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【考え事】尖った人と丸い人

■ 尖った人

 シン・二ホンという本で、これから未来を変える人は何かに突き抜けた人材だという話があった。

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■ 丸い人

 自分は昔から典型的なバランス型だった。テストでも5教科+副教科バランスよく取って総合点で勝負するような感じだったし、クラスの誰とでも話せるような感じのキャラだった。性格はそれほど変わらないので、今の会社でも結局同じような丸いキャラが定着しつつある。

 だから一芸に秀でた尖った人にはずっとあこがれを抱いている。やっぱり何か新しい事をする時は、多くの人の意見を聞いてまとめるより、直感に従い一点突破で突き刺して行く方が進みやすい。幸い今の環境では、近くに2人の尖った人がいるため、一点突破の恩恵を受けまくっている現状である。しかし自分で一点突破するには「これは真似できないなぁ」と思う点があるので、その点について以下に感想を書く。

■ 耳をふさぐ

 一点突破をする時は、周りの意見を聴かないという事が必要になる。10人中9人が反対しても推し進める必要がある。しかし反対された方向へ舵を切ったとしても、状況が進んでいくと必ずその9人の力を借りなければならないため、後でとても気まずくなる。みんなの意見の反対方向に行ったやつの尻拭いを当の本人からお願いするような感じになってしまう。

 丸い人はこういう時に多数派に流れてしまい、最大公約数的な方向に舵を切ってしまう。そうすると「なんかどこかにありそうな」内容になってしまい、イマイチ飛距離が出なくなる。本当に新しい流れは少数派から生まれるので、答えは総意の反対方向にある可能性が高い。立ち上げ時に全員が上手く行くと思ったプロジェクトが失敗しやすいのと同じだろう。

 尖った人はここで耳をふさぐことができる。リスクを取ると言いかえることができるかもしれない。みんなが賛成しているけれど直感的に違和感がある、最終的に責任を取るのは自分だ、など、何らかの理由で多数派の反対を押し切る必要がある。尖った人は勝負所でこれができるから凄い。

■ 依頼する

 尖った人が一人いても、実際の社会では一人ではほとんど何も動かすことができないため、具体的な作業などは他の人に依頼することになる。しかし依頼する予定の人はめちゃくちゃ忙しいかもしれないし、その依頼する作業に興味がないかもしれない。しかしその人に依頼しなければ作業は進まないし、アウトプットも生まれない。こういう状況で、ただ「お願いします。」と依頼すると、それなりのアウトプットしか返ってこない。ただしそこで出てきたそれなりのアウトプットをそのまま採用すると、尖り具合がどうしても浅くなる。普通は大衆受けするようにとか、どこかで見たことがあるようなアウトプットに寄せられるため、最初から尖ったアウトプットを出す人はほとんど居ないだろう。

 丸い人はここで、忙しい中でこれだけ頑張ってくれたんだからこれを基に進めて行こう、と思ってしまうが、尖った人はこれをやり直させることができる。「もっとこんなイメージなんですよ。」「もう少しこんな感じになりませんかね。」など、自分のイメージの中にあるモヤモヤした像を具体化させるべく、締切ギリギリまで相手を詰めて結果的に尖った成果を手に入れることができる。この尖った方向に周りを巻き込んでいく力が、尖り続けられる秘訣なのかもしれない。

■ 愛嬌がある

 こんな感じで、団体で尖った行動をするには、周りの意見を覆し、しかもその反対方向の作業を依頼するという仕事が必要になる。依頼された側はしかもアウトプットにケチをつけられたりするので、軋轢を生む余地が鬼のようにある。しかも尖ったプロジェクトが失敗すれば、それらの一連の作業は無に帰す形になってしまうため、「最初からみんなに従っておけばこんな事にはならなかったのに」などの陰口をたたかれる可能性も十分にある。

 丸い人はそうした状況を避けるために周囲の意見を反映して広い方に物事を進めるが、尖った人はその軋轢を生みながら進める方向に舵を取ることができる。しかし尖った人は持ち前の愛嬌の良さから、その軋轢を無効化してしまうことができる。「あいつがあのモードになったら周りの意見は聴かないから、それを信じてついて行くしかない。」というようなモードに周りを持って行くことができる。

 やはり世の中の大多数は丸い人なので、尖った世界を身をもって見せてくれる人や、一点突破にコミットできる感覚というのは非日常感があり、スリルがあって楽しい。そうした魅力で周りの協力を集められるようになり、一点突破の実現可能性が高まっていくのだと思う。「海賊王」でも「天下の大将軍」の物語でも、一人だと死んでしまうシーンがいくつもあるが、周囲の助けを得ながら切り抜けることで進んでいく。

こいつについて行けば本当にそんな世界が見られるかもしれない」と思わせられる人が、今後の未来を切り拓く人なんだと思う。

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