<第2回社内座談会>社内外コミュニケーションで気を付けていること
日本とフィリピンの2拠点で活動しているソフトウェア開発会社のYNSです。
第2回目となる今回の座談会では、テーマを「社内外コミュニケーションで気を付けていること」とし、プロジェクトマネージャー(以下、PM)として経験豊富な3名に語っていただきました。
お客様とよりよい関係を築くために
― まずは社外コミュニケーションにおいて工夫していることをお聞かせください。事前のアンケートでは皆さん共通して、お客様それぞれに寄り添った対応をされていることや、”伝える”ではなく”伝わる”ことを重視されていることが分かりました。
(Masami)私は人に強く言うのが苦手で、社内でも社外でも、求められたことにNOと言えない面があります。前職では優秀なPMほど、お客様から「これやってくれませんか?」といったご相談に対して「それは契約外です」とお断りしていました。そういう対応ができるほうが大規模な案件に強いんだろうなと思いながらも、自分の強みを生かすために、社内ならいかにメンバーに主体的に動いてもらうか、お客様とならどうすればよりよい関係を築けるかを意識したコミュニケーションを取っています。SekiguchiさんはNOと言えるタイプですか?
(Sekiguchi)そうですね。前職では客先常駐が多かったのですが、進んで嫌われ役を引き受けていました。お客様から「あの人にこの内容で注意してもらませんか?」というご相談があれば、タイミングを見て伝えていました。外部の人間が伝えることで、お客様同士が波風を立てないで済むようにし、その結果業務が円滑に進むようにしていました。
オンラインだからこそ、正確な伝達がより重要に
― お客様によって社内事情やITリテラシーが異なる中、どのような点に気を付けていますか?
(Ogoshi)お客様独自の社内用語や業界用語には気を付けていますね。一つの用語に複数の意味があるケースもあります。そのような場合はあえて別の専門用語を定義して、お客様と共通理解を持つようにしています。
(Sekiguchi)私も要件定義の段階で用語集を作成することがあります。新しい用語が出る都度、意味を確認しながら用語集を更新しますが、オンラインが基本になった今、お客様のニュアンスや空気感を汲み取るのが難しくなりましたね。
(Ogoshi)表情など非言語から読み取れる情報は多いですよね。お客様が一瞬でも難しそうな顔をされたら、伝わっていないかもと考えたり。
(Sekiguchi)あとは行動でも、うなずいているのか、上を向いているのか、顔を触っているのかで伝わったかを推測できました。けれど最近、特にカメラオフの会議ではそのサインが分かりづらいので、なるべく専門用語を使わずに、共通認識をもった言葉で話すようにしています。
(Ogoshi)オンラインでは、いかに正しく的確に伝わるか、という技術がより大事になってきますね。
(Masami)オンラインが基本になったからこそ、オフラインで会う価値が見直されてきていますね。もちろんお客様がよろしければですが、ここぞというときには対面でお会いしたいです。
一人の人間として認め合う
― 次は社内について。メンバーの士気を高めるために工夫されていることをお聞かせください。事前のアンケートでは「一対一」「自主性」「声がけ」といったキーワードが挙がりましたが、皆さんは社内においても画一的な対応を行わずに、一人ひとりに配慮したケアを行っていると感じました。
(Sekiguchi)私は上司や部下である前に、一人の人間として認めることが何より大切だと思っています。そうあろうとするだけで、叱る必要がでた場合のやり方も変わってくると思います。「認める・褒める・任せる」この3つを中心に接しています。
(Masami)叱るときに気を付けていることはありますか?
(Sekiguchi)必ず一対一の時に行うようにしています。人前で注意すると、どうしても恥をかかされたと思ってしまうので。また、誰かが100%悪いということはなくて、いい部分も絶対あるので、「ここはできてたよね、けどこの部分は違ったね」など、相手を理解したうえで次からの行動を変えてもらえるような伝え方を工夫しています。
(Ogoshi)フィリピン人も、恥に対して日本と同じ感覚を持っています。例えば友人の家で食事に招かれたとき、家の方が食べ始めるまで一切手を付けませんし、食事の前にちゃんとお祈りをするなど、体面を非常に気にする部分があります。なので私もSekiguchiさん同様、個別に話すケースが多いですね。あとはYNSなら評価面談が半年に一度ありますが、半年だとスパンが長いので、こまめにフィードバックする機会を持つようにしています。
支えながら、任せる
(Ogoshi)以前、案件が立て込んだ時に、フィリピン側で複数名のリーダーを立てて、彼・彼女らにマネジメントを任せたことがあります。結果、社内のコミュニケーション不足が減って、各案件を円滑に進行することができました。
(Sekiguchi)それまで彼らはリーダー未経験だったんですか?
(Ogoshi)はい。当時はやむを得ない事情もあって、いきなり任せました。ただ丸投げにならないように、常に会議に同席するなど、疑問や不安があればいつでも質問を受けれるようにしていました。本件に限らず仕事を引き継ぐ場合は、後任の方がいかにスムーズに業務を行えるかを考えています。
日本語特有の課題を減らすために
(Masami)オフショア開発会社のコミュニケーションと言えば、日本とフィリピン間について考えがちですが、実は日本側、特に私たちの部下とのコミュニケーションがより重要なんじゃないかと感じています。日本側は人数が少ないからこそ、本音で語れる間柄でないといい方向に行かない気がします。
(Sekiguchi)同感です。でも難しさもあります。それぞれ年代も考え方も違うので。
私はここで「相手の利益になる話し方をする」を挙げたいです。話し方が下手でも問題ないんです。ただ相手側に考えさせるような話し方は行わないようにしています。例えば、誰が誰にどうするといった話題の中で「誰が」と「誰に」を抜かして話してしまうと、相手側に考える労力をかけてしまいます。
(Ogoshi)日本語だと、話題のバックグラウンドをみんなが共有している前提で会話が進みますよね。こういった日本語ならではのハイコンテクスト指向が一つの要因である気がします。正確に伝えるためには、このような暗黙の了解を前提としないコミュニケーションを取っていく必要があります。
(Masami)おっしゃる通り、日本人は主語や目的語を省略しがちですね。私はあいまいさを減らすために、WEB会議では画面を共有して、議事録がてらテキストを打ちながら進行しています。文字に起こすことで不明確な部分が浮き彫りになって、誰が何をするかの共通理解をよりスムーズに行えます。
(Sekiguchi)皆さんご存じの通り、私は自宅の仕事部屋にホワイトボードを置いています。会議の時はこれが欠かせないですね。だた、このようなツールを使わなくても伝わるように、会社として取り組んでいくべきだと思います。
(Masami)YNSって歴史のある会社じゃないので、ルールが整備されている訳ではない。コミュニケーションにおいても、各チームのリーダーが独自のやり方を各メンバーに合わせながら行っています。自主性は尊重しながらも、オンラインコミュニケーションならではの会社指針があっていいと思いました。
終わりに:ファシリテータの感想
参加者の皆さん、ありがとうございました!
オンラインが基本になり、一定の制限ができた環境下で、皆さんがどんなお悩みを持ち、どんな工夫をされているかを知る機会となりました。オンラインにおけるコミュニケーションの方針出しや社内教育は、企画広報部の宿題として取り組んでいきたいと思います。
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