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聖書は、厨二病の巣窟である

私は個人的に古代ファンタジーが好きなので、やはり古事記など結構好きである。
あれは歴史書なのに序盤がほとんど神々の物語で、一体どこまでが神話なのか、そしてどこからが史実なのかの境界線が何とも曖昧なんだよね。
そこは、あまり真面目に考えすぎないのが大事です。
あくまでもファンタジー込みの世界観なんだから。

でも、これが「旧約聖書」になると話が全然変わってくるのよ。
あれも古事記同様、神話と史実とをミックスしたファンタジー系の歴史書なんだが、しかし位置づけが古事記とは違って絶対不可侵のバイブルとされてるのが少しややこしいところ。
たとえば創世記だと、神が土で自分に似せた人形を作ったのがアダム誕生(世界で最初の人間)のエピソードでしょ。
困ったことにキリスト教原理主義者は、「それこそが唯一無二の真実だ」とするスタンス。
ヒトはサルから進化したとするダーウィン進化論なんぞ、断じて認めないんだそうだ。
ちなみに米国の保守的地域では、今なお学校の理科の授業で進化論を取り扱ってないとのこと。
それどころか、進化論を教えた教師が告訴されたこともあるらしい。
いや~、宗教って怖いね。
つくづく古事記が日本の聖書でなくてよかったよ・・・。

進化論か、創造論か

で、皆さんは旧約聖書を読んだことあるかい?
私は少しだけ読んだんだけど、あれ、正直やばいね。
いわゆる電波系というのかな、物語の登場人物たちはみんな共通して、ある日突然「神の声」を聞いてるのよ。
普通、そんなのが聞こえたら急いで心療内科に行くべきだろうに、なぜか登場人物たちは厨二病っぽいキャラばかりで、その声に忠実に従うわけさ。
中でも一番酷いパターンだと、声は「息子を殺せ」と指示してきたりするのね。
その人は息子を心から愛してるもんだから当然葛藤するんだけど、なぜか最終的には殺すことを決断。
息子を切り刻むギリギリのところでSTOPの声がかかったのは救いだったにせよ、それにしたって、この人やっぱりおかしい。
さらにおかしいのは神様の方で、「ちゃんと殺そうとしたね、お前は偉いね」みたいなこと言って祝福してくるのね。
・・・私には、彼らの倫理観が全く理解できない。
一応、旧約聖書の中でも十戒として「人を殺してはならない」という項目はある。
とはいえ、異教徒を大量虐殺した人物が聖書の中ではまるで英雄のごとく描かれてるのもまた事実なんだ。
ある意味、こういうのは宗教戦争やテロを起こすことの免罪符になってないか?

古代イスラエル人は実力行使を厭わなかった。

さて、この旧約聖書が物語としてどういう締めくくり方をしてるかということだが、ぶっちゃけるとバッドエンドである。
なぜって、一時期はソロモン王の下で栄華を誇ったイスラエル王国も、最後には他国に攻撃されて滅亡しちゃったんだから。
国を失ったユダヤ人たちは皆嘆き悲しみ、それでもいつか必ず自分たちをこのドン底から救済してくれる「救世主」が現れるだろう、と妄想するようになったというのが物語の最終的なオチだ。
あまりにも終わり方に救いがないので、なんと続編の制作が決定(笑)。
それが「新約聖書」である。

皆が待ち望んでいた救世主がついに現れた!
その人の名はイエスキリスト。血統的にもソロモン王の末裔である。
ならば彼が王となりイスラエル王国を再興してくれるのか、とユダヤ人たちは期待したんだが、彼はちっとも政治的な動きをしない。
ただ弟子たちを連れて、流浪の旅をしているばかりである。
しかしローマ帝国側はイエスが民族独立運動の指導者、すなわち危険分子だと見て遂に捕らえてしまった。
すると最初はイエスが救世主だと期待してたユダヤ人たちも、それらしいことを最後までしなかった彼にムカついたのか、「処刑してしまえ」と罵倒する始末。
で、結局処刑執行。
その三日後、死んだはずのイエスが復活。
実は俺、神の子だったんだよ、テヘペロ、というのが新約聖書の最終的なオチである。
こんなヘンテコな物語が人類史上最大のベストセラーだという事実を私は理解に苦しむが、まあ小説としてはドンデン返し系の部類か。

旧約聖書では「神の声」を聞ける預言者がキーパーソンだったが、新約聖書では遂に「神の子」という実体が出てきたので、そりゃ後者の方が人気出るわけです。
これによってキリスト教は、新興宗教としてユダヤ教から分岐したのね。
残念ながらイエスには子供がいなかったので神の子の血脈はそこで途絶えたんだが、その点でいうと日本は恵まれている。
なんせ、天皇家という形で神の子の血脈(厳密には天孫、神の孫の血脈だけど)が今に至るまで受け継がれてるんだから。
これほど神に恵まれた国、おそらく世界でも類がないと思う。


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