最初のネガイ
こんにちは、初めまして。どこかでお会いしたかしら?
●はい
●いいえ
……なんて、ね。冗談よ。冗談。半分だけ、ね。
答えてみたかったかしら?もしそうだったなら、ワタシはとても嬉しいわ。だって、そういう戯れを創りたいと思ったの。私はコトバでしか物語ることができないから。ワタシが書いて、あなたが起こす小さな行動を数え集め、気紛れに呼応したワタシが続きを書く、とか。
シンプルに戯れたい。でも、至高を生んでも値札をつけられない。
だって、私はあなたの千円札の重さを知らないもの。
だから、あなたが好きなときにこの白紙の値札に書いて渡して頂戴?
どんなルールの何を創るのか、と?……ふふ、ノープラン。ただ、子供には目隠しをする夜ノ花語りになると思うわ。ここに綴る断片は、ワタシの衝動や慟哭、夢の記録。――暗い?怖い?それなら無理をして付き合うことはないわ。世界が望むのは常に陽光が祝福するハッピーエンドよ。もちろん、ワタシも月夜の中であなたの幸を望んでいるわ。
そんな語り部が、からからと糸車を回して紡ぐ処。
気向きしてくださった暁には――――戯れましょう?
これが白紙の値札。いつでも、もちろん0円でも構わないわ。ワタシの紡ぎに触れたあなたの価値観を知ることができたら、それで満足よ。大切なのは、戯れを愉しむこと。もしいただいたら、紡ぐ為の電気代と紙代と……そうね、珈琲代かしら。