言葉の宝箱 0113【自分の負けを状況のせいにしている人は、いつまで経っても成長しない。反省をせず、勝っている人から学ばないから】

『彼女の色に届くまで』似鳥鶏（角川書店2017/3/29）

画廊の息子で幼い頃から画家を目指している
緑川礼は期待外れな高校生活を送っていた。
友人は筋肉マニアの変わり者一人。
美術展の公募にも落選続き、画家としての一歩も踏み出せず、
冴えない毎日だったが高校生活も半ばを過ぎた頃、
礼は学校の絵画損壊事件の犯人にされそうになる。
その窮地を救ってくれたのは無口で謎めいた同学年の美少女千坂桜。
千坂は有名絵画をヒントに事件の真相を解き明かし、
それから礼の日々は一変する。
礼は高校・芸大・社会人と天才的な美術センスを持つ
千坂と共に絵画にまつわる事件に巻き込まれていくことになる。
ルネ・マグリット『光の帝国』、
ジャクソン・ポロック『カット・アウト』、
パウル・クレー『グラス・ファサード』など有名絵画が多数登場
（カラー口絵付き）絵画をヒントに美術にまつわる事件の謎を解く。
「才能」をめぐる、ほろ苦く切ない青春×アートミステリ。

・どんな斬新な発想があっても、
それを他人に伝えるための努力と技術がなければ、
子供のたわごとと何の違いもない　P10

・最後まで描かないと経験値にならない　P142

・他人に対して「あいつはいいよな」と言い続ける心理。
他人の中に自分より恵まれているところを見つけては、
ああ自分はついていない、初期条件が悪すぎる、と嘆いてみせる（略）
これは一度嵌まると絶対に浮かび上がれなくなる危険な落とし穴だった。
自分の負けを状況のせいにしている人は、いつまで経っても成長しない。
反省をせず、勝っている人から学ばないから　P187

・今持っているものを駆使して前に進んでいる　P191

・お酒の話というのは、
とりわけ男性相手では安定して盛り上がる話題なのだ　P193