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選択肢を多くもつことの強さ

選択肢の力

仕事で「交渉をする際のポイントは」、そんな話をしていたとき自然とでてきた「選択肢を多くもつこと」。
今回は、それについて考え、言語化したいと思います。
選択肢は、仕事においてもプライベートにおいても
「安心や自由、自分の可能性を生む力がある」、そう思っています。

思想の選択肢を持つこと

30歳を過ぎてから、哲学の本を多く読むようになりました。きっかけは、渋沢栄一さんの「論語と算盤」だったような。それから孔子を知り、孟子を知り、孫子、老子・荘子、韓非子など読み漁りました。東洋哲学を知ることで、西洋哲学を知り、ソクラテスからはじまる西洋思想の長い階段を追ってきました。(岩波文庫はおすすめです)

すべての人間のうち、英知すなわち哲学のために時間を使うものだけがゆとりある人であり、真に生きている人である。彼らは自分の人生を立派に守るだけでは飽き足らず、あらゆる時代を自分の人生に付け加える。過去の収穫物はすべて彼らの貯蔵庫に蓄積される。忘恩の徒でもないかぎり、これら尊い思想を築いてくれた偉人たちは、われわれのために生まれ、われわれのために生き方を描いてくれたのだと考えざるを得ない。
セネカ

科学者を含め、哲学者たちはいろいろなことを残してくれました。
普段から哲学・思想の選択肢を薬のように使っています。少しつらいときはストア派を読み気持ちをコントロール、気持ちが弱くなってきたときはニーチェを読み力をもらい、落ち込んだときはエピクテトスやヴィクトールフランクルに励ましてもらったり。少し気持ちが強くなりすぎたときには仏教や菜根譚で心を洗ってみたり。
「思想の選択肢をもつことで、心を守り、コントロールすることができる」
過去の偉人たちはいろいろなことを教えてくれます。

趣味・コミュニティにおける選択肢

日々走っていますが、ケガをすることも多くあります。最近も足の甲を痛めて走ることができませんでした。そのようなとき、自転車、登山・バックカントリー、読書などの趣味があれば助けてくれます。
そして、コミュニティ。例えば会社が嫌になっても、それ以外の趣味や違うコミュニティの友達がいれば救われます。さらに転職・フリーランスの選択肢があればその会社をやめることもできます。そのような強さを選択肢はもっていると思います。
TJARのときも、装備において、ストックシェルターとドームシェルターの選択肢をもっておくことで台風を乗り越えることができました。山のエスケープルートも選択肢のひとつ。

選択肢を数字のイメージで考えてみる

あくまでもイメージですが、ある一定の分野で10の能力があるAさんと、平均的に2の能力があるBさんがいると仮定します。
Aさんの得意な分野で考えた時、AさんとBさんを比較すると以下のようになります。

Aさん:能力10×1分野=10点
Bさん:能力  2×1分野=  2点
→ A>>B、当然ながらAさんの圧勝

これが仮に、Bさんは、ひとつの能力がAさんに劣るとしても、発揮できる分野が4分野あるとします。

Aさん:10点(同上)
Bさん:能力2×能力2×能力2×能力2=16点
→ A<<B、Bさんのほうが上回ります。

Aさんはプロ・エキスパートに近いモデル、Bさんは普通の人に近いモデルと思います。プロ・エキスパートの人は、10を50,100にしてその数字の高さを競う人たち。やはりこれは物凄い努力が必要でリスペクトいたします。
ただ、普通の人も選択肢をもつことでこのモデル上、同じ価値があると思います。さらに、副産物として分野の幅が広がることで可能性が広がり、リスクを分散することで安心も得られます。
これが最初に書いた、
選択肢をもつことで「安心や自由、自分の可能性を生む力がある」
ということの整理です。
さらに、Σ 能力×分野には、無限のパターンが存在し、それが個性・多様性と思います。

それはその人にしかない色。

一人一人が尊重されるべきであるのはこのモデルが教えてくれます。
さまざまな色でこの国・世界が満たされ、お互いが尊重できる世の中になるといいなと思います。


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