暁 夜花

これは端切れ。これは千切れ。 喉をせり上がった衝動の沼を、吐露の小話に。 吐いて捨てる…

暁 夜花

これは端切れ。これは千切れ。 喉をせり上がった衝動の沼を、吐露の小話に。 吐いて捨てるほどある衝動語りに足を止めたならば、それはきっと、糸車の縁。

マガジン

  • 【戯れシリーズ】

    アナタたちの選択によって物語がほんのすこし分岐する戯れ。その保管箱。……嗚呼、そうそう、表現に気を遣っているつもりだけれど、 【成人していない子供はだめよ?】

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最初のネガイ

 こんにちは、初めまして。どこかでお会いしたかしら? ●はい ●いいえ  ……なんて、ね。冗談よ。冗談。半分だけ、ね。  答えてみたかったかしら?もしそうだったなら、ワタシはとても嬉しいわ。だって、そういう戯れを創りたいと思ったの。私はコトバでしか物語ることができないから。ワタシが書いて、あなたが起こす小さな行動を数え集め、気紛れに呼応したワタシが続きを書く、とか。    シンプルに戯れたい。でも、至高を生んでも値札をつけられない。  だって、私はあなたの千円札の重さを知らな

    • 【アプリコット影踏み】で衣装描写を間違えていることに気付かされたワタシは、穴を掘って温泉に入りたい気分。笑うところよ?どこどこと間違い探しをして戯れるところよ?

      • 【昔むかしのワスレモノ】

         放課後のホームルームが終わると、保健室へ駆ける少女。ブラウスの襟元を飾る大きな赤いリボンと、アプリコットピンクのニットカーディガンは、少女のトレードマーク。無垢で心を解す永遠の春色。肩口で切りそろえた髪に細い編み込みを入れ始めたのは、メイクに代わる細やかなお洒落。 「先生!御子柴君は起きてますか?うん、いつものお迎えです!」  分厚いカーテンの向こう。寝息を立てている少年はもぞりと動いて真っ白な掛布団の中へと潜った。まだ眠っていたいのだろうか。  少女はそんな少年の事情

        • 寝かせた下書きを磨くことも、「書くこと」。向き合った数だけ、透明の頁は増えていく。

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        最初のネガイ

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        • 寝かせた下書きを磨くことも、「書くこと」。向き合った数だけ、透明の頁は増えていく。

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        • 【戯れシリーズ】
          39本

        記事

          【〜戯れ交叉〜眠れぬ乙女たちの夢】

          ーー ーーーー  ふわふわと、森の中を歩いている  陽が少し差し込んで朝靄を照らす、朝の森  陽に手を伸ばすと金色の鎖が手に収まる  これはなぁにと視線を下ろすと  泥だらけの水溜りの中に青い口紅の女の子  灰色の髪は水に濡れたところから黒くなる  ああそうだ!わかったよ  夢の中の誰かはそう思って  女の子に鎖を振り下ろした  二人とも泥だらけの水溜り  両腕を頭の上で金の鎖に縛られた女の子  口の青い汚れを拭ったら綺麗な赤い唇  顔を真っ赤にして恥ずかしがった

          【〜戯れ交叉〜眠れぬ乙女たちの夢】

          【〜戯れ交叉〜アプリコットの影踏み】

            「マリさん、大人だったなぁ……」  手首に触れた細くて強い指。  気にかけてくれる甘くて少し危険な眼差し。  大人可愛い金色のメタリック腕時計。  さらっとお酒を頼んでクイッと飲めてしまう。  ほろ酔いのはずなのに全然酔ってなくてはっきりと私を見て話せる。  私とあんまり背丈は変わらないのに、私よりずっと背が高く見える。  すごく……すごく……  どきっとしたんだ。 「もう少しだけ、一緒にいたかったな」  どうしたらもっと会話できるかな。  まずは相手を知ることか

          【〜戯れ交叉〜アプリコットの影踏み】

          【wonder wonder reminisce】

           これは全ての幕間。アナタが見聞きする確かな夢。  カラララ カラカラカラ カララララ  その広間は、厳かな黒。遥か高い天井から吊られた豪奢なシャンデリアの煌きよりも、夜星の瞬きのほうが明るい、静かな黒。  その広間は、冷たい石。悪戯好きの猫が寝転んで寛げると聞けば、大理石かもしれない。そう見せかけた、古い煉瓦かもしれない。  いずれにせよ、厳かで静かで冷たい、黒の場所だ。世界にワスレられた岩の牢獄か、世界から解き放たれた自由な夢城か。そこに居る者らに尋ねてみるとしよう。

