M-1グランプリの決勝を観覧席で見たときの話
お疲れさまです。
芸人さんが大好きです。
さて表題の件。
結論から言うと、
「もう二度と観覧席で見たくない」
理由は、
「吐くかと思ったから」
毎年テレビ朝日のスタジオで開催される決勝。
私もある年に観覧席で見させて頂きましたが、
あの場以上の緊張感はこの世にないと思いました。
笑う場ではない。
そこは戦う場でした。
観客たちは始まる前から顔が引きつりっぱなし。
とても笑える精神状態ではありません。
しかし誰かがこの場を笑える状態に変えなければいけません。
それは決勝一組目のコンビではありません。
前説芸人なのです。
ただあんな空気を和ませられる芸人なんていないわけです。
どんな漫才師だって無理です。
かつてのM-1チャンピオンでも無理だと感じます。
だって見てる側はもれなく全員吐きそうなのです。
トイレの位置確認し、
「いざとなったらあのルートでトイレに行こう」
「トイレまで30秒くらいか」
「オンエア始まる前に吐きに行っておいたほうがいいか?」
などと考えているのです。
こんな空気の中でどんな前説芸人が出てきたと思いますか?
それは…
くまだまさしさんでした。
M-1の観覧席に座っている客は、
舞台に立つ芸人にとって言語の通じない外国人客と一緒。
今にも吐きそうな状態ですから…
そこで外国人にもウケる数少ないジャパニーズコメディアン、
くまだまさしさんが選ばれたのです。
あの状態で見るくまだまさしさんのネタ…
最高でした。
これこそが「緊張と緩和」だと思いました。
今から人生を変えるM-1が始まるっていうのに、
「くぅ〜まぁ〜だぁ〜まさしぃ〜のぉ!」
と始まったところを想像してみてください。
爆笑です。
「どこで何してんねん!」
心の中でツッコんでしまいます。
そこから会場が和み、笑える状態に変わっていく。
M-1の前説ほど荷が重い役割はないと思いますが、
堂々と笑いをとって帰っていくくまださんの背中…
かっこよすぎました。
ただそれでもまだちょっとカタイ。
そんな空気を変えようとする人はまだいます。
それが…
司会の今田さん。
そして審査員の松本さん。
M-1グランプリはたくさんCMが挟まりますが、
その間に松本さんや今田さんが必死に客を笑わせるのです。
テレビでは映らないところで、
出場者たちが力を発揮できるよう先輩が地ならししているんです。
松本さんや今田さんのボケに笑いながら
観客たちはさらに和んでいく。
そこで初めて決勝一組目のコンビが登場するのです。
正直に言うとそれでも吐き気はまだ消えてないです。
でもなんとか笑える状態にはなっていました。
そこからはもう本当にあっという間。
決勝戦・最終決戦が怒涛に繰り広げられ、
涙しながら会場を後にしました。
本当に素晴らしい一日でした。
だからこそ愛の言葉を贈りたいと思います。
「M-1を二度と観覧席で見たくない」
M-1最高!
お笑い界に少しでも貢献できるよう書き続けて参ります。もし応援してくださるお気持ちがあれば、心から感謝申し上げます。