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【転職】カナダでの未経験からエンジニア就職が無謀すぎた話

私は3年ほどカナダに社会人留学に行っていました。内訳はESL半年、Co-opのカレッジ2年、ワーホリビザ約8ヶ月となります。これで計約3年になります。

前職は営業で、よく見かける「未経験からのエンジニア転職」状態に近いと思います。カナダのカレッジでは1年座学、1年は働くというプログラムだったので、それに沿って勉強や仕事探しをしていました。

カナダでの仕事探し、インターンについて、レジュメについてなどはこちらの記事でまとめています。

留学当初は「カナダで勉強して、日本で転職する」という目的でいましたが、時間が経過すると共に「現地(カナダ)での就職」「そこから永住権を狙う」なども考えるようにもなりました。

この理由としては「何となくカナダの方が精神的に生きやすいと感じる」「このまま日本にいるとダメな気がする」といったような「なんとなく気がする」という心理が元になっていました。

この記事ではどちらの国が良いなどの比較をするつもりはありませんが、SNSで見かける数多の情報からそのような気になっていたのはたしかです。

ではなぜ日本での転職を結果的にしたのでしょうか?

それは「カナダでの現地で就職が出来なかった(出来る気がしなかった)」からです。

現実的に考えて、下記のポイントが私が無理だと感じたところです。

  • ビザ

  • 学歴

  • 就業経験

まずはビザに関してです。

ビザと書くと「ビザがあれば良い」と思うかもしれませんが、自力で働けるビザを取得するには「ワーホリ」「Co-opビザ」などがカナダでは主流です。

もちろん「企業がビザのサポートをする」という事例もありますが、2023年から2024年5月頃まで仕事探しをしていた私の経験上、「よほどエンジニアとして会社に合っていて、優秀」でなければほとんどありえないのかなと感じました。

実際に募集要項で「ビザ」に関する記載がなかったりしますが、面接に進んでみると「永住権申請(自力で)をする予定はあるか?」と聞かれます。もちろん会社によっては留学生や他の国から来た人に対してビザのサポートをするところもありますが、現状多くはないという雰囲気です。

また仕事探しの意外な盲点としては、ビザの残り期間です。例えばワーホリビザが残り6ヶ月あるとして、その時点でまだ仕事を探しているとします。仮に会社が見つかっても、そのビザで働けるのは6ヶ月。つまり会社のサポート無し、永住権無し、ではそれ以上働くことは出来ません。

しかし、ビザのサポートを受けるのも大変な中で、永住権の申請が簡単かというとそんなことはなく、実際1年時間があるように見えて「最初の半年程度」が現実的な仕事探しの期間となります。

もちろん人によっては企業がサポートしてくれることもありますし、色々な事例が毎日起こっているので断言は出来ませんが、多くの一般例として話すとこうなります。

私もCo-opのビザが終わったあとにワーホリビザに切り替えましたが、切り替えて数ヶ月経った時点でこれに気が付きました。企業は永住権を持っていないなら、絶対に残りのビザの期間とその後どうする予定なのかを聞いてくるので、今は「企業のビザサポートに頼る」というのが難しいです。

次に学歴です。

私は文系大卒、カナダでウェブ系のカレッジ卒でしたが、現在仕事を探している人の学歴としては最低でも「コンピューターサイエンス関連の大卒資格」です。しかもカナダの学歴が優先されているような雰囲気もあり、実際にそれぞれの国でその学部の卒業資格があっても、わざわざカナダの大学に行き直している人なんてゴロゴロいます。

カナダには2年制のカレッジというのも存在し、既に日本でエンジニアとしての経験があるのであればそれでも良いと思います。(それでも仕事を探している日本人をLinkedInで沢山見かけますが…)

