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感性を育むこと センス・オブ・ワンダー

花や植物が美しい季節。近所を少し散歩するだけでも美しい自然や景色に出会え、とても心を満たしてくれます。

近所の公園

人生を豊かにするために、そんな感性を子供
たちに持ってほしい。
今回はそのような話です。

『The Sence of Wonder』
レイチェル・カーソン

彼女は、アメリカのベストセラー作家であり、海洋生物学者。特に1962年に出版された著書『沈黙の春』で知られています。農薬散布の問題をきっかけに環境汚染・破壊の実態を世に先駆けて告発し、戦い、地球環境への人々の発想を大きく変えることとなりました。

そして、癌に侵されながら最後に世の中に残した本。それが『The Sence of Wonder(センス・オブ・ワンダー)』です。
1才の甥のロジャーと森と海、自然を探求した素敵な物語。

「子供たちの世界は、いつも生き生きして新鮮で美しく、驚きと感激に満ち溢れています」
「もしも、わたしが全ての子どもの成長を見守る妖精に話しかける力をもっていたら、世界中の子どもに「センス オブ ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けてほしいと頼むでしょう」
「この感性は、やがて大人になるとやってくる怠惰と幻滅、わたしたちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する変わらぬ解毒剤になるのです」

The Sence of Wonder

自然にふれる喜び

そして、本書で最後に『自然にふれる喜び』について語っています。

「人間を超えた存在を意識し、おそれ、驚嘆する感性を育み強めていくことは、永続的で意義深い何かがあると信じています」
「地球の美しさと神秘を感じとれる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう」
「地球の美しさについて深く思いをめぐらせる人は、生命の終わりの瞬間まで、生き生きとした精神力を保ち続けることができるでしょう」

The Sence of Wonder

「生命と宇宙の神秘を限りなく愛すること」
「自然にふれるという終わりのない喜び」
「この先に何かがあるのかという限りない
 好奇心」

人生を美しく豊かにするものとしてこれらを
語り、本書を締めくくっています。

最後に

教育論として有名な古典的名著、ジャン・ジャック・ルソー『エミール』でも幼少期には自然のなかで感性と感情を育む教育を推奨しています。こちらもとても良い本です。

私は父母が登山好きだったため、物心付くときから山に登っていました。
満天の星空、アルプスの景色、高山植物、沢の音、森の匂い、目を閉じると当時の感覚・感動が浮かんできます。
その感情・感性が今の自分のベースとなっています。改めて、そのような環境を与えてくれた父と母に感謝したいと思います。

情報があふれる現在の社会において、私たちがそのような感覚を持つこと、子供たちにその機会を与えることが必要と改めて思います。

実際に目で見て、触って、聞いて、匂いを嗅いで、地球の美しさを子供たちに感じてほしい。
わたしも人生の最後まで、この地球の美しさを味わいたいと思います。

センス・オブ・ワンダー。
とても薄く読みやすく、そして幸せな気持ちになれる本です。

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