って、ほっこりするよねぇ」
「いろんな料理が出てくるのかなぁ」
なんて思いながら、ゆる〜い気持ちで読み始めたのです。
目次にも、きのこのポタージュや、チャーハンなんて書いてあるし。
…
で、数日かけてやっと読み終えました。
ふう。
えっとね、
単純に「料理でほっこり」なんてストーリーではありません。結構ヘビーな話も多いかも。
確実に「料理」がストーリーの肝にはなっているんだけど、決してそれだけではない。
母親が2人いる主人公「宙」以外の登場人物も、なんとも複雑な家庭環境の人が多い。
宙の学校の友だちや彼氏、
その家族にも話が広がっていく。
複雑な家庭環境に育っている登場人物たちが、ひょんなことから(？)最終的に料理を通じて繋がっていくような、そんな話。
ヘビーな話もあるんだけど、最終的には希望の光が見えるようなラストで、
「読んでよかったなあ」と思えた一冊。
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で、この小説。
人の弱さ、頼ることの大切さ、愛されたことがない人ゆえの行動…などなど、色々と学びが多い。
感情的な人物ももちろんのこと、どこか冷めている登場人物が多いのも、私的には感情移入しやすかったかも。
個人的には、宙の同級生のマリーちゃんが、小学生にしてすでに悟りを開いている感じで、冷静かつ淡々と語るシーンがツボでした。
正直、私には経験したことないような話が多々登場。
想像してもしきれないような、辛い話もあったり。
でも、それを本を読むことで疑似体験(？)できるって、やっぱり小説ってすごいよなあと。
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ということで
みなさんにもぜひ読んでみてほしい一冊
「宙ごはん」の紹介でした〜。
<あとがき>
ちなみに、KindleUnlimited対象本です。
5章に分かれてるので、もし読む場合は日を変えて1章ずつ読んだ方がいいかも。
つい気になって3章分続けて読んだら、感動したりグッタリしたりで忙しかったですw
今日もありがとうございました。
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