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土を食べたことはありますか?

綿矢りさ「オーラの発表会」

地味で、友だちが少ない大学生が主人公の日常が描かれた話。

読後、「大きな感動」はありませんでしたが、なんだろう…例えるならフェードアウトして終わる曲?みたいな印象でした。(どんなだよ)

所々に散りばめられている、綿矢りさの独特な表現と、主人公のちょっとズレてる感じがツボで、サラッと読み終えた一冊でした。

そして、「オーラの発表会」という謎のタイトル。
タイトルの謎は、本を読んでいくと回収されますので(そらそうか)、気になる方はぜひ。

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で、今日はこの小説の中の一説を紹介。

土の味と食感はいまでも覚えている。
色がチョコレートに似ていたので、広場の隅の湿った土を時折食べていた。

「オーラの発表会」p181より引用

「土を時折食べていた」のは主人公なのですが、
これを読んだとき、「フッ」と笑ってしまった。 

なぜなら、私も土を食べたことがあるから。

あれは、小学4年生の時。
湿っていた公園の土が、なぜかガトーショコラのように見えた。

頭の中では、もちろん「土」だと分かっている。
分かってるけど、どうしても味を確かめたくなった。

で、少量を口に入れてみる。
それは、想像通り土だった。
ガトーショコラではなかった。

という、全力で「知らんがな」なエピソード。

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私はそれ以来、土を口にすることはなかった。
だが、この主人公は「時折」食べている。

この時点で、なかなかのツワモノだということが分かる。
さらに、土よりハイレベルのものを口にする人物も現れる。
それは一体、何なのか!?
気になる方は、読んで見てね。

ちなみに…
おそらく、この小説の肝は「土」の話ではないと思われる。
でも、私はこの土の話が一番印象に残った。

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もしかしたら、農業をやっている人は、土を口にすることがあるのかも?
食べると、土の質が分かるとか?
(完全に想像だけで書いてます)


みなさんは、どんなものを口にしたことがありますか?(食べ物以外で)

よかったら、教えてくださーい。

<あとがき>
綿矢りさの比喩表現がツボで、色々読んではニヤニヤしてます。
今日もありがとうございました。

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