【〜戯れ交叉~orchidノ夜道2】
当たり前のように並んで歩くのは、仕事では組んで動くことが多いから何とも思わないけれど、私服だと視線が落ちる自覚とか、そういうのは言わない考えない。
「山田さん覚えてますか?お巡りさんの」
「あー、落とし物届けたときに応対してくれたイタチャリの」
「その人の実家が焼鳥屋なんです」
「へえ……。ってお前そういう情報をどこで仕入れてくるんだよ」
「たまたま入ったら推し活の現場だったんです。……あ、そこの左にある赤い暖簾です」
「おおよっしゃ!さっきから炭火の良い匂いがすると思っ