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結帯動作の基礎 ~正確な評価方法は存在するのか?~

肩関節の可動域制限があると頭上に手を伸ばす動作や背中に手を回す動作ができず、日常生活に支障をきたすことが多いです。特に、拘縮肩では肩関節の可動域が著明に制限されるため、結滞動作も制限されてしまいます。


結滞動作は男性ではベルトを着ける際に、女性では下着をつける際に必要な動作となります。結滞動作は内旋可動域が重要と考えられており、「結滞動作の制限=肩関節内旋可動域制限」と考えられていることが多いです。


確かに結滞動作に肩関節内旋可動域は大切です。しかし、結滞動作は肩関節、肘関節、手関節、肩甲胸郭関節、肩鎖関節などの多関節の複合運動によって生じる動作です。


つまり、「結滞動作の制限=肩関節内旋可動域制限」と考えることはナンセンスであるということがわかります。

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結滞動作において、臀部の高さまでに内旋の54.3%(平均39.8度)、臀部から仙骨の高さまでに11.7%(平均8.6度)が生じ、仙骨の高さまでに肩関節内旋の66%が生じています。


仙骨に到達した時点で、肩関節は平均48.4°の内旋が生じていると報告されていますが、その後は100°以上の肘関節屈曲が最大に寄与します。肩関節内旋はTh12レベルを超えてからは大幅に変化しません。


つまり、結滞動作のフェーズによって内旋可動域が異なるため、”結滞=内旋可動域”となりません。そもそも、結滞動作は肩関節内旋可動域を評価する正確な評価方法ではないという論文もいくつも存在しています。


そのため、肩関節内旋可動域だけに着目して結滞動作を評価してしまうと、多関節からの影響を過小評価してしまう可能性があります。

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そのため、「結滞動作は複合運動であるから、肩関節内旋可動域だけでなくその他の関節運動の影響も考えて評価する」ということが重要になります。


今回の記事では、詳細な関節や筋肉の評価方法は割愛し、”結滞動作を客観的に評価するにはどのような方法があるのか”を提示したいと思います。


1.結滞動作の評価方法

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