          【wonder wonder reminisce】

          残骸のように積み上がる、未発表の群。枷の名前を考えるーー『考えすぎ』。名無夜が語った出来事を暁の作品として刻むべきと力強く言ってくれたアナタたちへ、ありがとう。

          残骸のように積み上がる、未発表の群。枷の名前を考えるーー『考えすぎ』。名無夜が語った出来事を暁の作品として刻むべきと力強く言ってくれたアナタたちへ、ありがとう。

          【〜戯れ交叉~orchidノ夜道2】

           当たり前のように並んで歩くのは、仕事では組んで動くことが多いから何とも思わないけれど、私服だと視線が落ちる自覚とか、そういうのは言わない考えない。 「山田さん覚えてますか?お巡りさんの」 「あー、落とし物届けたときに応対してくれたイタチャリの」 「その人の実家が焼鳥屋なんです」 「へえ……。ってお前そういう情報をどこで仕入れてくるんだよ」 「たまたま入ったら推し活の現場だったんです。……あ、そこの左にある赤い暖簾です」 「おおよっしゃ!さっきから炭火の良い匂いがすると思っ

          【〜戯れ交叉~orchidノ夜道2】

          考え中、あるいはよもや、悩み中。 快楽の表現。子どもたちのための境界線。 大丈夫よ。噺だけなら堆く積まれているから。

          考え中、あるいはよもや、悩み中。 快楽の表現。子どもたちのための境界線。 大丈夫よ。噺だけなら堆く積まれているから。

          小さな備忘録。現に生きると現を創れない。夢見の狭間から現を夢見て初めて現を創れる。

          小さな備忘録。現に生きると現を創れない。夢見の狭間から現を夢見て初めて現を創れる。

          【〜戯れ交叉~orchidノ夜道1】

          「ごちそうさまでした。……それじゃ、また」  ラムコークの入った空のグラスを少し奥に押して、残した挨拶は、一応ふたり分。まあ、自己満足だけど。  ドアベルの音を後ろに残して、顔に吹き付ける風はまだ冬には遠いけれどどこか冷たい。気のせいかな都会ほどそう思う。 「……パーカー、か」  初対面が職場のスーツ姿だっただけに、曲線が増えたカジュアル姿は声音以上にものをよく語る、というのはカッコつけた心の独り言。襟をいじったときに見えた温度は……、やめよう。彼女はビジネスパートナー

          【〜戯れ交叉~orchidノ夜道1】

          【〜ぷちたわ〜アプリコットバター】

          【〜ぷちたわ〜アプリコットバター】

          あら、あら、何て愉しい偶然。ええ偶然よ?投下タイミングまでは打ちあわせていないわ?ワタシの「アプリコットの名刺」→ハイドラさんの「ブライズメイド」の順で読むとあら不思議、時系列ぴったり。嗚呼、こういうことがあるから紡ぎ語りの中毒性たるや、よ。

          あら、あら、何て愉しい偶然。ええ偶然よ?投下タイミングまでは打ちあわせていないわ?ワタシの「アプリコットの名刺」→ハイドラさんの「ブライズメイド」の順で読むとあら不思議、時系列ぴったり。嗚呼、こういうことがあるから紡ぎ語りの中毒性たるや、よ。

          【~戯れ交叉〜アプリコットの名刺】

           今日も、メールボックスに欲しい名前がいない。  蘭も、御子柴悠も、ミコシーも。  オフちゃん越しにリアル近況はいつでもわかる。  ミコシーのSNSはそんなに更新されないから、  情報収集には使えない。  こっちからのアプローチは…………。  …………退屈。  描く題材も家事も山積みなのに。  あんなに執着したティーパーティドレスとラプンツェルの口紅も、  何度袖を通しても楽しくなれn――― 「ああもうダメダメ!ネガティブすぎるよ杏子!」  平日のダイニングルー

          【~戯れ交叉〜アプリコットの名刺】

          其ハ、○トΧノ恋歌

          銀天の煌めきを画用紙いっぱいにクレヨンで塗る。 ぐちゃぐちゃに、たくさんの夜の色を塗りたくった。  それが最初の一枚。破いて捨ててしまった。 夜空の色は何色? 問うても問うても、お星さまはなにも答えてくれない。学校の先生も、答えてくれない。 それがとても悲しくて、寂しくて、ゴミ箱に捨てたくしゃくしゃのクレヨンまみれの紙を拾い上げた。 「感受性が豊かな子ですから」 「きっと心のなかでお友達とたくさん話しているだけです」 「物静かですが、教室ではきちんと生活していますから

          其ハ、○トΧノ恋歌