言葉の宝箱 1112【人間て悲しいのね、なんて言ってられるのは、傍観者だけだ。実際、その渦に入らなきゃならないヤツは、そんなこと言ってる暇なんてありゃしない】
『ボクの町』乃南アサ(新潮文庫2001/12/1)
警視庁城西署・霞台駅前交番に巡査見習いとして赴任した
高木聖大は研修初日から警察手帳に
彼女のプリクラを貼っていたことがバレるような、今風のドジな若者。
道案内、盗難届の処理、ケンカの仲裁などに追われるが、
失敗の連続でやる気をなくしていたが、
所轄の同期見習いが犯人追跡中に大ケガを負ったことで
俄然、職務に目覚める。聖大の成長を描いたポリス・コメディ。
・社会人になるということは、
自由と楽しみのすべてを失うことに違いないのだ P33
・職質の難しさはな、
話しかける方法よりも、会話を終わらせる方法にあるんだ P144
・自分が幸せなときには、人は寛容になるものだ P169
・人間て悲しいのね、なんて言ってられるのは、傍観者だけだ。
実際、その渦に入らなきゃならないヤツは、
そんなこと言ってる暇なんてありゃしない P295
・全部を自供した後の被疑者ってのは、
皆、すっきりしたいい顔をするんだ P297
・自分の価値観だけで物事を考えるようになるのって、
何だか怖いなあって、最近思うよ P344
・幽霊とか祟りとか、そういうの信じないの。
本当に怖いのは、生きてる人間の方よ P462