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守本 陽一
2018年2月21日 16:49
2週間にわたる医学部卒業試験の1日目が終わり、2日目に向けてカフェで勉強していたとき、一本の電話が入った。「母」と表示されたケータイの画面。でも、電話に出たのは父だった。「母がくも膜下出血で倒れて、厳しい状況だ」とのことだった。信じたくなかった。でも事実だった。心臓がいつもより早く鼓動する音が聞こえるほど妙に冷静だったのが、逆に怖い。大学に手続きを確認した後、僕は運ばれた病院のある
2018年1月11日 17:11
高2の夏に自宅で介護していた祖父が亡くなった。僕の誕生日だった。その日、僕はこれまで生きてきた人生の中で、一番泣いた日だった。なぜ泣いていたのかは今は思い出せない。ただ覚えているのは、僕が朝起きたときにひっそりと自宅で息を引き取ってた祖父の生暖かい手の感触だ。その感触に祖父がまだ生きているような感覚を覚えた。目の前から大切なものがなくなった喪失感と自分の無力感から泣いていたような気