かもめ

書店のパート店員。二児の母。 日々思うことや、本の感想など。

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最近の記事

世界の見え方

今はもうだいぶ薄れてしまったように思うけれど、幼い頃の私は、数字に色とかキャラクターみたいなものを感じていた。 1は白で 2はオレンジ、4は女の子。5は茶色でそして、男の子。9は紫で、所謂オネエ的な感じのキャラ、、という具合に。 数字が組み合わさると 色も同じように混ざり合うので、33を見れば、真っ白な雪みたいだなぁと思うし、2のオレンジと6の群青色がグラデーションになって、マジックアワーの綺麗な空が浮かぶから 26という数字は、とても好き。 こういうのを一般的には、共感

    • 魔法は自分でかけるから

      小学生の頃、新聞の広告チラシを見るのが好きだった。 土曜日の朝刊には、新聞よりも分厚い広告が挟まっている。 母が見向きもせずに横に避けたその束を私はうきうきとしながら一枚ずつめくっては広げていた。 電気屋さんに家具屋さん、百貨店などのチラシの中でお気に入りをみつけると、それを手に入れた自分を想像する。もちろん買ってもらえるはずもなかったので、当時の私はその妄想を趣味として楽しんでいた。 中でも大好きだったのが、家のチラシだった。 中古物件情報の一覧のような、カサカサとした一

      • 赤い靴が履けない話

        私の職場にはきちんとした制服というものがない。 けれど決まりはあるのです。 上は白の襟付きのもので、下は基本的には黒のパンツかスカート。 会社から支給されるわけではなく、個々にそれを用意して着用しているので、傍目から見れば制服だけど実は私服、けれどプライベートでそれを好んで着るわけでもないのでいわゆる仕事着です。 って、別にそこに関して不満があるわけではなくて。 さっき言った「基本的には」この言葉って結構曖昧だよなぁって思うわけなのですよ。 個人の受け取り方の問題でもあるわ

        • その愛は絶望か、希望か。

          何度も書店で手にとっては結局戻してしまっていた、「彼女がその名を知らない鳥たち」を友達からおすすめされて、漸く読んだ。 読み始めると止まらなくなってほとんど一気に読んだんだけども、それまで結構淡々と読み進めていたのに本当に最後の最後、残り一ページってところで突如せつなさに襲われて、号泣してしまった。 「えっ、そんな終わり方するん?!」と、なんとなく予想してた結末とはまったく違う、まるでいきなり殴りかかられたような気持ち。 陣治の抱えていた壊れそうな日々のことを、彼の気持

        世界の見え方

          愛がなんだ

          映画のタイトルが、どこかで聞いたことあるなーと思っていたら、原作が角田光代さんの小説だったのだと本屋さんで気づいた。 ──プラスの部分を好ましいと思い誰かを好きになったのならば、嫌いになるのなんかかんたんだ──かっこよくないことを、そういう全部を好きだと思ってしまったら、嫌いになるということなんて、たぶん永遠にない。 これが恋人同士なら、深い愛情だなと思うんだけれど、テルコとマモちゃんの間にあるものは恋愛じゃない。 マモちゃんにとってテルコは都合のいい女であるのに対して

          愛がなんだ

          居場所はひとつじゃなくていい

          今春、次男が小学校に入学しました。 同じ幼稚園の子や、近所の子たちともクラスが離れてしまったのだけど、今のところ泣いたり嫌がることもなく楽しそうに通っていて、私も少しホッとしてます。 性格もやっぱりあるのかな、長男が入学したときは、毎朝嫌がり学校でもちょっとのことで泣いたりしていたみたいなので、私も不安が大きかったし自分の子供の頃を思い出して一緒に寂しくなってました(笑) 環境が変化することが苦手なので、4月が一番辛い、というか怖い。今よりさらに消極的だった子供の頃の私

          居場所はひとつじゃなくていい

          お守りのような、呪文のような。

          心に響く言葉、との出合い。 今月号の雑誌&Premiumの見出しを、書店で目にしてすぐに手に取ってしまった。最近はあまり雑誌を買わないことにしていたのだけど、パラパラとページをめくってすぐに閉じ、レジへ直行。家でじっくり読むことにした。 俳優や作家、ミュージシャン、その他にもいろんなジャンルで活躍されている方たちの大切にしている言葉たち。誰かに言われた言葉や映画、小説、歌詞、さまざまな言葉たちが並んでいておもしろい。 これが多分、偉人たちの名言特集とかだったら購入にはい

          お守りのような、呪文のような。

          とりあえず、やってみる。

          最近、ようやく自分が飽き性なのだと気がついた。 いや本当は前から薄々気がついてはいたのだけれど。 私は好奇心旺盛な方でもないし、行動力があるとはとても言えない性格なので、何かを始めるまでには結構時間がかかるタイプだと思う。 それなのに、持続性もない。 三日坊主とまではいかないまでも、ある程度日が経つと最初の勢いとは明らかに熱量が下がって、ある日突然停止してしまう。(学生の頃、新しいノートを使い始める時のやたらと背筋の伸びた感のあるよそ行きの字が、途中から崩れ始めるあの

          とりあえず、やってみる。