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山際響
2022年3月13日 08:01
海に来るつもりは無かったが、ふいに胸の内にこみ上げてくる懐かしさに引き寄せられ、妻を説得して車を浜辺へと向かわせた。 この辺りはだいぶ変わってしまった。昔はもっと錆びついたトタン屋根の平屋で埋め尽くされた町だったのだが、今では茶色と白の南欧風の家が立ち並び、すっきりと整理されたリゾート地のようである。たった今通り過ぎた場所はバス停だった。今でもそうであるが、私の知っているバス停とは違った。昔は