水路(2)
赤いベルベットのソファーに案内され、差し出された人工的な緑色のメロンソーダの液体が、炭酸水と混ざり切らず、グラスの中でぐにゃりと波打っていた。
「あ、ちょっと待ってね」
おじさんは冷凍庫からバニラアイスを取り出して、そのメロンソーダに乗せてくれた。
「炭酸を飲むと骨が溶けるから小さい子は飲んじゃダメ」と母からきつく言われていた。
しかし
遊び疲れて喉が渇いていたのと、その宝石のように輝くエメラルドグリーンに見とれ、母の訓戒を忘れストローから口に含む。
甘かった。けど、痛かった。
ここから先は
2,784字
/
3画像
¥ 100
読んでいただきありがとうございました。これをご縁に、あなたのところへも逢いに行きたいです。導かれるように。