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肘内側側副靭帯損傷の介入方法のヒント

前回、私の記事では肘関節内側の構造について記載させて頂きました。

今回は前回の内容を生かして、肘関節内側側副靭帯損傷の介入について、考えていきたと思います!


1.肘関節内側側副靭帯の解剖のおさらい

肘関節内側側副靭帯(以下:MCL)は上腕骨内側上顆から尺骨滑車切痕に付着し、前部線維、後部線維、横走線維の3つに分けることが出来ます。

図10

エコーで見ると、肘MCLはこのような感じで撮像できます!

図6

AOLは肘関節屈曲伸展軸のやや後方に位置しているため、伸展では前部線維、屈曲では後部線維が伸張されます。AOLは肘関節伸展/屈曲どちらの位置でも緊張を保つことが出来ます。(文献により諸説あります)


POLは上腕骨内側上顆と肘頭を結び、肘関節屈曲により伸展時よりも約2倍伸張されます。


2.内側側副靭帯損傷のメカニズム

基本的にオーバーヘッドスポーツで肘関節内側側副靭帯損傷が多いです。特に野球で生じる印象が多いと思います。


ではなぜ、野球で肘関節内側側副靭帯損傷が多いかというと、投球時に常に内側側副靭帯の破断強度を越えるストレスが生じているからです。

図11


この破断強度を越えても、100球以上投げれるのには理由があります。

それは
・下肢からの効率の良いエネルギーの伝達
・肘関節内側の動的安定化機構
が存在しているためです。

こちらの記事をご参考にください!


ですが、運動連鎖の破綻や前腕屈筋群の機能低下が生じ、肘関節内側安定化を靭帯にのみに依存すると、靭帯を損傷する可能性が高くなります。


靭帯の損傷、疼痛が出現しないために、我々が選手のコンディションの把握や予防のトレーニングなどを指導する必要があります。(一番大切なことは指導者に理解してもらうことです!!!)


3.内側側副靭帯損傷の評価

内側側副靭帯の損傷が疑われた場合、まずはしっかりと状態を評価する必要があります。今回は野球に絞って考えていきたいと思います。


評価をする前に知っておいていただきたいことは、大人と子供では損傷しやすい部位が異なります。どこが損傷しやすいかを最初に記載します!

子供:骨端・骨端線
大人:筋・腱・靭帯の付着部

特に圧痛を評価する際には重要になってくると考えられます。


では、まず最初に「どのフェーズで痛いのか?」「何をした時に痛いのか?」というのが大切になります。この質問でおおよその位置、損傷している組織を推測します。

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