しかしあくまで大卒もしくは大学院卒が学歴として認められている雰囲気があるので気も付けて下さい。

最後に経験です。

恐らくですが2024年現在「未経験で就職」なんていうのはほとんど不可能です。100%と言い切れない理由としては実際に出来ている人もいるからですが、ですが周りで1,2人といった感じです。

カナダでのエンジニア就職に関してはこれまでに色々な人やエージェントが記事にしていますが、よくそれらの記事が書かれた日付を確認してください。「未経験でのエンジニア転職が可能」という時代はもちろんあったと思います、しかし現在の北米は求人数より圧倒的に仕事を探している人が多いので、ほぼ不可能だと思います。

私が渡航した2021年も難しいと言われていましたが、その時は「自分なら出来る」「そんなの気にしない」と意気込んでカナダに来ました。しかし結果的にはどうでしょうか?

先日帰国に合わせて日本の企業から内定をもらいました。つまり私は意気込んでカナダに来ましたが、「現地就職は出来なかった」人間です。

私の思う難しかったポイントは上記にまとめていますが、それらが1つでも欠けているなら安易に選択するものではないなと今では思います(金銭的にも時間的にも)

特に経験は非常に大事で、どの企業の募集要項にも「3年以上の経験」
と記載されています。ネットにある記事では「3年の経験が無くても申し込んだら会社に入れました」なんてありますが、だいたいは古い例か、他の要素を書いていないかです。

よく「経験年数だけでは仕事の出来には関係無い」と言っている人もいますが、ここでの経験というのはあくまで書類選考を通り、面接まで進む為のものです。その先にあるコーディング試験で実力が問われるので、あまりそのような考え方は意識しなくてよいと思います。

カナダの選考も

書類選考→面接→コーディング試験(1回もしくは複数回)→面接→オファー

といった流れが基本で、このコーディング試験の辿り着くまでに、履歴書上での書ける「経験」が最低限必要になります。

もちろん「経験=実力」ですが、この選考ステップをクリアするための「経験」も無いのであれば、そこから作りあげるしかありません。

私は日本での経験はなく、せいぜいカナダでやっていたインターンのみでした、やはりそれでは企業の目に留まる事はなく、仕事探し期間で700社ほど応募してコーディング試験に辿り着いたのは2社のみでした。

なぜインターン経験では不十分だったかと言うと、通常は「大学生が経験として行うのがインターン」という認識があるからです。バンクーバーでの例としては「UBCのコンピューターサイエンスを勉強している生徒が持っている経験がインターンのみ」は普通です。なぜなら彼らは順当にいけば20歳前後の学生ですし、インターンに応募してそこで経験を積んでいます。

また、インターンと言っても上はAmazonやMicrosoftなどトップ企業から下は名前の聞いたことないスタートアップ企業・小さい規模の企業などあり、その中でも有名なところに行ける様に争っているのが、現役の学生たちです。

つまり私の様な2年制カレッジに行っても、そもそもインターンの応募資格の「現在コンピューターサイエンス関連の勉強をしている」というのに該当しません。つまりはインターンを探すのですら困難になってきます。

実際のインターンの求人紹介例

これはあくまで一例で、アメリカのインターンの案内ですがLinekdIn上ではこんな投稿がわんさかあります。このような書き方をされているインターンの募集が多く、大学生であることが前提となっているものが多いです。

カナダでのインターンやエンジニア就職に関してはこの方の記事がとても現実的で参考になると思います。

インターン含めて経験についてざっと書きましたが、これらが無いと選考にすら進めないので気を付けてください。

まとめ

本当は日本企業に向けての転職活動の話を書きたかったのですが、その前に「なぜ留学したのに日本の企業に転職したのか」を書くべきだと思い、カナダでの就職が出来なかった話を今回は書きました。

まだまだそれに関する書いていない事が山ほどあるので、記事を分けて書いて、最終的に日本での転職事情に繋げていけたらと思います。

今回も読んでいただきありがとうございました。合わせて関連する記事も読んで貰えると嬉しいです。

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