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タロットの吊るされた男と現代人

吊るされた男について

タロットカードの中でも、ちょっと意味不明で不気味な絵柄です。逆さ吊りにされた男性は手と足を縛られているのにニコッと柔らかい笑顔。
逆さまなのに全然苦しそうには見えません。そして頭の後ろには後光が射しているように見えます。

他のカードと比べても絵をパッと見ただけでは、どんな意味が込められているのか分かりにくいです。

では、ここからカードについて解説していきましょう!

まず生命の木では23番目のパス。ヘブライ語でメム=水を指します。占星術では水のエレメントと対応しています。(水は感情、愛を指します)

ホドとゲブラーというセフィラを繋ぐパスなのですが、ホドは水星に対応しています。つまり思考、情報。ゲブラーは火星。こだわり、厳しい側面を表します。

まさしくこの、火星+水星+水のエレメントのムードが吊るされた男を理解するヒントになりますよ。


カードの解釈に戻りましょう。
中世イタリアの処刑として、罪人を逆さ吊りにする方法があったそうです。しかも頭は海面スレスレになるように高さを調節されていて、満潮になると溺れて死ぬという実に恐ろしいもの。
じわじわと海面が満ちてくるという精神的な恐怖。
ひと思いに殺されるより、死が近づく恐怖を味わわせることで追い詰められていく恐ろしさを感じさせます。

そんな吊るされた男。
ウェイト版では罪人というニュアンスは弱まり、優しい笑顔です。それはなぜでしょう?

それはね、吊るされた彼は気付いてしまったんです!!『見方を変えたら答え出たわww』ってね。


人生、こうあるべきという考え『思考=水星』と、こうあるべきという主張『こだわり=火星』によって感情的になって吊るされていた自分。

自分にとって当たり前すぎて疑いようのない『大大大前提』がくるっと逆さまになったとき、まさに目から鱗が落ちる体験をするんです。

前回の記事でもお話した

『女はこうあるべき』という前提。

でもそれって、他人からしたら全然『そんなことないんじゃない?』って価値観持たれてびっくりしたり。


大切なのは、外側からの刺激(吊るされた状態)を受け入れられるかがポイント。
自分の中の大前提って崩れるの怖いんです。だから他人から指摘されると『いやいやこの考え否定するとかマジないからww』ってなったら吊るされたままです。

吊るされた男の次に来るのは死神のカードです。
あなたにとっての大前提、当たり前が死んでいき、生まれ変わるための準備を始めます。

この死神のカードでちゃんと死ねないと、あなたはずっと生まれ変われません。実際に死ぬんじゃなくて、価値観が死ぬって意味です。

思い切り自分の殻をブッ壊さないと、新しい自分には会えないのです。

現代人は死ねない人、吊るされた人がたくさんいます。
親の価値観に縛られたひと。
恋人につらくあたるひと。
お金がないと不安なひと。
人間関係に不自由してるひと。

例えばお金がすごく大切だと信じている人がいたとします。お金がないと不安なのは、お金をもっていない自分に価値はないと思っていたり、ある程度お金を持っていれば安心だと教え込まれたのかもしれません。
たしかに生きていくためにお金は必要ですが、お金だけでは幸せになりません。
お金に囚われた生き方はお金に手綱を握られた人生になります。お金に集中しすぎて、身近な大切な人を失うひともいます。それは幸せでしょうか?
お金があるからいい、無いからダメだとか、分かりやすい基準になるから余計に過信します。

そこで吊るされてみて、死ねるかどうか?
タロットカードはそういう人間の心理を問うています。この深みがタロットカードの醍醐味です!面白い!!(よだれ)


あなたの当たり前は本当に当たり前でしょうか?
見方を変えたら状況は変わるかもしれません。

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