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母趾外転筋はアーチを挙上させる+αの情報

皆さんの大好きな母趾外転筋です。母趾外転筋は足底内在筋の中で一番大きい筋肉で、足部縦アーチを支持する重要な筋肉ですよね!


母趾外転筋について、詳しく記載してあるものはこちらです!


母趾外転筋は、歩行のMid stance~Terminal stanceの間に筋活動が生じます。このフェーズは荷重量が最も大きくなり、蹴り出しに向かっていく途中です。

図8

Mid stance~Terminal stanceはアーチを支持し、硬い足部を作り、蹴り出しを効率的に行うための準備段階になります。


もし、Mid stance~Terminal stanceでアーチが潰れ、硬い足を作ることが出来ない場合、効率的に身体を前方移動することが出来ず、蹴り出しも不十分となります。


そこで、今回は母趾外転筋がアーチを支持するために重要と考えられる文献を紹介したいと思います。また、その文献のプラス情報もお伝えします!


それでは宜しくお願いします!


1.母趾外転筋はアーチを挙上させる!

図10

多くの報告が存在します!

遺体を用いた研究では、母趾外転筋の収縮を再現し、これによって MLA が挙上したことを報告した。

Wong YS. Influence of the abductor hallucis muscle on the medial arch of the foot: a kinematic and anatomical cadaver study. Foot & ankle international. 2007; 28(5): 617-20.
生体を対象とした研究では、母趾外転筋の麻痺や疲労によって、静止立位における MLA の低下が生じたことも報告されている。

Fiolkowski P, Brunt D, Bishop M, Woo R, Horodyski M. Intrinsic pedal musculature support of the medial longitudinal arch: an electromyography study. The Journal of foot and ankle surgery. 2003; 42(6): 327-33.
Headlee DL, Leonard JL, Hart JM, Ingersoll CD, Hertel J. Fatigue of the plantar intrinsic foot muscles increases navicular drop. Journal of electromyography and kinesiology. 2008;18(3): 420-5.
母趾外転筋の電気刺激によって、座位で大腿上に負荷された荷重による MLA の低下を軽減したことを報告している。

Kelly LA, Cresswell AG, Racinais S, Whiteley R, Lichtwark G. Intrinsic foot muscles have the capacity to control deformation of the longitudinal arch. Journal of the Royal Society, Interface. 2014; 11(93): 20131188.
足部内在筋には歩行中の MLA 高の低下を制限する機能が備わっていることが確認できた。

岡村 和典:歩行場面における足部内在筋の機能的役割の解明.県立広島大学大学院 総合学術研究科 生命システム科学専攻 博士論文 2019

母趾外転筋は足部アーチを挙上させるというコンセンサスが得られつつあると思うので、アーチを挙上させるということは間違いないと思っています。


また、死体研究の中で面白い記載がありました。

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