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寿司インドネシアを食べながら、インドネシア愛を語る

そろそろ滞在1ヶ月になるので、という理由でもないが、モールで寿司とラーメンを食べた。Ichiban Sushiである。Aさんからは寿司ならばSushi Teiがいいと言われたが、子どもが好きなのはIchiban Sushiだとのことで、よりポピュラーであろうIchiban Sushiに行くことにした。

もとより1ヶ月程度では日本料理を食べたいと思ったことはまったくないし、海外の日本料理を食べて日本で食べるものとの違いをことさら指摘して喜ぶような趣味も持ち合わせていない。もしそこに何かを読み取ろうとするのであれば、ある種の文化変容である。寿司なりラーメンなりの日本料理がインドネシアという国に受け入れられて一般化していく中で、多くの人々に受け入れられるべくインドネシア化していくわけであるが、それがどのようなものかに関心がある。と言いつつも、単に空腹を満たすために入っただけである。色々とメニューをめくりながら、寿司とラーメンと注文した。

寿司は握りもあるのだが、どうやら推しはSushi Rollである。種類も多く、メニューの最初に出てくる寿司である。寿司ロール、すなわち巻き寿司であるが、巻き寿司ではない。海苔で巻かれているわけではない。頼んだのはドラゴン・ロールである。うなぎが食べたかったからである。日本では高くてなかなか手が出ないので、海外に行った時には食べるようにしている。中国でもカンボジアでもリーズナブルな値段で食べることができた。その経験もあってか今回もうなぎの寿司を注文したわけである。後で調べてみるとアメリカでは寿司のメニューでは一般的なものらしい。うなぎとアボガドとサーモンの皮を揚げたものと天かすと黒胡麻と書いてあっただろうか。うなぎが乗せられた寿司とアボガドとマヨネーズが乗せられた寿司とが交互に並べられている。天かすのサクサクした感触を楽しみながら、組み合わせを楽しむ。米は日本で提供されるものとさほど違わないもので酢飯でもあった。味は比較的薄味なので、インドネシア人にどれだけ受けるのかはわからなかったが、アボガドとマヨネーズと鮭の皮と天かすとご飯という組み合わせは受け入れやすいのであろう。美味しかった。

ラーメンはサッポロ・スパイシー・ラーメンを選んだ。鶏胸肉のボイルしたものがラーメンの上に乗せられて出てくる。ゆで卵とナルトが入っている。唐辛子のスパイシーさが強く、スープ自体の味はあまりちゃんと味わえなかったが、美味しいラーメンであった。メニューを見ていると、ラーメンは、色々とトッピングを変えてその違いを楽しむようだ。ラーメンそのものというより、トッピングとラーメンとを楽しむものなのだろうか。インドネシア人が何を魅力と感じてラーメンと食べているのかがわかっていないのでなんともいえない。おいおい理解できればと思う。

インドネシア料理のレシピというか作り方を見ていると、何種類かの唐辛子や何種類かの生姜を加える点、火を通す時に油で揚げる行程を必ずといっていいほど入れる点が特徴だと思える。それは、それぞれの唐辛子の味・辛さ・香りやそれぞれの生姜の味や香りの違いを区別しているということである。揚げの行程は、コクを出すためなのか、強く火入れするためなのか、なにかあるのであろう。我々はどうしても身体のことを考えて油の量を減らしたいと思ってしまうし、実際に自分が料理する時には、少なめの油で火を通してしまうのであるが、そうしてできたものは、インドネシア人からすると味の違うものになっているのかもしれない。味覚の違いというか、美味しさをどういう基準で評価するかの違いだと思っている。

寿司で言えば、米や魚の素材の質をできるだけ高めて、最低限手を加えたものを通して素材を味わおうとする日本人とは尺度が違うのだと思う。ラーメンも麺そのものやスープの個性を際立たせる方向を指向する日本人とは評価の軸が違うのだと思う。

唐辛子から作るサンバルを、単に辛いとしか理解できない日本人は貧しさの極致にいるのだと思いながら、辛いサンバルを自ら作り食べ続けることが、理解につながると思っている。240914

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