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思考の取りこぼしについて


1.ランニング中の考え事

ランニングが趣味と言いつつも、最近、めっきり走る頻度が減ってしまった。8年前ほど前は、ほぼ毎日5~10km走っていた。しかも4min/kmに近い速さで。陸上競技をやっていたのだから、そのくらいのペースでランニングするのは、当たり前だったと思う。社会人になって数年して、膝を故障し、それでも土日は必ず5kmずつ走っていたが、その習慣もなくなりつつある。マラソン大会、駅伝大会にも出なくなった。最近は業務で必要な資格試験勉強もあり、お盆の時期は大学受験生のごとく、勉強に打ち込んでいた。運動不足気味になっている。

先週、ようやく資格試験が終わり、久々のランニングをした。道中、小学校の運動会の会場を横切り、「もうそんな時期か」と思いつつも、その時点ではすでに歩いていた。合計4kmのうち、半分は歩いていたと思う。ふくらはぎが張る感じがあり、息も上がったので歩いた。情けない限りだ。たぶん、5min/kmペースもままならないかもしれない。10月以降、ランニングしやすい気候になるので、土日の習慣化を再開したい。

ランニング中、毎回思うことがある。自分はランニング中、本当にいろいろなことを考えている。考えては消え、考えては消え、を繰り返している。最初は、普段のモヤモヤや心配事。だいたいは人間関係だと思う。アドラー心理学の本によると、「すべての悩みは対人関係の悩みである」とも言われているのだから、そうなのだと思う。最初はネガティブな思考だが、走っているうちに、だんだんポジティブな思考に変わっていく。「こんなことができそうだ」「次はこれをやってみよう」など。ランニングに限らず、身体を動かすことは、リフレッシュに良い。

2.思考を取りこぼしたくない

このブログのように、ランニング中の思考がアウトプットできることもあるが、その思考を覚えていたときに限る。ランニングの前半には、もっといろいろなことを考えていた。確かに何か考えていたが、それが何だったか。その全てを思い出せそうで思い出せない。断片的には覚えている。

自分は、ランニング中、車の運転中、皿洗い中、風呂掃除中など、日常の何気ない作業かつ何かに集中しているときに、「思いつく」「ひらめく」ことがある。

赤羽雄二さん著の「ゼロ秒思考」という本を読んで以来、「A4メモ書き」をし、普段の何気ない思考をA4用紙に書くようにしている。しかし、ランニング中には紙をもっていかないので、思考の取りこぼしが起きている。自分は、それについて、非常にもったいないと感じている。こういうときに思いつく内容こそ、仕事や日常生活で役に立つ思考であったり、明確に頭の中で言語化されていたり、整理されている場合が多いからだ。それを取りこぼしたくない。対策としては、A4用紙を小さく折りたたみ、ペンと一緒にポケットに入れて走りに行く。これしかないと思う。やろう、やろう、と思って、結局忘れてしまう。ここに書いたのだから、明日は実践に移そうと思う。

3.なぜ思考を取りこぼしたくないのか?

「思考のとりこぼしがもったいない」という話をした。ここで、思考の取りこぼしを「頭に浮かんだ思考を、何らかの形でアウトプットできなかったこと」と定義しておく。

ここで、人間は1日に何回思考するのか?を調べてみた。なんと「約6万回」とのこと。この数字に驚いた。この6万回のうち、何%をアウトプットできているのか?アウトプットとしては、「書く」「話す」が挙げられる。例えば、仕事でメールを書く、ppt資料を作る、プレゼンする、Q&Aに答える、上司に報告する、客先に説明する、Googleで検索する、仲間と雑談する、など。思考したもののうち、「書く」「話す」にアウトプットできているものを「取りこぼしていない」=アウトプットに生かしていると考える。

一方、例えば、昼飯を食べながら外の景色を眺めて物思いにふける、なんとなくスマホをいじりながら考え事をする、「疲れたなー」「今日も頑張ったなー」と思ってベッドに横たわりながら考え事をする、お風呂につかりながら考え事をする、など。思考はするが、「話す」「書く」をせずに終わっている。これらはプライベート寄りの思考だが、ビジネスシーンでも十分ありうる。例えば、本当は言いたいけど周りの目が気になって結局言えなかった、空気を読んで言わなかったor報告書、メールに書かなかった、など。これはすべて、アウトプットの取りこぼしと言えそう。

以上の取りこぼしが非常にもったいないと思っている。なぜなら、人間は1日に6万回思考するのだから、そのうち、「話す」「書く」でアウトプットにつなげられているものは、ごくわずかにすぎないと思う。大半は取りこぼしているのだと思うと、非常にもったいないと思う。

では、なぜもったいないと思うのか?思い浮かんだ思考を整理し、何らかの形で見える化すれば、プライベート・仕事問わず、目の前の課題を解決するのに役立つかもしれない。研究職や企画職であれば、ブレークスルーを生み出すきっかけになるかもしれない。よく発明のアイデアはリラックスタイム、リフレッシュタイムに浮かぶとあるが、それと似ている。このブログも、ランニング中の後半に思いついた内容なので…(内容の充実度は別として)

さらには、心の整理にも役立つ。自分は周囲から記憶力が良いと言われる。「よくそんな昔の細かい発言や状況まで覚えているね」と。記憶力があるのは悪いことではないが、それだけ頭のメモリを消費しているとも言えそう。サヴァン症候群などの非凡は除くとして、可能な限り、頭のメモリに負担をかけない生活をするほうが良いと思う。その方がストレスなく、モヤモヤを抱えず、スピード感や前向きさが上がり、なんとなく頑張れないといった得たいの知れない疲労感・やる気のなさに左右されなくなるはず。

以下、図に整理してみたので、よかったらご参考に。

図 思考の取りこぼしとアウトプット

4.思考を取りこぼさないA4メモ書き

では、思考を取りこぼさないためにできることは何か?

ちょっとした空き時間、一息「ふーっ…」とつくときでも、何かしら「書ける」、つまり、1人でもアウトプットできる機会を作ると良い。「話す」となると、だれか必要だし、相手は聞きたくもない話を聞かされる立場かもしれないので、相手からしたら迷惑かもしれない。(たいていがそうだと思う)また、公共の場で独り言をつぶやくのは気が引ける。たとえ1人であっても、虚しさが襲ってくる。(ふいに独り言するときもあるが)

面倒くさがらず、紙に書く。もちろん、マナーと安全に配慮した上で、許容される範囲でやるべきと思う。満員電車の中ではとてもできないし、運転中も危ない。(やるなら路肩に停車して書くか…)銭湯でお湯につかりながら、サウナに入りながらもたぶんできない。また、部下や子供や配偶者が話しかけているときに、「思いついた!」からと言って、メモ書きするのはよくない。相手の立場に立っていないし、相手の話を真剣に、丁寧に聞く姿勢ができていない。(アクティブリスニングできていない)

1人でないときはマナーが第一優先。そして、1人の時間で何かに集中して取り組んでいるときがチャンス。日ごろ、自身を観察して、最もよく思考する状態を知り、そこで一気に紙に書き出す。この積み重ねが、日々のストレス軽減と健康、プライベートでの好循環、仕事での好循環を生み出す基礎になる。

ここまで書いたのだから、あらためて、紙に書けるときは書き出す。紙に書き出すことで、6万回の思考のうち、1つでも多くアウトプットに結び付ける、を意識して生活していきたい。

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