おじさんよ、未来の人材落として満足かい?

ある企業の最終面接を受けた。

そこは、自分が一番行きたいと思えた

ここでなら頑張れると感じたところだった。

そんな所で、いよいよ最終面接までたどり着いた。

私はいつも面接の日は朝の4時半に起きてしまう。

人より少し心の準備に時間が掛かるのだろう。

最終面接は16時からだ。あと12時間をどう過ごそうか。

緊張しすぎて、何も手がつかない。

面接の準備はもう十分したつもりだ。

それなりに思いも、覚悟も伝えられる自信はある。

じゃあ、何をしようか。

大好きなコーヒーとパンの組み合わせも、全く美味しくない。

味覚が感じられない、なんて嘘だろ。と思ってたけど、初めてわかった。

どうしようもなく動揺していた私は、行きつけの図書館に行った。

新設の図書館で、とても美しい場所だ。何もかも素敵な、言葉では表せない場所。

中高生の溜まり場みたいになっているのが若干悲しいけど、好きな場所であることには変わりない。

そこで3時間過ごした。何が口にしたいと思って、帰りにスーパーに寄って十円ガムを買った。

昔はよく食べてたなあ。21歳になっても食べるなんてあの頃思ってなかったよなあ。

最近は割と大人チックなガムばかり食べていたから。

買って、開けた。

あたりがでた。

思わずその場で笑った。同時に泣いてしまった。

なんか応援されてんのかなあ。そんなわけないけれど、そうだとしか思えなかった。

そしてその日は誕生日前日。21歳最後の日に、一番行きたい企業に、自分の人生で感じたことを話すんだ。母も父も応援してくれた。スマホにはたくさんの応援メッセージが来た。「お前なら大丈夫。」その言葉に勇気づけられた。

私はそのあたり紙を、透明なiPhoneケースに挟んだ。

「これならいける。何もかも条件は揃った。」

そう確信した。帰りの車は「サントラ」をかけた。

勝負の日に一番ふさわしい曲だ。また泣いた。こんなに涙脆かったっけ。

なんだかんだ言って時間は待ってくれず、16時になり、面接がスタートした。

自分のことを、会社への想いを必死に話した。何を話したかはあんまり覚えていない。

でも、手応えはなかった。

こっちは人生を賭けて、必死に話している。今までの苦労も全て乗り越えて、たくさんの期待を背負って話している。

だけどさ

なんで、そんな人を目の前に、話の途中でコーヒーを啜れるの?

「はいそーですかー」なんて薄いリアクションなの?

なんで上の空で話聞いてんの?なんで上から目線なの?

私はこれから先、何年も活躍したいと思っている「未来」でしょう?

なんで後、数年しかいないような定年間近の人に合否を決められなければいけないの?社長でもないんでしょう?

現場の人はOKしているんでしょう?なんで一緒に働かない人にバツをつけられるんだ?

終わった後、ひたすら「なんで?」しか出てこなかった。

私は大事なことがあると、いつも行く場所がある。そこでひたすら考えた。

就職活動は、辛い。

でも何が辛いんだろうね。

内定を取れないこと?いきたいところに行けないこと?人と比べること?周りは大手で、自分は無名企業だから?面接官に思いが伝わらなかったから?

就職活動は、その全てが降りかかってくる。

勝ち組、負け組、はっきりとその差が出るんだって。

そんなこと、考えなくてもいいのにね。

「自分の人生じゃん。人は関係ないよ」

そんな風に思えたら、どれだけ楽だろう。

自分はどうやって生きれば、自分に納得できるのかな。

そろそろ見つけたかったな。わからないや。

これから見つかればいいな。







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