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しあわせの輪郭

からだにはドラマがある

すべての人のからだには

その人を包み込むような物語があると思う

その人が好きなもの、嫌いなもの

大好きことや、忘れられないこと

大切な想い出や

大切になんてしたくもない想い出も

ぜんぶ身体に詰まっている

その人の人生の時間がすこしみえたとき

僕は目が離せなくなる

友人のフォトグラファーのEBISUKE
知り合って15年くらいだと思う。
僕が出演していた舞台にEBISUKEがカメラマンとして来ていて知り合って、すぐに仲良くなった。それから一緒に写真を撮ったり、映像を作ったり、僕のダンスイベントのチラシやパンフレット、名刺まで作ってもらっている。(お世話になってます!)『dying message』とゆうのはEBISUKEが前にやった写真展のタイトルで、「表現者のパフォーマンスってのは、いつ死んでも後悔しないくらいに毎回毎回自分というものを詰め込んだメッセージなんだよ」というEBISUKEの煮えたぎる想いで、さまざまな職業の人達の一瞬を写真で切りとった写真展だった。僕の写真も展示してもらった。リアルで泥臭くてポジティブな、僕にとっても忘れられない写真展だ。会場設営でぐったりと疲れたEBISUKEの背中が忘れられない。なによりもEBISUKEの身体がdying messageだった。

EBISUKEとの作業はたのしい。

だれかの物語を
そっと大切にきりとる

EBISUKEの写真がすきだ。
だいたいふざけているけど、いいヤツだ。
IKKOさんのモノマネと料理が上手い。


写真をみていると身体が軽くなる

身体が軽いと、心も軽い

身体が重いと、心も重い

身体には想い出が詰まっている

身体は正直だ

ほんとうは嫌だったことも

ほんとうは嬉しかったことも

ぜんぶ知っている

身体に嘘はつけない

いつまでもみていたくなるような

想い出ばかりならいいのだけど

残念ながらそうではないので

力の限り想い出を美化する

踊りは一瞬で消える

写真は一瞬を残す

真逆なんだけど

共通してるのは一瞬の瞬発力

知らないあいだに

EBISUKEが撮っていた一枚

疲れているけど

こうゆうのがうれしい

身体に詰まっているたくさんの記憶

忘れられたら楽なのかもしれないけど

「忘れるわ。」で忘れられるのなら

そもそもいままでおぼえていない

時間は過ぎてゆく

たのしくてもかなしくても

過ぎてしまうんなら

どっちも味わいたい

おいしくて笑いたいし

まずくて笑いたい

でもひとりじゃ笑えない

あなたとたべるからおいしい

あなたとたべるからまずい

あなたと過ごしたおいしいや

あなたと過ごしたまずい

忘れられたおいしいやまずいが

なぜか忘れられない

想い出は時間と共に薄れてしまうから、目の前の一瞬一瞬を後悔しないくらい身体に詰め込みたい。想い出は、過去の自分から未来の自分へのメッセージだと思う。

EBISUKEとの撮影は深夜に行われる。
夜の街、夜の海、夜の公園を二人で徘徊する。身長180cmのロン毛とカメラを構えたdying messageが深夜にうろうろしている姿は、完全に怪しく、場に溶け込んでいない。僕は踊る。EBISUKEは撮る。一瞬の瞬発力が大切だ。そして、合間にどうでもいい話をする。これがなによりもたのしい。なにを話したのかは忘れてしまったけど、二人で笑ったことだけは覚えている。撮った写真をみてみる。

僕は目が離せなくなる

これからもどうでもいい話がたくさんしたい。

この写真のメッセージがいまだにわからない。





鈴木陽平(Dancer/Choreographer)

国内・海外問わず数多くの舞台に出演し、現在では映像作品・CMへの出演や振付・演出・舞台制作など活動は多岐に渡る

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