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デザインの面白さは創造的な統合にある

ビジネスプロセスデザイン室の活動のイメージを広げていくために、「デザイン」について、色々な本を読み、色々な人たちと語り、身の回りをよく見て、活動を再定義し、考えている。とても面白い。

共創体験をデザインする

この言葉をきっかけに、想像が広がっていく。なるべく、この言葉に触れて入られたら、幸せと思う感覚。

(ビジネスプロセスデザイン室のミッション)

デザインという掴みどころのない言葉を、掴もうとしている先人の言葉を並べてみる。同時に、なぜデザインが面白のかの理由の一つである「創造的な統合」についても考えてみる。

1. ひらやまさん@cotree COO

デザインを巡る旅は、思えばふとしたところから始まった。始めようと思っていなかったけれど、振り返れば、あの時が始まりだったのかもしれない、という感じで。

cotreeのひらやまさんがオフィスに遊びにきてくれた時の対話の中で、ふと「最近デザインという言葉が気になっている」と伝えると、ひらやまさんから「最近デザイナーに会っている」とかえってきた。

そして、目の前のペットボトルのキャップを触りながら、「デザインは問題解決であり、意図があるもの」と説明してくれた。

全てのデザインには意図や明確な目的がある。そして、人工物はデザインされたものであるから、僕らが日常的に囲まれているほとんどのものには「意図」がある。

毎日、数え切れないくらいの意図に囲まれていると思うと、かなり興味深い。そんな風に捉えるとめまいがし、気分が悪くなるのを感じると同時に、多様な意図があることに気づくと、毎日の景色が違って見えるのを感じる。

意図に気づくこと、意図を持つことはデザイナーとしての初めの一歩かもしれない。

2. デザインのデザイン(原研哉さん)

この本は、自分が20代でまだまだ、今より迷っている時に手に取った本で、頭でっかちの僕はとても好きになった本だった。今回、またこの本に帰ってくることができた。とても嬉しい。

デザインとは、ものづくりやコミュニケーションを通して自分たちの生きる世界をいきいきと認識することであり、優れた認識や発見は、生きて生活を営む人間としての喜びや誇りをもたらしてくれるはずだ(P2) 
むしろ耳を澄まし目を凝らして、生活の中から新しい問いを発見していく営みがデザインである(P26)
デザインは基本的に個人の自己表出が動機ではなく、その発端は社会の側にある。社会の多くの人々と共有できる問題を発見し、それを解決するプロセスにデザインの本質がある(P29)

印象的なのは、デザインを捉える時に問題解決のプロセスに着目していること。

コラム:デザインの面白さは創造的な統合 (1/2)

メンバーとの1on1でもアートとは、デザインとは、という話に広がった。その時に特に、デザイン思考に話が及んだ。

デザインは問題解決であることはひらやまさんに教わった。改めて、デザイン思考のプロセスを並べてみると、まさしく問題解決のプロセスが浮かび上がってくる。

ここで、デザインというものの面白さの一つが「創造性」と「プロトタイプの作成」である気がしていた。創造性とは、別の言葉を使うと、観察して課題を定義するもしくは仮説を構築する時の根底にある、「フレームワーク」の面白さ、独自性である気がしている。

リフレーミングと呼ばれることもあるかもしれないし、独自のパースペクティブと言うことかもしれない。デザインの創造性は観察をしてからの課題認識や仮説の面白さで決まる気がしている。

それをプロトタイプを作っては壊し作っては壊しを行い、課題認識と仮説(解決策)の独自性をブラッシュアップしていくことにデザインとしての面白さがある。

ブラッシュアップに面白さがある。原研哉さんがデザインを語る時に、思考や取り組みのプロセスこそがデザインであると言ってしまうところなのかなと想像する。

3. クリエイティブ・マインドセット(IDEO共同創業者のトム・ケリーさんとデイビッド・ケリーさん)

「クリエイティブ・マインドセット」では、デザインとは?と言う問いかけよりも、デザイン思考というものの考え方や取り組みにフォーカスを当てて書かれている。特に、個人がいかにすればよりクリエイティブでいられるのか?という問いに向き合っている本だと言える。

このスタンスには、とても共感するところもあるし、昔からわかっていたのに、仕事で実践できていなかった悔しさがある。このnoteに書いたことの多くに触れられている気がする。私が自分のnoteで好きなものの一つだ。

4. 2001年IDEOのCEOティム・ブラウンさんのプレゼン資料

このプレゼン資料は、統合について説明してくれている。そして、質のよいデザインが行なっている統合が、美しいのは、様々な一見、制約条件と思われることを一旦バラして、そしてリフレーミングして、構成し直しているからだ。

(2001年にIDEO CEOを引き継いだティム・ブラウンのIDEOプレゼンによると)デザイン思考は統合的思考であり、新しい解決策を見い出すためにぶつかりあうアイディアや制約をうまく利用する力(考え方・取り組み)である。
また、デザインは人間が必要とする望ましい状態を技術的な実現可能性や経済的な実行可能性と均衡させることとのことです。

コラム:デザインの面白さは創造的な統合 (2/2)**

目の前の出来事を観察して、それを抽象化して、今まで見ていたフレームワークではない、新たなフレームワークで捉え直す。そして、複数の出来事の意味合いを捉え直す。

関係性を捉え直すこと自体もクールだし、その捉え直すプロセスも面白くなればなるほど、それはクールなデザインをしていることになるのだと思う。

さいごに:共創体験をデザインするとは

このように「デザイン」や「デザイン思考」を捉える数々の言葉に触れた今、冒頭に掲げたこの言葉にある「デザイン」は果たして、何を意味しているのかをもう一度感がてみる。

共創体験をデザインする

もしかしたら、共創体験をデザインする。人と人との関係性をより、イノベーションや新たな価値を生み出すために、捉え直し続けることこそ、共創体験をデザインするということかもしれない。

そして、それを今の時代に、日本で、そして、今属している会社で、自分たちのチームが行うことにこだわることで、それらが制約条件にもなり、インスピレーションにもなって、具体化された「共創体験」の姿が削り出されていくのだと思う。デザインされていくのだと思う。

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[Profile]
宮澤佑輔 | Supershipグループ 経営戦略本部 ビジネスプロセスデザイン室室長・事業管理部部長 | ファイナンス・ビジネスプロセス・組織開発 | PwC(監査)・KPMG FAS(M&A/Strategy)・サイバーエージェント子会社(暗号資産/ブロックチェーン)を経て現職 | 公認会計士 ヨガ講師資格保有



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